2018年5月21日月曜日

6月「食事会」

ほぼ恒例化してきた食事会。
一昨年前の東京版食事会「薬膳の真髄〜山本豊の中国料理を味わう会」に続き、今年は、「神田雲林 成毛幸雄シェフのエスプリを味わう会」。

13周年を迎えるこのお店。私も、上京の度に足を運んで12年(!)。
手を抜かない丁寧なお仕事ぶりと気さくさが心地よいお店という印象は、ずっと変わりません。

言うまでも無く中国は、本当に広大な国。「中国料理」と一言で言っても、実に幅広く地方色豊かです。多彩な料理の背景に思いを馳せると、中国という国の逞しさや底力が見えてくる気がします。
大陸や台湾に食紀行を重ねておられる研究心旺盛な成毛シェフのお料理で、それらを遠巻ながら感じ取って戴けたらとの思いで本会を企画しました。

薬膳とうたわない薬膳。
よい食材で、丁寧にとった濃いスープで、良い氣をもった料理人さんが丁寧に作るお料理ですから、皆さんの心身の薬膳にもなることと思っています。

既に定員一杯。皆さん、新幹線のチケット、航空券、ホテルも予約済み♪

シェフ、宜しくお願いしますよ♪

2018年5月14日月曜日

「大奥不健康物語」

BSプレミアムで、『偉人たちの健康診断』という番組をやっています。(水曜夜8:00~
)

現代の科学で、人物の記録を分析し、真実と共に歴史を紐解くというアプローチで、第4回目は、大奥の女性達の健康状態についてでした。

大奥の女性たちを診るのは、漢方医。
漢方の診察は、望診(舌診や顔色等のチェック)や問診もですが、何と言っても1に脈診2に触診です。しかし、直接顔を見てはいけないとか、触れてはいけないとか、高貴な方々の診察にはいろいろ制約があったようで・・・。
身分の高い方は高度な医療が受けられると思いきや、その実真反対という皮肉な状況におかれていたことが明らかになっていきます。

お世継ぎ問題でも同様に、この「高貴な人」故のいろんな不健康ぶりが。
例えば、乳母はお世継ぎの赤ちゃん(赤ちゃんでも高貴なのだ)の顔を見ないように、顔を隠されて、おっぱいをあげなければなりませんでした。
授乳タイムのアイコンタクトは親子の絆と情緒の安定をつくる大事なひととき。それが成されることで、心が折れにくい強い精神の人間になるのだそうですが、顔を隠され、アイコンタクトも出来ないままのおっぱいタイムで、絆は愚か、不安感を抱えてのおっぱいタイム。乳母の方も、緊張で、直ぐにおっぱいが出なくなっていたようなのです。緊張した乳母からのおっぱいにも、ストレス物質出てしまい、その成分を赤ちゃんが取り込んでしまうというシンクロが起こり、不安定な精神状態になるのだそう。

家康から15代慶喜まで、歴代の将軍の中で、お世継ぎを自ら産めた御台所は、なんと3代将軍家光の正室お江(信長の妹お市の方の忘れ形見三姉妹の末っ子)のみなのだとか(!)。その他、側室が生んだ子供たちでも、二十歳まで生き延びた男子はたった4人しかいないのだそうです。

大奥で育てられる子供が一様にひ弱なのは、そうした医学的根拠のない「しきたり」のせいであろうというお話でした。

動物として捕らえたとき、「しきたり」とは如何に不自然な行為の数々でしょう。
人間の生き物としての有り様を客観的に見つめ直すことが、健康の第一歩かもしれません。

このシリーズでは、上杉謙信、石田三成、豊臣秀吉、坂本龍馬に西郷隆盛等々、時代を動かす人物の健康が取り上げられますが、彼らの健康状態次第で、歴史も変わったかも知れないと思うと、これはもう、あなどれませぬ。

さて、次回、5/16(水)は、三代将軍徳川家光の健康チェック。
唯一御台所(お江)が生んだ子供です。
まだ「しきたり」がコテコテになる前の江戸初期、お江がお市の方から受け継いだ(?)子育て術が紹介されるかもしれません??





2018年5月7日月曜日

シネマンマ映画談『ダンガル きっと、つよくなる』



昨年の『ライオン 25年目のただいま』につづき、早くも今年のベストになりそうな予感のする映画です。

「ダンガル」とはレスリングという意味だそうで、娘達に自分の夢を託した熱血パパと娘の大奮闘物語。実は、吉田沙保里選手とも一戦交えた縁あるインドの代表選手の実話(!)。
スポ根系という印象よりも、親子愛いっぱい、笑いあり涙ありの映画という感じで、レスリングファンでなくても楽しめるいい映画でした。

物語はさておき、インド映画でいつも気になるのは、食事のシーンや、生活環境の映像、食に関係する台詞など。
この映画では、熱血パパが、娘達を鍛えるにあたって、タンパク質を摂らせるために「チキン料理」をつくらさせようとするのですが、いつもは従順なお母さんが「台所が穢れる!」と、猛烈に抵抗するシーン。
このパパの甥っ子が選手強化合宿所に付いていけとせがむシーンで言う「おじさんのために野菜料理を作るよ」の台詞。

このパパは、いやこの家庭は「ベジタリアン」だったのか!??

インドのスポーツ界で、しばしば宗教やカーストが障壁になることは聞いていましたが、「ベジ」では体作りに限界があるでしょうね。)))

それから、娘たちを鍛え上げるにあたり、禁止した食べもの。

1.あまいもの
2.油っこいもの
3.スパイス

思えば、これら抜きにインドは語れないほどこれらはインドらしいw
特に3は、インド人として骨抜きにされそうですw。

1,2は体脂肪率をあげてしまいそうで筋肉増強の妨げになりそうですから、なんとなく理解できます。では、3のスパイスは、何故禁止されたのでしょうか?

・体温が上がりトレーニング継続の障害になる?
・刺激物である?
・ドーピングにひっかかる成分がある?? 

インドのスポーツ選手は、世界水準で戦える体作りの為に、食の禁忌を破って、体作りに励んでいるのでしょうか?

ちょっと具体的に踏み込んで考えてみると、実に知らないことばかりのインドですが、私達には計り知れない数々の社会背景がさり気なく盛り込まれているところも、この映画、いえ、インド映画の魅力となっていると思います。







2018年5月4日金曜日

東西アフタヌーンティー


いつもの中国料理から離れて、今回はホームベーキングです。

お店では買えない思い出の味というものがあります。25年前の私にとっては、それはベーグルでした。「無いものは作るしかない」と、見よう見まねでパン生地を茹でて焼いて・・・結構それらしいものが出来たりして、パン作りにハマった20代後半。
やっと90点以上のものが作れるようになった頃には、巷にベーグル専門店なども出来ていたりなんかしてw
新しいものを追いかけるというのは、とかくこのような徒労も多いのですが、このプロセスの失敗の数々が、今思えば、何よりの勉強だったなぁと思う今日この頃です。

20代には20代の、30代には30代の味覚が求めるものがあるものですが、あの時のベーグルバリエーションのひとつ、ダークライ麦風味は、私にとっては普遍の味。実は今月のパンの元となっているのです。

ライ麦入りのダークブラウンブレッド。

体力温存の50代ですから、こねる作業は専ら製パン機におまかせw

そう。日々の食事づくりにそんなに気合いは入れられないのだ。
気軽に作れるからこそ、継続できるのだ。

暮らしとは、継続なのだよ、ルーティーンなのだよ(!)。


・・・そんな心持ちで、気合いたっぷりの粽作りの後は、ルーティーンのヘルシーパンをご紹介します♪

西の飲茶点心、アフタヌーンティー仕立てで、美味しい紅茶の飲み比べと共にお楽みいただけたらと思います。

  レッスンのポイント
  ※ホームベーカリーの賢い活用法
  ※パンの調理科学を知って失敗知らず
  ※紅茶の種類(中国、インド、スリランカ・・・どう違う?何が違う??)
  ※食文化「アフタヌーンティー」V.S.「飲茶」

  内容
  ・ポリフェノール増量ライ麦入りブラウンブレッド
  ・英国風サーモンサンド
  ・野菜のお料理
  ・ヨークシャープディングからスウィーツを♪
  ・紅茶2〜3種


日時:2018年5月19日(土)残り1席  20日(日)残り1席  10:30~14:30

2018年4月24日火曜日

たけのこ ~ 春の養生

筍とコシアブラの揚げ浸し
筍饅頭
桜が終わり、4月は、たらの芽、つくし、うるい、山葵の花、こごみ、こしあぶら、うど、わらび、ふき、ぜんまい・・・と、山菜のオンパレード。
いずれも短い旬を謳歌し、最後にトリをとるのがタケノコでしょうか。

今年も尾道から沢山筍をもらって帰りました。
先っぽの柔らかい所は、サッとお出汁で炊いたり、筍ごはんにしたり、揚げ出しにしたり・・・そして下部のちょっと硬めのところはフードプロセッサーで砕いて筍饅頭にします。

筍は淡味。中国料理にも相性抜群の筍ですが、筍の淡味を最大に引き立てるのは、お出汁だと思うので、専ら和食で頂いております。

旬の食材を効能だのなんだのといった視点から語るのは、なんだか野暮な気がしますが、筍の有り難さを噛みしめて頂くためにちょっとご紹介します。


   筍   性味 / 帰経 → 寒・甘/胃・大腸  
       清熱化痰 解毒透疹 順調通便  
       ※チロシン豊富  

   竹葉   性味 / 帰経  寒・甘・淡/心・肺・胃・小腸 
       清熱除煩 生津利尿  
       ※クロロフィル(葉緑素)豊富

   淡竹葉 性味 / 帰経   寒・甘・淡/心・胃・小腸・肝・胆  
       アミノ酸、ビタミン、カルシウム、鉄分など含む
       ※クロロフィル(葉緑素)豊富

   cf.熊笹 性味 / 帰経  寒・甘・苦/肺・肝
       疎風清熱 清肝明目
       殺菌 止血 理血   
       ※ビタミンK、クロロフィル(葉緑素)豊富

竹の仲間は、総じて、体の熱や炎症を取る働きがあり、ディトックス効果に優れ、冬の間の体の錆落としのような働きがあることが分かります。
春の山菜には、体をリセットするお助け成分満載ということでしょう。

農業節である二四節気の始まりは、立春(2月4日)。
ふきのとうにはじまる山菜暦も同じ頃かと思います。

春は気巡りを良くすることも大切。自然の中に身を置き、山菜摘み…お花見…と、山菜を行楽とともに楽しむことも、春の養生に繋がります。
次々に出てくる山菜を楽しみながら、気がつけば5月の立夏の頃までに、体はすっかりリセットされるという訳です。

科学の知識やうんちくからは少し距離を置き心を解放し、季節を丁寧にお料理して、只ただ「おいしいわぁ〜)))」と味わうこと。
これが、実は、体にも最高の仕事をしていることになるなんて、自然の摂理は常に人間の叡智の上を行ってます。

さて、筍料理を前に、一献。
・・・こちらは、人間の人間たる所以でしょうか(苦笑)。
ま、少量なら百薬の長ですもんね(^_-)-☆。


※チロシン:非必須アミノ酸の一種。必須アミノ酸のフェニルアラニンから合成されます。
アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料となります。
また、成長や代謝、自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンや、メラニン色素の原料となります。
バナナやアボカド、リンゴなどの果物にも多く含まれています。

※クロロフィル:
クロロフィル(葉緑素)は、体内で、コレステロールやカドミウムやダイオキシンなどを排出してくれる働きがあり、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立っています。
また、鉄分と結びついてヘモグロビンを生成しています。
つまり、抗酸化作用、デトックス効果(カドミウムやダイオキシン)、貧血予防に役立つ成分ということ。
ヨモギ、小松菜、ほうれん草など、様々な緑黄色野菜に含まれる成分です。

※ビタミンK(K1とK2):脂溶性ビタミン(脂肪組織や甘草に貯蓄される)の一種。血液凝固促進(プロトロンビン)、骨の形成などに関与している栄養素。動脈の切開かを抑制する作用もあり。
葉野菜や豆類、海藻類、食肉や乳製品にも含まれています。
茶、紅茶や、海苔、ワカメ、ひじき、ケールやパセリ、モロヘイヤ、アシタバ、ほうれん草、春菊、ヨモギ、バジルえ納豆等々。
ビタミンKは止血作用があるため、血流をよくする薬「ワーファリン」などを摂取している人は要注意。




2018年4月16日月曜日

タイの「ロイヤルプロジェクト」

写真は、タイの故プミポン国王立案(1969年)、王室自ら開発と支援を行っている「ロイヤルプロジェクト」で生まれた完全醗酵茶=ブラックティー。

「ロイヤルプロジェクト」とは、プミポン国王の治世のとき、タイ北部の山岳地帯のケシ栽培を目の当たりにした国王が、国民が違法なアヘン栽培などに手を染めないよう、農業や食品加工の分野で自立しできるようにと考えらた支援策。
王室の私財を投じ、新技術も取り入れ様々なプロジェクトを運営しているのだそう。
売上げは生産者に還元されるので、それらを購入することは、社会貢献にもなる(!)。

このプロジェクトは、50年を経て、素晴らしいお茶も生み出していました(!)。
ストレート向きのこの紅茶、ちょっと烏龍茶(岩茶)ぽくもあり、なかなかイケてます。

タイ〜中国の雲南省にかけては、お茶の原産地であると同時に、しばしば麻薬街道とも重なる地域。
思わず、昔観た映画「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」(1985年制作/ミッキー・ローク&ジョン・ローン主演)で、NYCのチャイニーズ・マフィアがケシの栽培地に出向いているシーンを、思い浮かべてしまいました(古くてスミマセンw)が、「麻薬ではなくお茶で堂堂身を立ててもらいたい!美味しいお茶が出来るに違いない!」そんなとこからスタートしたのですね。

その国の文化を深く理解している王室が、その立ち位置でもって興したのがこのプロジェクト。深い知性を感じます。


振り返って日本。国民の税金を使って展開する様々な行政事項、いろんな支援策が、ちゃんと根っこの支援になっているだろうか? 深い知性でもって、10年20年先を見据えたものであってほしいもの。。。






2018年4月12日木曜日

滷水


写真は、台湾の抽化街で買ってきた小滷包。滷水の香スパイスブレンドです。
滷水は、香辛料入りの煮込み用のタレで、滷汁ともいいます。
醬油や酒に、スパイスを加えて香りづけし、そこへ下ごしらえした肉やキモ肉を加えて煮込みます。

日本でいうところの、鰻や焼き鳥の秘伝のタレみたく、足しながら使い続けることが出来る煮タレ。「秘伝」に育てるまでにはいかないけれど、ちょっとスパイスの配合を工夫するだけで「我が家の味」を生み出すこともできます。


4月の料理教室では、これをつかってお肉を煮込み、サッと糯米と一緒に包んで粽代わりの一品に。
このタレがあると、いろいろ放り込んで込んで作りたくなります〜。

でも、煮込み料理、実は私、スパイスなしの美味しい甘辛醤油だれでつくるのも好きです。香辛料に邪魔されることなく、竹の葉や蓮の葉の香りをごはんに移して楽しむ。
日本の風情にはこっちの方がしっくりくる気もするのですが、内臓類など、ちょっと一癖あるものを煮込むには、スパイスの香りが一役かってくれるのです。
日本人は、お肉と言えば、筋肉の部位ばかり食しがちですが、肉食に慣れ親しんだ食文化の国々では、内臓も幅広く食べられています。
類は類を補う=補いたいところと同じ部位を食べるとよい。
(内臓を食べたら、内臓が丈夫になる。)
そんな考え方もあってか、中国ではキモを始めあらゆる部位がしっかり調理され食べられています。

キモは要。丈夫な体をつくりたいなら、いろいろつくって、いろいろ食べてみよう!

ちなみに、滷水に使うスパイスは・・・
八角、花椒、小茴香、草果、桂皮、陳皮など。
甘草や草果、ローリエなんかも入れたりします。

美味しい煮込みができますように。