2020年6月26日金曜日

澱粉いろいろ



今更ですが、澱粉いろいろ。
片栗粉、コーンスターチ、くず粉、浮き粉、タピオカ粉、緑豆澱粉 etc...

お家にあるのは、まあせいぜい片栗粉とコーンスターチぐらいでしょうか。

仕事柄、ウチにはこの全てが揃っています。

とろみ付には片栗粉。お菓子作りでよく使うのはコーンスターチ。
浮き粉や緑豆澱粉は、専ら特定の中国料理で。

タピオカ粉を何故かったのか・・・思い出せません(笑)。

・・とまあ、こんな調子です。

7月は澱粉にスポットライトを当てて、意図的に澱粉を選んでお料理に使ってみたいと思います。

お楽しみに!!

2020年6月16日火曜日

7月の料理教室

元々少人数制だったことで、あまり変化は感じられない?料理教室ですが、7月、開催です。「再開」というより、1回1回を完結で、これまでより少し定員数を減らしての展開です。

さて、7月は - - - - - - -

 「夏のお手軽点心」
  ● 内容:
   ・涼のスープ
   ・市販の皮を一工夫 夏の餃子(南国スタイル)
    マンゴーソースで♪  
   ・蝦仁腸粉(広東のお米クレープ?) 
   ・デザート
   ・美味しい中国茶


  ● 日時: 7月4日(土)、 5日(日)、11日(土)10:30 ~   ※前日満席

  ● 定員:各回5名

  ● 会費:6,000円



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NHKカルチャー教室の7月

  7月8日(水)13:00~  梅を使ったお腹に優しい夏バテ予防の中国薬膳料理と、ドリンクをご紹介します。
尚、5月に中止になった講座の振り替え講座が、7月29日になりました。
スパイス料理をご紹介予定。
現在、新型コロナ対策として、会食ナシとのポリシーに従い、お料理は、全てお持ち帰り用にセットしてお渡ししています。(再加熱して召し上がっていただける内容に一部変更しております。)

自家製ロースハム



ハム(ham)は、Hamstring(モモ肉のヒモの意)=モモの筋肉のこと。
モモ肉で作るからハム。
イタリアのプロシュート(prosciutto)もスペインのハモン(Jamon)、中国の金華ハム(金華火腿)も、太腿の大きな肉塊で作られる。
太モモは最も大きく最もよく使われている筋肉部位。
最もよく使われる筋肉だから、グリコーゲンを豊富に含んでいるのだ。
だから旨みがたっぷりなのだ。

グリコーゲンは、ブドウ糖分子が結合した形の多糖類。筋肉の収縮のためのエネルギー源。
体は、栄養分を肝臓や血液だけでなく筋肉にも蓄えている。いざというとき、空腹時(血液中に糖分が少ないとき)には、この糖が使われるわけで、いきなり皮下脂肪を分解してエネルギーが作られるわけではない。むかーし、運動生理学の授業でそんなことを勉強したのを微かに覚えていたので、昨今の「糖質制限食」というものが、どうもピンと来なかった。
足が攣れば「あらら、グリコーゲンが足りないのかしら?」なんて、思ったりしたけれど、足がつるのはカリウムやマグネシウムなどのミネラルバランス(イオンバランス)もあるようで、グリコーゲンの問題だけではないらしい。

齢50を過ぎるとコチラの話も気になるけれど、今日は、運動生理学の話ではなく、おいしいハムのお話です。

先の、豚 "ハムストリング” を使った正統なハムは、旨み食材の代表格。元々たっぷりグリコーゲンが含まれているところへ、醗酵の力を借りて旨み分を増量し、さらに水分を抜いてそれを凝縮してある。そう、肉食文化圏の「スルメ」なのです。
中国料理では、金華ハムは、専ら小さく刻まれて振りかけのようにトッピングされたり、スープを取ったり・・と、旨みエッセンスのように使われ、料理の美味しさを底上げする大切な役目を担っています。
ちなみに、香港バブルを感じさせるXO醬は、海の旨みが凝縮された干し貝柱とこの金華ハムのエキスを贅沢に詰め込んだ「これでもかソース」なのでした。

が!

上半分が均一の白い脂肪層で覆われたロースハムにすっかり馴染んでいる私たち。
ロース(背肉)なのにハム(モモ)なのか!??と、横文字表記だとおかしなことになってしまうけれど、ハムはもはや帰化した日本語なのだと思おう!
ハムは、旨みをしゃぶる「スルメ」でもなければ保存食でもなく、陰の立て役者でもなく、程良い塩加減でしっとりと低温調理された一品料理なのです。

だから、それを商品として店頭に並べるためには、当然添加物の助けが必要となってしまうのでしょう。ハムは添加物の宝庫なんて言われたりもします。

添加物を含まない美味しいハムを作りたい。
ミネラル塩とスパイスを擦り込んで、香味野菜を一緒にして、ほんのりスモーキーな香りは㊙のアイディアで(^_-)-☆

美味しい「ロースハム」が出来ました♪

パンに挟むもよし、サラダに加えるも良し。
でも、まずはそのまま召し上がれ。





2020年6月11日木曜日

「Black Lives Matter(BLM)」

体脂肪率の話ではない。BLM=Black Lives Matter は、黒人に対する暴力と社会システム全体に広がる人種差別の根絶を訴える人権運動。

5月25日、米ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警察官に約8分間にわたって膝で首を押さえつけられ、死亡した事件が起きました。衝撃的な映像がSNSで拡散したのがきっかけとなり、黒人差別根絶を訴える「Black Lives Matter」運動から、人種差別全般に抗議する活動にまで発展。世界各地で大きなうねりとなりました。

この動き、引き金の原因となったのはG.フロイドさんの事件だけではないでしょう。

14世紀に起きたペストのパンデミックでは、「疫病は、どんな宗教の人も、お金持ちも貧しい人も、地位も身分も関係無く、みな無差別に襲いかかる」と語られました。しかし今回の新型コロナでは、社会的弱者から多くの感染者が出ていると統計で明らかになってきました。「社会のためにステイホームを求められていた結果がこれか」。常々くすぶっていた社会システムや政治体制への不満、恐怖や不安の中で蓄積されたストレスが、一気に爆発した結果だと感じています。
古くならないキング牧師のメッセージ
マーティン・ルーサー・キングJr.牧師の自由民権運動 (1964〜)の頃は、黒人によるムーブメントでした。
運動の中で、キング牧師は、数々の名言を残しましたが、そのひとつに「In the end, we will remember not the words of our enemies, but the silence of our friends.(意訳「最大の悲劇は、悪人の圧政ではなく善人の沈黙である」)というのがありました。
でも50年を経た今、黒人に限らず皆が沈黙を破り、行動を起こし始めたのです。
フロイドさん殺害事件に関わる元警察官は起訴されたものの、まだ有罪判決となったわけでは無いし、問題はまだまだ余談を許さない状態で決して楽観視はできないけれど、この変化にちょっとだけ明るい未来を感じます。

人種問題は、本当に根が深くて変わらないのだろうな・・・。
実は、1980~90年代のアメリカを目の当たりにした私には、そうインプットされていました。黒人街はやっぱり恐かったし、身近に犯罪があったのも事実です。差別の感情には、恐怖と脅威、不条理の正当化、そして背徳感があるのだと思います。
アメリカの人種差別問題の根っこはどこにあるかと言えば、17世紀をピークとする奴隷貿易。(※「アメリカの」とあえていったのには、その前の旧大陸の様々な民族意識など、遡ればいろいろあるから。)
大西洋で展開する三角貿易は、奴隷(黒い積み荷)-- 銃 -- 砂糖/綿花(白い積み荷)でした。
50万人のアフリカ人が労働力としてアメリカへ運ばれ、南北戦争の頃には黒人の人口は400~500万人になっていたといいます。(『一冊でわかるアメリカ史』関眞興/河出書房より)

アレックス・ヘイリー原作の自伝的小説『ルーツ』がドラマ化されたのは、1977年。 奴隷として狩られ、売られて船に乗せられ、3世代に渡ってアメリカ開拓時代の労働力とされてきた歴史が細やかに描かれていました。
このドラマにある後半(アメリカ生まれの黒人の世代となった時代)の様子は『風と共に去りぬ』(1952)の中でも見て取れます。スカーレット・オハラと、ビッグサムやマミー、プリシーたちとの絡みは、この映画の時代背景を描き出す名シーンにもなっています。
『風と共に去りぬ』がなぜ、不滅の名作と言われ続けているのか。それは、アメリカの建国からの様子---スカーレットの両親の背景からわかる移民の状況(父アイルランド人、母フランスの亡命貴族、双方ともカトリックだった)や南部の暮らしぶり--- プランテーション農業での綿花栽培の様子、(多くの黒人が南部側で闘った)南北戦争のこと、その後の黒人解放などが描写されている所にもあろうかと思います。

南北戦争後、名目上の「解放」「自由」を得た黒人たちは、かえって路頭に迷い、仕事を求めて都市へと集まりスラムを形成していった--。マンハッタンの北にあるハーレムも、ノース・フィラデルフィアもワシントンDCのバリーファーム地区も、黒人集落はみな、そんなふうに形成されたスラムなのです。
学問もないまま都市部に流れ、仕事も得られず、社会の受け皿もない黒人たちは、どうやって生きていくのでしょう!?
そうやって、犯罪と黒人のイメージが徐々に結びつけられていきました。

厳しい環境の中でも、教育を受けようと努力したり、芸能を磨いて脚光を浴びる黒人達が、少しずつ・・少しずつ・・権利を主張する術を身に付けたりして、今に繋げて行っていたかと思うと、胸を打つものがあります。

キング牧師の導きは大きかった。最初は戦闘的/好戦的だった黒人たちも、戦い方を変えていきました。

昨年のアカデミー賞受賞作品は『グリーン・ブック』(2019/ピーター・ファレリ監督)でした。
ここに出てきた黒人天才ピアニスト シャーリーも、そんな1人。

芸能界では、ウィットに富むハンサム黒人エディー・マーフィー、そして知的ハンサムのディンゼル・ワシントンらが世界中を魅了し、人種の壁を取り除いていきました。

スパイク・リー監督などは、映画という手段で表現する黒人。
『マルコムX』(1992)
『ブラック・クランズマン』(2018) 
つい先日、スパイク・リー監督(63) は、BBCのインタビューで「人種差別はパンデミック」と語っています。
   ↓
https://www.bbc.com/japanese/video-52901257

『大統領の執事の涙』2014) ダニエルズ監督(原作:ウィル・ヘイグッドの「The Butler: A Witness to History」)
『グローリー 明日への行進』(2014)エイヴァ・ディヴァーネイ監督
『私はあなたのニグロではない』(2016)ラウル・ペック監督 なども。

そして、世界のマイケル・ジャクソン!! 
1980年、アルバム『Off the wall』が数百万枚売れた後のこと。雑誌「Rolling Stone」の表紙デザインの話になったとき「マイケルはスターだが、表紙には載せられない(黒人を表紙にすると本が売れなくなるという理由)」と言われたことがあるらしい。(ベストヒットUSA 小林克也談より)
あのマイケルが !? ・・・です。
後日、マイケルは「黒人だと、雑誌が売れないんだってさ。今に見ていろよ。一流雑誌がみんなオレのインタビューが欲しくてやってくるようになるから。その時はインタビュー受けようかな、いや、やっぱりやめよっかな」と、復讐宣言で応襲。
『Black or White』(1991)では、CG技術を使って次々と踊る人の顔が、様々な民族や人種に変化していく楽しい演出で、人種の壁を越えた人類を表現。圧倒的才能で世界に発信したのでした。

黒人だけでなく、白人監督の映画作品もいろいろ。
アラン・パーカー監督の『ミシシッピ・バーニング』(1988)
スピルバーグ監督の『カラーパープル』(1989),『ブラック・クランズマン』(2018)
ブルース・ベレスフォード監督の『ドライビング・ミス・デイジー』(1990)
etc...ダイレクトに差別を扱っていなくても、社会のワンシーンとして描かれているものは、捜せばいくらでも出てきます。
それは、差別がアメリカの風景と化していたことでもあります。

もうひとり、違う畑のスゴイ黒人を挙げておきましょう。

マドンナが僅か35ドルを握って上京したNYCで、最初に所属したダンスカンパニーを率いていた黒人の振付家、アルヴィン・エイリー。アフリカンダンスをコンテンポラリーダンスという新しいスタイルへ昇華させ、一流アートの舞台にのし上げた人物です。

その他、スポーツ界に目をやれば、バスケットボールから陸上から、その身体能力の高さ、スター性の高さが際立つ選手達は、それこそ枚挙に暇がありません。

 "WHERE DO WE GO FROM HERE ~ Chaos or Community? "

この嵐の後、どんな世界になっていくのか。

たとえ理想的な展開になったとしても、気を緩めてはいけないのだ。
たった1人の為政者が、世の中をダークワールドに変えてしまうことを、私達は、ついこの数年で体験したばかりなのですから。


2020年6月6日土曜日

マクビティビスケット


ヤンヤーヤ マクビティ〜♪
 
「ヤンヤーヤ」は、合いの手の言葉なんだとか。
ビスケット同様にイギリス生まれの民謡かなにかのフレーズかと思ったら、日本人 - - -「それ行けカープ」も手がけた宮崎尚志氏の作曲。

日本が戦後の安保闘争を経て経済の時代を迎えた70年代、食文化も大きく豊かさを求めはじめた頃の、外国人登用のCMでした。

この頃、ビスケットといえば、森永ビスケットシリーズ。
マリービスケット、チョイスビスケット(四角いヤツです)、ムーンライトクッキー、ハーバードクリーム・・・・。子どものお小遣いではちょっと手が届かない高級イメージでした。
遠足の時のスペシャルとして、毎回1種ずつ買ってもらっていたものでしたが、マクビティが現れたのも、そんな頃でした。

マクビティ(McBitie's)は、イギリスのユナイテット・ビスケット社の商標。明治製菓が商標権をもち、合弁で明治マクビティ株式会社を設立して国内生産していた商品です。

「戦争が強い国は食文化が乏しい」とか「カトリックは美味しい、プロテスタントは美味しくない」なんて言われ、食の名物が少々貧相な印象のイギリスですが、何故かビスケットとクラッカーだけは美味しいお国柄(!)。ビスケットには保存食の役割もあったせいでしょうか??
(イギリスの食を大切り、随分な言い方ででゴメンナサイ! その内「イギリスだって美味しい!」談致しますのでご容赦下さい。)

ちなみに、マクビティのサイトに行くとこんな解説が。

" マクビティブランドは1830年にロバート・マクビティ (Robert McVitie) がスコットランドエディンバラにおいて、パンの製造販売所として開業したのが始まり。最初のビスケットは、1839年に当時新入社員だったアレクサンダー・グラント (Alexander Grant) によって開発されたマクビティ・ダイジェスティヴ・ビスケット (McVitie's Digestive) である。消化作用のあるビスケットとしては、このとき世界初だった。この名前は、高い消化作用がある重曹が多く含まれていることから名付けられた。"

マクビティは、その名前(Macの接頭語)が暗示している通り、正確にはスコットランド生まれなのでした。(マクドナルドも、マコーミックもスコットランド名。俳優、実業家にも結構多いMc~のお名前です。)

それから、上の引用文の最後にある「ダイジェスティブ・ビスケット」という言葉も、当時は斬新な響きでした。
ところで、全粒粉で胚芽入りなのがなぜ「ダイジェスティブ」なのか?
玄米より白米の方が消化にはいいでしょ!?

先の解説文によると、その答えは「重曹」であるとのこと。
でも、そもそもビスケット全般に重曹は使われています。重曹説にはどうにも合点がいきません。確かに、アルカリである重曹は、胃酸を中和してくれる働きがあり、実際、多くの消化剤にも使われていますが、ビスケットの中に入っている微量の重曹がその効果を発揮しているかどうかは疑問です。

一方で、全粒粉の食物繊維が腸の働きを活発にするという解釈も見つかりました。
野菜が取りづらかったイングランドの食生活の中ではそれなりの効果が見いだせたかもしれません。イギリス紳士も淑女も、その食生活から、実はお腹にガスが溜まりやすいなんて話を耳にしたことがあります。もっとも、腸が変わるくらいの繊維質が、粉から取れるとは思えないのですが・・・。

ちなみに、中医薬膳学では、小麦粉やふすま、赤小豆粉などを醗酵させた「神曲(神麹、六麹などの別名あり)」というものがあり、主にデンプンの消化を助ける薬膳食材とされています。これには、食物繊維云々というより発酵させてあるところに意味があるように思えますが、いかがなものか。塩麹、酒醸(チューニャン)やヨーグルトなどの醗酵食品は、食材を柔らかくしてくれるだけでなく、実は消化にこそ大いに関与していることが経験的に知られていて、各文化圏でそれぞれ絶妙に組み込まれています。
例えば、インドやトルコ〜東欧では、ヨーグルトがそんな位置づけではないでしょうか。

このマクビティビスケット然り、美味しい工夫が結果的に健康的なのか、または健康的な工夫が結果的に美味しいのかははっきりしませんが、健康にいいからではなく美味しいから買い求めていた気がします。


明治マクビティビスケットは、昨年夏に終了となってしまいました。
現在は、商社が扱うトルコ産のマクビティが輸入食材店などで売られているようです。

私のモットーは、無いものは自分で作る!

本格的な夏になる前に、せっせとオーブンに火を入れる今日この頃です。


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PS:コチラは、ウォータークラッカーで知られるCarr'sの全粒粉クラッカー。(イギリスです!)甘さ控え目でおいしいですよ♪

Company Profile
 カーズ ”Carr's”は、設立は産業革命中の1841年。元々は、ジョナサン・カー (Jonathan Carr) 氏がイギリス・カンブリア州カーライルで営む小さなパン屋さんでした。1831年、保存食の堅いパンを元に、美味しく食べられるように工夫して作られたビスケットを販売したものが、船乗り達に人気が出て、瞬く間に知れ渡り、僅か10年で、ビクトリア女王から王室御用達に認められる程になりました。
その後現在に至り、1972年に、McVities ブランドで知られるユナイテッドビスケット社の一部として運営され、アメリカでは、コーンフレークで有名なケロッグ社から販売しています。

Carr'sの情報源はこちら→http://import-selection.ciao.jp/itm/item-0191.shtml

※Water Biscuitsは、フィラデルフィアで暮らしていた1988年にイギリス人のハウスメートがオススメだったクラッカーです。あまり見かけませんが、ブラックペッパー味があるのです!オススメです!!



2020年5月29日金曜日

6月の教室

ひと月の「おこもり」、いかがお過ごしでしたでしょうか??
そしてお籠もりを経て、皆さんいかがお過ごしですか?


5月教室は「お籠もり月間」で、教室もお休みとなりました。
そして、6月13日は、ホントならお江戸で食事会の予定でしたが叶わず。)))

そこで、急ではありますが、食事会にお申し込み頂いていた方々を対象に13, 14日特別料理教室を設定することにしました。

緩まずに過ごす為にも、自宅の時間をより一層充実させる為にも、お家のご飯が美味しいことは本当に大切。

内容は、お家で簡単に作れるおやつと作り置きも可能なお手軽料理 <第1弾> 。

アフタヌーンティー気分でご参加下さい♪


 ● 内容:
  ・ハム作り ★お持ち帰りあり。
  ・サラダ2種
   →自家製ハムのプレート(ハム、サラダ2種)    
  ・モロッコパン(最もシンプルなパン)
  ・デザートになったヨークシャープディング 
  ・推移がわかる、中 → 印 → 英 の紅茶
  ・フルーツ


 ● 日時: 6月13日(土)、 14日(日)11:00 ~

 ● 定員:6名

 ● 会費:6,000円

尚、7月の教室については近くご案内予定です。







2020年5月26日火曜日

パンデミック・エピデミック(12)変わる世界3

緊急事態宣言の解除から数日。
再び街に人が増えると、まるで何事も無かったかのような錯覚に陥ります。
でも、再び第2波が来ることは世の法則といってもいいくらい確実だそうですので、そろり、そろりと踏み出しております。

さて、4月11日の、ETV「パンデミックが変える世界」〜海外の知性が語る展望〜
世界の知性三人の対談3人目。ヨーロッパを代表する知性、フランス歴代の政権の顧問も務めた、経済学者で思想家のジャック・アタリ氏のインタビューです。
一人目は5/12二人目は5/18に紹介済み)


放送から2カ月近くになるけれど、2020年の危機を10年前から語られていた賢者の方々の語るところは、今もって新鮮にひびく・・・というより、これから、私に・・そして多くの人々に、実感を持ってビンビン響き始めるのではないかと。))

以下、全トークの書き出しです。

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ナレーション:アタリ氏は、2009年出版の著書『危機とサバイバル』で、「市場のグローバル化や自由な流通により今後10年で破滅的なパンデミックが発生する恐れがある」「パンデミックは、多くの個人、企業、国家のサバイバルにとって非常に大きな脅威である」と、未知の感染症によるパンデミックが起こる危険を警告していました。

Q.2009年にパンデミックを予告されていました。今回のことは、驚くに当たらない、予告した通りのことが起きたとお考えですか?

10年前、確かにパンデミックのことを書きました。確立が低くても、そうした声には耳を傾けるべきだし、リスクが高い時には行動を起こすべきなのです。私達の生きている時間は短いのですから。


Q.このパンデミックは、私達に何を警告しているとお考えですか?

多くのことです。衛生、社会の透明性、そしてパンデミックの警告を世界で共有するルール作りの重要性について。


Q.パリでは今(※4月初頭のことです)、都市の封鎖が実施されていますが、感染拡大が終息する兆しは依然見えません。パリ市民はこの困難にどう対処していますか?

フランスは、起立を守る中央集権型の国家で、政府がひとたび決定すれば、皆最善を尽くします。もちろん、とても困難な状況ではありますが。
日本やフランスでも多くの人々が、今尚任務についていることに感謝したいと思います。医療や食料品、流通、メディアなど、仕事をしている大勢の人が家の外へ働きに出ています。例えば、ゴミの回収や病院の清掃を行うひとなどもそうです。彼らは、私達の都市が生き延びる上で絶対的に必要な仕事を担っています。

社会階級や社会的要求の違いによっては困難も生じます。都市が封鎖されて家に閉じ込められても、裕福な人は家に居れば良いでしょう。しかし、狭い場所に詰め込まれた人にとっては困難が伴います。


Q.3月半ば、このパンデミックの及ぼす深刻な問題を分析しておられますね。新型コロナウイルスは、何を生むのでしょうか?

今、世界を襲っている危機を乗り越えることほど緊急の課題はありません。もし国家がこの悲劇をコントロール出来ないと証明されてしまったら、市場と民主主義という2つのメカニズムは崩壊してしまうでしょう。


Q.経済学者であるあなたから見て、世界経済に与える打撃はどれほど深刻になると思いますか?

最悪の事態を避けるためには、最悪を予想する方が良いと思います。

私達は今、1929年以来の最悪の危機に陥っており、2008年(金融危機)と比べても遙かに深刻です。世界経済の損失は、(プラス1とかマイナス1ではなく)GDPで20%にも及ぶかもしれません。

もちろんこれは、世界経済の最も重要な牽引国のひとつであるアメリカが、殆ど備え無しにこの危機的自体に突入していることと明らかに関係しています。

この損失は、決して小さくは済まないでしょう。もちろん各国の政府は、状況を改善する為に中央銀行による金融政策、思い切った財政など、できることは既に全てやっています。
上手くいっているかどうかはともかく、世界中で多くの支援が行われていることは確かです。但しそれは、結果を先延ばしにしているに過ぎません。レストラン、ホテル、店舗、スタジアムや航空業界など、人々が集まることが予想される業種は、とても大きな影響、10%などでは無く60%、あるいはそれ以上の影響を受けるでしょう。


Q.とても恐ろしい見通しですね。貴方は、第二波、第三波にも備えるよう警告されています。状況はあとどれくらい続くのでしょうか?

私は、医者ではないので、それはわかりません。
只、過去の例を見ると、パンデミックの最初の封じ込めや都市封鎖によって上手く終息したときに外出して感染するという間違いを多くの人が犯しています。
1918年のヨーロッパでは、スペイン風邪が蔓延したとき、第一波で既に多くの犠牲者を出しましたが、外出するタイミングが早すぎて、第二波では更に多くの犠牲を出していました。

Q.私たちは、医者でもなければ未来を占う水晶玉も持ち合わせていません。ですが、コロナ後の世界は、どうなっているのでしょうか?最悪のシナリオとは??

最悪のシナリオは、世界的な恐慌、失業、インフレ、ポピュリストによる政府の誕生、そして長期不況による暗黒時代の到来です。
そうならないとは思いますが、最悪のシナリオが起こるとすれば、さっき言ったように早く外出し過ぎて第二波に遭遇し、経済に打撃を受けるということでしょう。

他にも非常に悪いシナリオが起こり得ます。
新しいテクノロジーを使って、国民の管理を強める独裁主義の増加です。
例えば、中央ヨーロッパで、ハンガリーなどの政府がしたように、パンデミックを独裁主義に向かうための口実にするのです。 それがひとつの脅威です。
さらに、経済、健康、そして民主主義への脅威もあります


Q.緊急事態が民主主義に与えるインパクトについて、お尋ねします。
たとえ民主的な指導者であっても、緊急時には前例のない権力を手に入れることがあり、大衆も厳しい政策を支持することがあります。それは民主主義にとってどのような意味を持つでしょうか? 

確かに、安全か自由かという選択肢があれば、人は必ず自由ではなく安全を選びます。それは、強い政府が必要とされることを意味します。しかし、強い政府と民主主義は、両立し得るものです。
第二次世界大戦の最中のイギリスが良い例です。協力な政府を持ちながら、民主主義でもありました。


Q.このパンデミック中で、差別や分断が以前より目立ってきているのではと懸念しています。それについては同意されますか?

はい、連帯のルールが破られる危険性が極めて高い - - -つまり利己主義です。経済的な孤立主義が高まる危険性もあります。他の国に依存し過ぎるべきではないというのは事実です。
例えば「どうかエチオピアにマスクをうってくれ」と、中国などに懇願しなくても済むように。しかし、だからといって国境を閉ざしてしまうべきではありません。私達は、もっとバランスの取れた連帯を必要としているのです。



ナレーション:  "パンデミックという深刻な危機に直面し、今こそ「他者のために生きる」という人間の本質に立ち返らなければならない。協力は競争よりも価値があり、人類はひとつであることを理解すべきだ。利他主義という理想への転換こそが、人類のサバイバルの鍵である。"

危機的な状況の中でも、アタリ氏が選ぶ言葉はあくまで前向きです。
今こそ連帯が必要だというアタリ氏は、「利他主義」という思想を主張してきました。
今回の危機を受けて、改めて「利他主義」への転換を強く呼び掛けています。

Q.貴方のブログをずっと読んでいますが、その一貫した楽観主義が印象に残りました。そのポジティビズムや楽観主義は、どこから出てくるのですか?

    Cheers for Life!

    Thank and Live Positive!

ポジティビズムは、オプティミズムとは違います。例えば、観客として試合をみながら、自分のチームが勝ちそうだなとかんがえるのは、楽観主義です。一方、ポジティビズムは、自らが試合に参加し、上手にプレイできればこの試合に勝てるぞ!と考える事です。そういう意味では私はポジティブであると言えるでしょう。 

私は、人類全てがこの試合に勝てると考えています。

自分達の安全の為に、最善を尽くし、世界規模で経済を変革させていくことが出来れば、きっと勝てるでしょう。今の状況は、私が「ポジティブ経済」と呼ぶものに向かうとても良いチャンスだと思っています。
ポジティブ経済とは、長期的な視点に立ち、私が命の産業 (Life industry---what's needed for life) と呼ぶものに重点を置く経済です。

生きる為に必要な食料、医療、教育、文化、情報、研究、イノベーション、デジタルなどの産業です。生きるのに本当に必要なものに、集中することです。


Q.共感と利他主義について語っておられますが、人々がパニックによって買い占めを行ったり国境を封鎖したりする中で、「利他主義」とはどのような意味を持つのでしょうか? 貴方のことを「無私の聖人(selfless Saint)」のように言う人もいるのでは?

いえいえ、利他主義は合理的利己主義に他なりません。
自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることは、ひいては自分の利益となるのです。
また、他の国々が感染していないことも、自国の利益になります。
例えば日本の場合も世界の国々がさかえていれば、市場が拡大し、長期的にみると国益に繋がりますよね。


Q.利他主義とは、他者の利益のために全てを犠牲にすることではなく、他者を守ることこそが我が身を守ることであり、家族、コミュニティ、そして人類の利益にも繋がるのですね。

その通りです。利他主義とは、最も合理的で自己中心的な行動なのです

今回の危機は、乗り越えられると思います。
苦しやワクチンが見つかるかは分かりませんが、数カ月の間に打ち勝てるでしょう。医者ではないので、それが何ヶ月かはわかりませんが。
但し、長期的にみると、このままでは勝利は望めません。経済を全く新しい方向に設定し直す必要があるのです。戦争中の経済では自動車から爆弾や戦闘機へ、企業は生産を切り替えなければなりません。今回も同じように移行すべきです。ただし、爆弾や武器を生産するのではなく、医療機器、病院、住宅、水、良質な食料などの生産を、長期的に行うのです。
多くの産業で大規模な転換が求められます。はたして私達に出来るかわかりません。パンデミックの後、人々が再び以前のような行動様式に戻ってしまうかもしれないからです。


Q.「歴史を見ると、人類は恐怖を感じるときにのみ大きく進化する」と以前おっしゃっていました。私達はまさに今、進化するために、コレまでの生き方を見直すべきだと思いますか? 人々への提言とはーー?

まさしくそう思います。前身するために、恐怖や大惨事が必要だというのではありません。私は破滅的状況は望みません。むしろ、魔法によって今すぐにでもパンデミックが終息してほしいです。しかし、良き方向に進むためには、今の状況を上手く生かすしかありません。

利他的な経済や社会、つまり私が「ポジティブな社会」「共感のサービス」と呼ぶ方向に向かうために。しかし人々は、未来について、考える力がとても乏しく、また忘れっぽくもあります。問題を引き起こしている物事を忘れてしまうことも多いのです
過去の負の遺産(dark souvenir)を嫌うため、それが取り除かれると、これまで通りの生活に戻ってしまうのです。人類が今、そのような弱さを持たないよう願っています。

私達全員が、次の時代の利益を大切にする必要があります。
それが鍵です。
誰もが親として、消費者として、労働者として、慈善家として、そしてまた市民として、投票を行う時にも、次世代の利益となるよう行動を取ることができれば、それが希望となるでしょう。

私達は、同じ時間を生きている。
それを痛感させられるインタビューでした。


今、日本でも、様々な政治的事象が吹き出しているのを目の当たりにしています。

世界の知性お三方が語る事は、根っこは同じ所。
健全な民主主義と健全な市場経済にあると、ヒシヒシと感じます。
そして、これは、実はとてもシンプルなことにあるのだとも。

長年塗り重ねられた様々な思惑で複雑化されたものを、ひとつずつ、もつれた紐をほぐしていくように、シンプルにしていくことが、21世紀の課題かも。