2009年3月28日土曜日

南部せんべい

この名前を聞いて、すぐにその姿形が浮かんだ方なら、このお話、楽しんでいただけよう。

昨今の「これでもか、これでもか」と、創意工夫を越え世に出る変わり種のお菓子に少々辟易している保守派のワタシが、今、ハマっているのがコレ。

歯ごたえ健全、素材の味そのままに、香ばしいこの味わい・・・。

由来には諸説あるらしいが、15世紀に遡り、鉄兜を鍋の代わりにして、蕎麦粉や胡麻を焼き上げたのがはじまりとか。 おつゆに浸す「せんべい汁」という食べ方もあるそうだから、なんとなく戦陣食を連想させなくもない。

シンプルとはいえ、お菓子業界に身を置く巖手屋さん、胡麻、落花生にはじまり、さきいか入り、ホタテ、紫蘇梅、胡桃、林檎、玉葱、納豆・・・と、いろんな種類が開発されているが、何故か初代(?)そば粉&胡麻味は無い。(残念!)

目新しい味の開発はこの辺に留めて、元来の味の復興にも力を注いで欲しいなあ。そば粉と胡麻・・・きっと美味しいはず)))。

さて、先にこの名前にピンと来る人・・・と書き出したが、先だって、薬膳料理として黒ごま汁粉を紹介する機会があり「サプリもいいけど、胡麻汁粉、ゴマ和え、南部煎餅をローテーションして胡麻沢山に食するって健康法はどうでしょう?」と語りかけたのだが「南部煎餅=胡麻いっぱい」のイメージに繋がらない方が多くて素通りとなった。

改めまして、栄養はなるだけ食べ物で摂ることをモットーとしているワタシのささやかな健康法。黒胡麻汁粉、ゴマ和え(こちらは白黒両方使います)、そしてこの南部煎餅。

黒ごまは、肝腎要の肝腎に帰経し、お肌を潤し、髪を黒く艶やかに、そして血を増やしてくれる上便秘予防にもよいという、老化予防対策に万全の食材なのだ。一日大さじ1~2杯の胡麻が健康に貢献してくれるなら、こんなに簡単エコノミーで嬉しいことはない。

なんだか胡麻の健康PRになってしまったが、南部煎餅、ピーナッツ味もお薦め。

ピーナッツも血を増やしてくれる働きがあるらしい。(中医学・薬膳辞典参照)

飽きのこない素朴な美味しさ・・・私にはサプリ煎餅でもあるのデス。




2009年3月26日木曜日

たこ焼き

私の20年来の疑問。
たこ焼きは、何故海外デビューしていないのか。

絶対受けると思うけどな~。

アメリカでヒットしない原因はコストパフォーマンスか?材料の卵やタコか、鰹節か??

卵や魚介類はアレルギー体質の人口比率が多い食材だし、鰹節は振りかけられたのが動く(湯気で揺れる)のを気持ちわるがるらしいと聞いたことがある。
それに確か、オクトパスは、デビルフィッシュと悪魔の使い呼ばわりされていた・・・。

でも、実際にはそんなことが原因ではなく、世界の日本食ブームもまだそこまでではないだけなのかも。その内、タコがエビあたりになって、NYかカリフォルニアあたりに現れるのでは??

そもそも、海外のものなんでもウエルカムな日本人とは異なり、日本以外の人たちは一般に、異文化にはいたって慎重なのだ。それに、”日本”を海外でやるのはコストもかなり割高でとーっても大変に違いない。だから、たこ焼きは、レストランの一品として姿を変えてご登場するかもしれない。

でも、願わくば、屋台のままの姿を見て頂きたい。
型からはみ出したとろとろの生地液を、シャカシャカと太めの箸で纏め、丸く仕上げていく様は、なかなかのものである。箸文化でない人たちが見たら・・・これはもう、ものすごいパフォーマンスなのではないかしら??

そんなことを考えつつ、お箸でタコ焼きをほおばる。

お店の名前は・・・イチロー・タコボールなんてダメかなあ。)))

2009年3月20日金曜日

春の和菓子 その2




f:id:epice_maki:20090319153727j:image

本蕨粉が手に入ったので、ねりねり作りました。
ねばりが半端でないので、コレ、意外に肉体労働(!)。
アクの黒っぽい色と独特のねんばり感が本蕨粉ならでは。

深煎りのきなこでいただきます。




2009年3月17日火曜日

春の和菓子 その1




f:id:epice_maki:20090306180454j:image

お花見が待ち遠しい今日この頃。

地蔵通りの和菓子やで、こんなのを買いました。

和菓子になっても、シンプルで清楚で、楚々としていて・・・やはり桜はいいですね~))))。




2009年3月3日火曜日

よみがえる黄金文明展

~ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝~
於・広島県立美術館

四半世紀以上も経つと、昔学んだ歴史もどんどん塗り替えられる。

世界史の教科書の最初に出てくる四大文明も・・・・・21世紀の発見により、また変わりつつあるのですね。ひゃ~。)))(太陽系の配列も変わったし・・・)

歴史では、とかく欧米視点の歴史認識に支配されていて、学校の教科書など、南米の歴史がまるで16世紀頃からはじまったかのような印象さえ与える。そんな視点の教科書で世界史を学んだ頃は、世界の繋がりがイマイチ、イマニ、ピンと来なかったのだが、民族的視点からの世界、そして中央アジアを起点にみることによって、この頃やっと釈然としてきた気がする。

トラキア人の黄金文明が地理上のブルガリア中南部辺りにあり、10世紀頃まで栄えていたという事実。十字軍の遠征は、その実当時世界最高レベルだったアラブ文化の物品技術を求めての盗賊沙汰だったともいう。トラキアの黄金も狙われたんだろうなあ)))。歴史の教科書に反映されるのはいつになるのか??

メルカトル図法の世界地図で見ると、北欧とバルカン半島がグッと近いのにもハッとした。

ケルト人はBC300年代にはバルカンに侵入している。その後、ゲルマン民族の移動、そしてスラブ人が入って来ており、まさに”文化の十字路”。

文字を残さなかった民族なので、神話や他国による歴史書の一部にしか残っていないそうだが、その意義の大きさは、じんわり伝わってくる。

好戦的、身軽で強力な騎馬隊・・・体にフィットする防具から想像する体型・・・浮かび上がってくるのは遊牧民族。

興亡の世界史シリーズ02『スキタイと匈奴 遊牧の文明』(講談社)にも、そっくりの黄金の発掘品が掲載されている(!)。

ちなみに、現在のブルガリア人は、トラキア人の末裔ではないそうですが、トルコのおとなりさんもなかなか興味深い。