2014年10月27日月曜日

ニューワールドのオリーブオイル



品種の違いによって味わいが違うというのは、ワインに限ったことではありません。
オリーブオイルの違いは、品種の違いに依るところが多いにもかかわらず、複数の品種のブレンドが多いせいもあってか、ほとんど品種のことは語られていませんねえ。)))
オリーブの品種はざっと50種を越えるそうで、「スパイシー」「フルーティー」「グリーン」「アーモンド」「スウィート」「ビター」等々、味わいもバラエティー豊かな言葉で表現されていて、「オリーブオイルソムリエ」というのがいらっしゃるのもごもっとも!な世界のようなのであります。
産地も・・・ギリシャ、イタリア、スペインを筆頭に地中海沿岸に留まらず、なんとオーストラリア産も(!)。まさにニューワールド。

写真は、先日ゲットしたオーストラリア産オヒブランカ種のオリーブオイルです。(輸入元は呉市音戸に拠点を置く、山本倶楽部(株)お〜♪ )
ホヒブランカは、スペインの品種。試食(飲)してみると「グリーン」のニュアンスが最初に来て、その後「スパイシー」な印象を残す味わい。
これは美味しいサラダが頂けそう・・・♪
愛用の「グリーンアップルの香り」ボーノのオリーブオイルと並んで、我が家のキッチンにエントリーです。

2014年10月16日木曜日

滋味・佛跳牆

(ファッチューチョン[広東語読み]/フォーティーティャオ[北京語読み])






僧侶もガマンしきれず塀を越えて食べに来ちゃうスープ。
少林寺の修行僧を指すらしい(?)のですが、ハードな武術訓練ですもん。お腹すいちゃってますよね)))。精進料理ではとても・・・。
そんな中、何時間もスープの香りが漂ってきたら・・・「え〜い、いっちゃえ!」と、ブルース・リーかジャッキー・チェーンの如くジャンプ(跳)して塀や壁(牆)を越えて食べにいってしまうんでしょうか(笑)。修行中という心の壁も越えて・・・。

そんなお名前のスープですが、和食に組み込んでも違和感がないくらい穏やかで深い味わいのスープ。古典料理には、薬膳の真髄があると実感する一品です。

乾貨いっぱい・・・!太陽のエネルギーもいっぱい!そして、長時間の調理には、料理人さんの「気」もいっぱい込められています。

手間暇と時間の美味しさって、滋味に繋がるなぁ)))。(於・神田雲林)

2014年10月15日水曜日

「富貴鶏」

「富貴鶏(ふうきどり)」(別名:叫化鶏/こじき鶏)


先日、久〜しぶりに「こじき鶏」をいただく機会に恵まれました。

「乞食鶏」とは、お腹に野菜や御飯を詰めた鶏を、蓮の葉でくるんで粘土や小麦粉の生地で覆いオーブンで3−4時間・・・蒸し焼きにするお料理。時間が作る美味しさを味わう一品です。
このお料理の由来は、明代〜清代初期の江蘇省常熟県虞山の麓辺りが舞台なのだとか。

- - - - - - - -調理道具も持っていない貧乏な男二人がいて、ひとりは近所で鶏を盗み、もうひとりは野菜や米を盗み出し、料理して食べようということに。
付近には西湖の蓮の花がいっぱい咲いている場所でした。そこでふたりは、大きな蓮の葉をちぎりその葉で鶏を包みました。鶏のお腹にはお米や野菜を詰めて、湖畔の泥の中に埋め、その上でたき火をしたのだそうです。
そうしていると、ドロボウ(男ふたり)を探しに役人がやって来て、たき火に当たりましたが、まさかたき火の下に「盗品」が埋まっているとは気付きません。役人が去り、二人がやっと泥の中から鶏を掘り出せたのは半日後。二人は、たき火の熱でかちかちに固まった粘土の固まりをもって林の中に行き、石で粘土を割りました。中の鶏は、蓮の葉の香りが移り、柔らかく蒸し上がっていたのでした。
その素晴らしい芳香が、先の役人にも届いてしまい、二人は見つかってしまうのですが、役人は、ふたりから鶏料理を横取りして食べ、その美味しさに驚き、ふたりに大金を払って作り方を聞き出しました。
役人は、この料理を宮廷で紹介し、大変な評判になり大出世。貧乏だった男達ふたりは、お金持ちになったので、後に「富貴鶏」ともよばれるようになりました- - - - - -とさ。

蓮の花が咲いているのは夏の時期。追っ手の役人がたき火に当たるくだりなど、この物語には季節の矛盾がありますが、当時の役人の有り様など、なるほど分かる気がして、面白い逸話です。
ともあれ、この鶏の蒸し焼き料理の手法は、蘇州から杭州、広東、四川へと広がっているよう。今では中国で、おめでたい祝いの席には欠かせない料理のひとつになっているのだとか。
ちなみに、皇太子と雅子妃の婚約の時にも、このお料理が出されました。

さて、時を経て随分と進化して一層美味しくなっているであろうこの乞食鶏、今回は、神田雲林の成毛シェフによるもの。覆いには、本格的に粘土をつかってあります。

一物全体食の賜ですわ。))))ボ・ナ・ペ・ティ。


デーン!

トンカチで粘土をかち割ります。

更に香りづけするため、葉っぱに点火

取り分けられた、こじき鶏。
ぎゃお! 私のお皿には、鶏のお頭が・・・!!