2019年8月17日土曜日

『千と千尋の神隠し』 イモリの黒焼きにミミズの干物



夏はアニメ、TVでジブリが恒例となっていますね。
ジブリ映画では『もののけ姫』が一番好き。テーマも、時代も、音楽も。(美輪さんの声も!)
今夜は『千と千尋の神隠し』でしたが、つい・・やっぱり見てしまいました。

一番好きなシーンは・・・もちろん最終の龍(ハク)が迎えに来て龍に乗って帰るところ。そして、腐れ神(かと思われたが実は名のある川の主)が薬湯に入って回復し、帰って行くところ。
能面の翁顔のおじいちゃん神様。お風呂の背景も能舞台みたいです。
要するに、龍の絵が好きなのだ。



龍が河川の神様という設定も素敵です。
水は命の根源。海よりも河川の恩恵を受けてきた中国らしく、その遡る水源は、天空の海とも賞される湖もありヒマラヤ以北に広がる「世界の屋根」チベット高原。
龍は、雲をおこし雨を降らせもする自然界の偉大な水の力。高貴で勇ましく、力強いイメージで、皇帝は龍の子孫とされています。物語の中の川の神様も、そんな中国の伝統的な意識から発想を得ているのでしょう。

春秋戦国時代以前の龍は、足が無い絵が殆どだったそうですが、後世で足(ちょっと鶏っぽい足ですw)が付きました。
映画では、手足が付いた龍です。鬚も長くてエレガント〜。
ちなみに、龍の顔は、ジブリではオオカミのような、どちらかというと犬系のカッコイイ顔にスッとシャープでインパラのような角ですが、中国の伝説では龍は「鹿の角、牛の顔、大蛇の体に魚の鱗、鷹の爪を持ち、口ひげが生え顎の下には珠がある」姿の生き物とされています。(「鶏の足」という描写はない??)

ファンタジーの中で目一杯シンボリックに描かれた河川の汚染や開発という名の下に行われる自然破壊。「沼の底」駅は、ダムに沈んだ町のイメージでしょうか。
大人の為のアニメはやっぱり深い。


そうそう、釜じいの扱う漢方薬について。

①釜じいがリンに渡した「イモリの黒焼き」

@台北:漢方薬局で


















イモリは、滋養強壮の生薬。
日本では黒焼きが「惚れ薬」なんて呼ばれたりしたらしく、それがアニメの中でも描かれています。中国漢方だとこんな感じ(写真)。

強壮剤なので、雄雌対でくくって売られています。(「黒焼き」にはされていません)
漢方版バイアグラをこんなアニメに偲ばせるなんて、宮崎駿監督、何を考えているんだw。でもこれ、実は『千と千尋・・』は、「少女が娼婦に身を落として親の罪を償う」というのが元々の発想にあり、「湯女(ゆな)」も「娼婦」の隠語なんだという。
エグい設定をファンタジーというオブラードにくるみ、観客に謎掛けしてくる宮崎駿なのでした。

②ミミズの干物入り薬湯。

ミミズは、解熱の特効薬。生薬名は「地竜」(!)。
なかなかカッコイイ名前ですが、これ、オオミミズの乾燥です。
アニメでは粉末を薬湯に加えていましたが、そのままもどして煎じたりは・・・したくないなあ〜。
血圧降下、解熱、鎮痙、利尿、解毒薬としての効能があるといいます。
人間社会の汚物にまみれた神様が「油屋」に清めに来て入る薬湯ですから、生薬もちゃんと解毒のものを選んでいる(!)。 流石!

③苦団子。
何の生薬かは不明ですが、こちらも解毒剤のよう。解毒力のある食べ物は苦味のものが多いのです。同時に熱(炎症)を取ったりもします。

苦団子を食べさせられた「カオナシ」は、食べあさったものをぜーんぶ吐き出して元の無害な状態に戻りますし、龍姿のハクも、苦団子を食べさせて、魔女の印鑑を吐き出します。

昔の人ならこれらの描写の指し示す意味も、すぐに理解できたでしょうけれど、私達には、消化吸収にちょっとワンクッション入ってしまうモノも多々あります。
『千と千尋…』は、社会の入り口にいる若者へのメッセージをふんだんに盛り込んだ大人のアニメ。でも、もちろん子供も楽しめる作品。
映画にしてもも小説にしてもも、いろいろ盛り込まれていたとしても、見る側、読む側は、受け取れるところだけ受け取って、解るところだけ解ればいいのではないかと思ったりします。
また何年かして見た時、異なるメッセージを受け取ることが出来るーー。
読み返した小説に、違う面白さを見つけることができるーー。
それでいいのでは?

小さな子供に「イモリの黒焼きって何?」て聞かれたら、どう答えよう??
そんな試練もまた一興。大人の試練かも。



PS:先のブログ、三国志についての説明に、一部誤りがありました。
   訂正を入れて更新済ですが、その前にご覧になった方、大変申し訳ありません。
   是非また読み返していただけたら幸いです。




2019年8月12日月曜日

クレオパトラと毒薬

夏闌の8月。デパートのブランドショップは、なんとウールのコートのディスプレイ(@@;)。「早すぎだよ〜〜!」と思いながらも翻って、私も今のうちに、秋冬の企画を出しておかねば!と、衿を正す。・・って、この暑さで、着ているのは衿なしアッパッパワンピースばかりなのですが。

精一杯の想像力で年末のお料理や茶会のテーマにお茶選び・・・の、その前に、今どうしてもやっておきたいのが、世界史の復習。
もはや料理のことだけ考えていては、料理もお茶も分からない!!
今世の中で起こっている様々な問題も、「そもそも論から知らなくては」という思いにも駆られます。
令和元年って、そんな年。
今を素通りしていたら、もう後が無い、取り返しが付かない。そんな世の中への危機感いっぱいの年のように感じているのです。
ピンチはチャンスとも言うから、これがいい転機となるよう祈りつつ・・・。

さて、昨今の発掘調査の飛躍的進展ぶり!!
最新科学の力で、次々と明らかになっていく古代の神秘!
先般も、東京国立博物館『三国志』展を見に行ってきたのですが、2009年に発見された曹操高陵(中国河南省)の出土品が幾つか来ていました。三国志といえば、時代は2−3世紀。『三国志演義』は、3世紀に書かれた歴史書『三国志』を元に、明代(14~16世紀)に想像力で膨らませてロングストーリーとなった不滅の大ベストセラー。
英題は『Romance of Three Kingdoms』。今も多くの人のロマンを誘います。
(ロマンスには、空想小説/作り話という意味もあるのです。)


高陵で見つかった曹操のものと思われる棺の中の骨の分析で、顔が復元されたり、持病(頭痛の伝説)の信憑性などもわかってきているのだそう(!)。

トルコのアナトリア地方の発掘調査でも、トロイの神話の根拠が見えてくるような発見があったり、リアリティが増すと共に数千年という時間がググッと縮まってきています。

時には、私の怪しい中年雑学の知識や旅の記憶が微かにリンクしたりすることもあり、そんなところも、ひと歳とってからのお勉強の面白さ♪
ついつい、寄り道も増えてしまってなかなかスピーディーにはいかないのですが・・・まあそれもじっくり関われるところも熟年勉強の旨みです。

歴史は、自分が興味が或る人や時代、ちょっと知ってるところから、その前後を探っていくと、芋づる式に知識が広がる気がします。
ブログでは、そんな、あえて脱線した「寄り道」部分を、出していきたいなあ。))


今日の「寄り道」は、今更いまさら・・の「クレオパトラ」。
一昔前の映画では、絶世の美女の誉れ高き女優さんが演じてきましたが、実際は美人かどうかは不明なんだそうですね。デスマスクのような再現をテレビで見たときは、鼻筋が太くてちょっと男性的な印象でした。
何カ国語も使いこなせる知性と教養の持ち主であったのですから、復元のお顔では表現できないカリスマ性とオーラに溢れていたことでしょう。また、当時最高レベルの文明を築いていたエジプトの富を纏っていたはずですから、服飾も美しい印象を増長していたことと想像します。
美容の為に酢に溶かした真珠を呑んでいたとか、絨毯にくるまってクーデターの中脱出してシーザーの元へ現れたとか、最期も美しく毒蛇(コブラ)に胸を咬ませて自害したとか、伝説も多く、映画ではここが華よと描かれています。最初の真珠を呑んだ話は、賢いクレオパトラなら大いにあり得そうな演出だけれど、後の二つは、あり得ないらしいです。

殊、蛇の毒については、神経毒故、即死どころか、数時間〜数日苦しんだ末、最終的に呼吸困難で死ぬらしいのです。キングコブラだと数時間、エジプトに生息するアスプコブラの毒だと数日も掛かるとか!!
キングコブラ、ギャオ〜〜!
しかも、3mにもなるヘビは伝説にある「無花果の籠」にはとても入らないw。
だから、蛇の毒ではなく、服毒自殺であったというのが通説です。

さて、その毒とは・・・!!
 アヘン、ドクニンジン、トリカブトの混合薬 (“Hemlock, mixed with wolfsbane and opium”) であったろうと、古代の医学に関する文献を調査したドイツの歴史学者クリストフ・シェーファー (Christoph Schaefer) 教授。
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/europe/06/30/cleopatra.suicide/index.html

アヘンは、昔は毒とされていなかったようですので、苦しまないように調合されたのかな??(古代中国の薬学書に、水銀やアヘンがしばしば高級なお薬として記されていたりします。秦の始皇帝は不老不死を求めて水銀を服用し水銀中毒で亡くなったとも。阿片もかなり後世になるまで、頓服のような形で使われるお薬だった。)


40年近く昔の里中満智子さんのマンガ『クレオパトラ』で、死刑囚を実験台に、女王が美しく死ぬための毒薬研究をしているシーンが描かれていましたが、あんな風だったかもしれません。(・・・と、帝政ローマのプルタルコスが書き残しており、それを元に描かれた絵画も有名になったらしい。漫画家さんて、ほんと専よく調べていらっしゃる!!)
阿片とドクニンジン、トリカブトの薬が、果たして“quiet and pain-free death” となるのか??

トリカブトは、根、葉、茎、種、花や蜜にまで全てに毒があり、葉っぱ1枚で致死量という猛毒。
昔の毒矢は、このトリカブトを使っていたらしいですが、皮膚からも毒が入るので、触るのも憚られる。毒を仕込む方も、さぞやハイリスクだったことでしょう。


漢方名は、附子(ブシ)。

「一説では、トリカブトの毒にやられた人が苦しみもがく形相のように歪んで見苦しい容姿のことをたとえて “ぶし” と呼ぶように也、それが現代語の “ブス” の語源になったとか?」https://tenki.jp/suppl/kous4/2016/10/12/16361.html

猛毒ですが、真武湯、桂枝附子湯、八味地黄丸等々、漢方薬の配合で、附子が微量使われているものも少なくありません。

トリカブト。これもやっぱりもがき苦しみ・・・ “ブス” になっちゃうではないか!
ブレンドされた阿片が、その苦しみをどの程度抑えてくれるのか・・・???
はたして、クレオパトラは、本当に「美しく死ぬ」ことが出来たのでしょうか??

最後に、マイコレクション、シネマアルバム⑰⑱(芳賀書店)より、不滅の美しさ、二人のクレオパトラ画像を♪

1963年制作『クレオパトラ』のエリザベス・テーラー
1945年制作『クレオパトラ』のヴィヴィアン・リー

2019年8月7日水曜日

9月の料理教室(2) スパイススタディ



9月のスパイスは、山椒を取り上げます。

山椒は、蜜柑の仲間って、ご存知でしょうか??

粒々を、よく見ると、みかんの皮のような小さな点点があります。
蜜柑の皮には、蜜柑を乾燥から守る精油成分含まれていますが、それはこの点点の部分に多く含まれています。
その主なものがリモネン。
リモネンは、柑橘類はもちろん、爽やかな香りのスパイスや、ハーブ類にも含まれているものが多く、血行促進、抗菌効果や鎮静、リラックス効果、食欲増進効果などで知られています。

柑橘類やセリ科のハーブや種の種類のバラエティは、土壌や気候の違いから生まれるのでしょうか。
山椒も、それぞれ産地や種類で香りも刺激も異なります。
そんな違いを、料理にも上手く活用していきましょう♪

お・た・の・し・み・に!

日時:2019年  8月31日(土) 11:00〜15:00
           9月 4日(水) 10:30〜14:30
                       7日(土)、8日(日)10:30〜14:30

2019年8月6日火曜日

『間違いだらけの腸活の常識』



本屋さんの書棚、レイアウトのニュートラルな立ち位置は、しばしば読者にとって「ずるい!」となる。特に健康関連書物のコーナーなど、それが顕著なの。
腸にイイコト満載の腸活の本の横に、こんな新刊が! そのウソほんと!? 的に並んで置いてあるのです。

大きな文字に軽快なタッチの見出し。一見軽く読めそうな類に見えて、立ち読みでは済まされそうにない内容故、購入。


たとえ簡単に読めそうな本でも、時間のない私は、更にザッと要点だけ知りたい!
そんな方の為に、エキストリーム・ストリームと行きましょう♪


この本は、他論を批判するモノでも、反論でもなく…要するに、著者の藤田紘一郎先生がおっしゃりたいのは、
「自分の体(ここでは腸!)の声を聞きましょう〜! そしてその声は、体をリセットしたら聞こえてきますよ〜!」ということのようです。

タイトルの「間違い」が示唆するのは、「発酵食品を積極的に摂ることが、体にいい結果をもたらす」という考えで、「"いいこと"とされていることばかりすることが、良い結果になるとは限らない」ということ。

人の嗜好には、脳がほしがるものと、腸がほしがるものがあって、後者が生理的に体が必要とする食欲なんだそうです。
--- そもそも食べ物の好き嫌いを知っているのは「腸」。
「脳やバカで腸はかしこい」バカな脳は「体によいか、悪いか」よりも
 「気持ちがよいか、悪いか」を求めがち。
(→だからジャンクフードや甘い物がやめられなくなる。)

本のオビにある「長生きする人ほど扁食家」という言葉も、その扁食が、「腸の欲するがままに!」のものであるという前提です。
自分の体が分解できないもの=自分が持っている菌との相性がわるいものは、腸が拒絶するんです。そして嗜好として「好きじゃないもの」に。だから無理して食べなくて宜しい…と。

なんだか人間の意志は、まるで腸内細菌が決めているかのような話になってきましたが、あれれ、こんな話、何処か他でも読んだな。。。
ハイ、ジュリア・エンダースさんの『おしゃべりな腸』

人間の生理現象は、脳でコントロールできるような簡単なものではないのですね。))

モノに溢れ、情報に溢れ、私達はアップアップしている。そんな中で、何を買うか、何を食べるか・・・モノや情報を選びきるために、脳を駆使している現状。脳ありきで生きていることの落とし穴を言及する書となっているのでした。
そこを主軸に、最後の具体的提案には、これまでも語られてきている健康的な食生活のための諸々を、改めて列挙してあります。


--- エネルギー源、ミトコンドリア系 v.s. 解糖系
  細胞無いのミトコンドリアで酸素を作ってエネルギーを作る=ミトコンドリア系
  血中のブドウ糖を細胞内に取り込む=解糖系
  50過ぎたら、前者が優先的になる方がいいという提案。

--- 50歳過ぎたら、炭水化物を少なめに、週2回は肉を(野菜と共に!)。
  ホルモンの材料となる蛋白質を!
  体の主成分は蛋白質。20種のアミノ酸(内9種が必須アミノ酸)で出来ている。
  幸せホルモン、セロトニンの材料は「トリプトファン」。   
  体重1キロ当たり1gの蛋白質が目安。
     (肉魚100gには20g, 卵60gには7g, 豆腐300gに20g)

 --- 1日大さじ1杯の酢を摂る。
  腸内細菌が作り出す物質、短鎖脂肪酸を摂りたいから。

 --- 抗酸化食品を摂る。
  マトのリコピン、人参のβカロチン、 赤パプリカのカプサイシン、緑茶のカテキン
  ブロッコリーのゼアキサンチン、ホウレン草のルティン等々がそれ。
  これらはプラス油脂で、吸収力UP。

 ---- 体によい油脂を摂る。
  油脂は、腸の細胞膜を作る材料。必須脂肪酸、オメガ3系:6系=1:4が目安。

 --- 発酵食品を摂る。
  ※偽発酵食品を摂らない!
     味噌、ぬか漬け、ヨーグルト(人によって相性が異なる)、納豆、みりん酒、かつお節


--- 免疫力を高める食品を摂る。
 腸に70%以上集中している免疫細胞を活性化させる。
 キャベツ(イソチアシネート)、ニンニク/玉葱(アリシン)、大根、山葵、菜の花、ブロッコリー等々。コレラは血液サラサラ効果、体悪玉コレステロール

--- 食物繊維が豊富な食品を摂る。
 水溶性食物センチと不溶性食物繊維それぞれ必要


ああ・・・こんなに書いたら、全然ストリームじゃないですね。
本を読むのと変わらないじゃないかとお叱りをうけそうです。
でも、これだけ読んだら、本を読みたくなってくるのではw?


読み終えた印象は、編集さんの売れて欲しい気持ち溢れるカバーにタイトル、見出しだけど、それほどの奇抜な内容ではなく、おしなべて真っ当な理論の展開。
栄養学的な科学談も、ごくごくシンプルに解説してあって、すぐに実践に活かせるようにという優しさたっぷりのご本でした。

押さえるべきツボは押さえつつ、ほどほどいい加減が健康の秘訣かも??
(^_-)-☆

2019年8月1日木曜日

苦うま


写真は、昨日のNHKカルチャーでご紹介したゴーヤ寒天入りフルーツポンチ。
ゴーヤ寒天には少々苦みと青臭さがあるのですが、暑さたけなわの時にはなんともウマイ一品です。(今期は腸活がテーマなので、甘味は全てオリゴ糖シロップをベースにしました。)
33℃越えの正午過ぎ、皆さん、湯気が立ちそうな様子で会場にご到着。
皆一様に美味しく感じたようでした。

五行、五味では、夏は、苦み・・・に相当しますが、ゴーヤを食べるとそのことに偽りなしと、膝を叩きたくなります。

高校野球の選手達には、ゴーヤ寒天ではなく、沖縄仕込みの「ゴーヤしりしり」(ゴーヤのすり下ろし汁を加えたジュース)をゴクッゴクッといかせてあげたいところ。咽の渇きがスーッと引くぞ〜♪

ところで、苦いものを食べたわけでもないのに、口の中がやたら苦く感じる時、それは熱がこもっている状態(熱証)であるサインかもしれません。
「ゴーヤが美味しい〜♪」というのとは違って、本来苦くないはずのものを苦く感じたりするのです。
例えば、蛍の歌じゃないけど、水が苦いと感じたりするのです。
ついでに、口が甘い、粘るのは、湿熱。
味を感じないのは、脾胃気虚(消化器のエネルギー不足)。

味覚は、体調によって左右されるということです。
同じレシピで料理しても、味が違って感じたりすることがあるのは、調味料など素材そのものの味が変わったりすることに帰因することも多少あろうかと思いますが、たぶんその殆どは体調のせいでしょう。

味の絶対値がある舌をもつには、体調管理が万全でなくてはなりませぬ(!)。

だから料理人が健康であることは、とっても大事だと思います。

余談ですが、祖母が昔、お腹が痛くなったとき、「もぅ〜苦るとも、苦るとも・・・」と訴えていたのを覚えています。
「苦る」とは、一般には、苦々しく思うこと、不愉快な様子をさすらしいですが、広島弁では、ズキズキ痛いとか、鈍痛とか、体の中が痛む時の、痛みの表現に使います。
私の語彙にはない言葉なのですが、なんとなく口が苦い時に「苦る」と言う言葉が頭に浮かびます。でもこの使い方は間違いですね。

また、胃薬にも苦いものがけっこうあります。
「熊胆(ゆうたん)」なんて漢方薬は、熊の胆汁を配合したお薬で、その代表。他の動物の胆汁を配合しているものもあるようです。
「センブリ」も苦いお薬。「当薬」=「当にお薬とすべし」とも呼ばれています。
「良薬口に苦し」なんて言葉は、こんなお薬から生まれた言葉かも知れません。

苦みのあるものには、体を冷やすモノが多々あるので、今の時期にはとかくプラスも多いけれど、冷えが原因の疾病には、気を付けましょう。


2019年7月29日月曜日

次回料理教室のご案内



今年は、長い夏休みを頂いております。
アウトプットするにはインプットもしっかり出来ていないと。
机の周りにできた「積ん読」が、雪崩を落とさないうちに、少し消化しておきたいと思って。
それから!
体力作り月間!!

昨今の猛暑の夏、海に山にとアクティブなこれまでの夏休みのイメージは一掃され「運動を控えるように」と警告が出るほど。ただでも食欲減退で苦手な夏なのに、運動もできないとなると、筋力ダウンの心配も。涼しいジムなどに出掛けて涼しい中で筋トレしたり、ちょっとゆったりと自分の体と向き合う時間をもちたいと思っている次第。

ついでに、腸活も実践中。

長い言い訳になりましたが、そんな最中にも、今年の下期教室の準備を少しずつ手がけています。

9月のテーマはお豆腐。そして四川料理♪
「当たり前のお料理をより美味しく!」という今年のテーマに則り、メインディッシュは、麻婆豆腐。
スパイス・スタディは、麻婆豆腐に欠かせない山椒!
山椒も、いろんな種類、香りの違いがあるのです!!

お豆腐は、今や日本料理には欠かせない食材ですが、そのルーツはやはり中国。
中国では、豆腐は「国菜」(=国を代表する料理)といわれているそうで、毎年9月15日には、豆腐のお祭りまで開かれているのです(於・安徽省淮南市)。
今では世界中に広がる、すっかりグローバル・ヘルシーフード。
日本には、奈良時代にあの、鑑真和上が伝えたといわれています。中国では、紀元前の前漢に淮南王劉安によって生み出されたという説が語られていますが、庶民に普及する迄には相当な年月を経たようです。

豆腐は、腐乳、臭豆腐、凍豆腐、油豆腐、豆腐乾、豆腐皮、香乾・・・等々、様々な形へ派生し、食べ方も用途も料理も、江戸時代日本の「豆腐百珍」どころの騒ぎではなく実に多岐に渡っているのだ(!)。まったくおそるべし、中国料理!!

それらを鑑みれば、「麻婆豆腐」など入り口の入り口ではありますが、麻婆豆腐ほど、作る人によってバラエティに富み味わいも異なる家庭料理も珍しいのではないでしょうか?

今回は、麻婆豆腐を切り口に、四川料理とはどんな料理ぞ!?という探訪も、試みたいと思います。

四川料理ってことは、辛いんですね。。。??と、ご心配の方もいらっしゃる?
ご心配なく!
インドにもミルク粥があるように、四川にも優しいお料理があります!!
優しいお味と「麻(マー)」なピリピリでメリハリを出しながら、夏の疲れた脾胃にも優しい取り合わせにしたいと思っています。


   【料理内容】

   ・補潤スープ
   ・本当の麻婆豆腐
   ・魚香茄子
   ・ごはん
   ・デザート:三合泥 or 豆腐花 
   ・パイナップルとハーブのスムージー
   ・美味しい中国茶
     ※料理内容は、一部マイナーチェンジがある可能性があります。

日時:2019年  8月31日(土) 11:00〜15:00
           9月 4日(水) 10:30〜14:30
          7日(土)、8日(日)10:30〜14:30


お申し込みは、8月1日から、メールにて。




2019年7月23日火曜日

サブレ  from リベルターブル

サブレ ヴィエノワユイルドリーヴ

時に手厳しい批評もする食通の友人曰く、「ひとつのお菓子がヒットしたからって他のお菓子も全て美味しいってわけじゃない」と。
彼女ほど手厳しくも食通でもないけれど、私もこれには全く同感です。

ついこの前も、パウンドケーキが美味しいお店のアップルパイが、あまりに普通で拍子抜けしたところ。もちろん、生産者の誠実さは全ての商品に感じられ、どれもそれなりに美味しく仕上がっているのです。が、人気の一品が、あまりにドンピシャと美味しいものだから、他のそこそこが、どうしてもかすんでしまうのですねえ))。

上京最終日、その彼女が、「サブレはココのコレ!」と薦めてくれたのが、リベルターブルの「サブレ ヴィエノワユイルドリーヴ」。
うぅ〜〜舌を噛みそうな名前・・・xx。 
ユイルドリーブは「huile=油」、「d'Olive=オリーブの」、という訳で、バターとオリーブオイルが使われているサブレということになる。
「このサブレが食べたいモード」の彼女が、私の分も買って手土産にもたせてくれでもしなければ、ご縁が無かったかも知れない代物。だって名前すら呼べないもん。

私は無造作にカバンに突っ込んで、新幹線の中で荷物棚に上げたり下ろしたりしてしまい、持ち帰って開けてみたら、7割方が割れてしまっていました。。。涙
なんとか元の形をとどめている3枚を拾い上げ、パシャリ。(上の写真)

ほんとは、ちゃんとまん丸なのよー)))。ゴメンナサイ。

この薄さだけど、アーモンド入りです。 おそるおそるつまみ上げ、口に運ぶと舌の上でほろりと崩れて「砂(サブレ)」になります。

サブレとはフランス語で「砂をまく/ 砂で覆う」の意味があるらしいけれど、お菓子の由来はブルターニュやノルマンディーに接するイル・ド・ラ・ロワール地方の地名とも、伯爵夫人の名前とも言われています。
ともあれ、バター王国フランスのお菓子なのだから、バターをケチったらいけないお菓子ということだけは、明らか。
少しケチってオリーブオイルに??ってことではないでしょうが、油脂の分子の違いで食感に違いがでることは、ラードを使う中華菓子で学んだなあ。))
はたしてリベルターブルのパティシェ森田一頼氏の意図はどこに!??

ともあれ、ふんだんに油脂を使ったリッチなお菓子だから、ほろっ・・・と、壊れてしまうの〜〜〜〜〜!

お土産になさる方は、どうかどうか、優しく扱ってあげて下さいね。

2019年7月20日土曜日

冬虫夏草と昆虫展


冬虫夏草。私には高級漢方薬のイメージ。
でも、キノコ好き、昆虫好き、山歩き好きの人達は、別の視点で見ているんですね。

「冬虫夏草」虫からの視点での展示が、広島市植物公園で催されています。

キノコが昆虫を倒してしまう不思議さに取り付かれた調査隊の皆さんも「中草」のきのこ菌に「感染しているらしい」w。


冬虫夏草は、あらゆる虫で培養が可能なようで、土の中に潜むイモムシを始め、サナギ、成虫の蜂や蝉、カメムシのようなものにも取り付くことができるけれど、取り付いた虫によって効能も様々。
コウモリガの幼虫を媒介したものは正統な漢方薬で、補益補養の薬効があるとされますが、蝉についたものには要注意なんだとか。

騒音級の鳴き声がひびく夏の蝉が生薬になれば・・・!!?なーんて、妄想が一瞬で消えました(涙)。

冬虫夏草を知るきっかけには、「宮廷女官チャングムの誓い」のドラマでした。
あのドラマの中で、チャングムが摘みにいった冬虫夏草は、何の虫のものだったのでしょうか??

そんな疑惑が起こるので、生薬冬虫夏草は、虫付きで売られているのかも。


展示は、写真がメインで、ほぼ毎年植物公園で展示会をしています。
今年見逃した方は、また次の機会に♪

会場に入ろうとしたとき、中から子供が「きもちわるいぃ〜!」と、叫びながら駆けだしてきました。
面白いけれど、確かに気持ちが良い写真ではないとも言えます・・・と、お伝えしておきまーす(^^;)


「冬虫夏草と昆虫展」@広島市植物公園(7/24迄)


2019年6月26日水曜日

「ワインという物語」



美味しいワインて、どんな味??


イタメシ(なんて呼んでいた!)ブーム第一波と共に、甘めの白ワインなどがジワジワと広がりつつあった頃のこと。まだ、ワインは甘さが美味しさだった気がします。
甘いワインといえば、赤玉パンチ(笑)。大正生まれのモダンガールは、養命酒のようにたしなんだとか。
あの時代に、今「美味しい」とされているワインの味は「渋い」「辛い」「マズイ」・・と言われてしまっていたかもしれません!??
いや、ワインは醗酵物だもん。醗酵が生み出す味と香りの受容体は、日本人のDNAにはしっかりと組み込まれているのだ!
その後のワインブーム〜バブルが弾けても尚浸透し続ける様相が、その証拠?!
今や、フランス人をうならせるワインを生み出したり、フランス人と一緒に生み出したり・・・(!)、そして、日本の料理と共に、日本人の味覚が世界的に高評価を博しているのだから。

そう♪ 湿度の高い日本に暮らす日本人は、微生物と付き合うのは得意なはずなのよ。
だからもう、「抗菌」なんて言葉は捨てて、菌と共存の道を歩みましょう♪


おっと、今日はそんな話ではないのだ。腸活談でも薬膳でもなく、目から鱗のワイン談のつもりなのです。

・・・というのも、『ワインという物語』の著者でもある大岡玲先生ご夫妻とヴァン・ナチュールのワインを呑んで、とっても楽しい時間を過ごしたから。


この本は、ヨーロッパの古典本をワインで紐解く・・・という、なんとも敷居の高そうなことを、「旨い、旨い!」とワインを呑み、酔っ払いながら、まるでつまみのように語っている、なんとも愉快な本なのです。

実はコレ、2000年に出版された本の再版で、田崎真也氏監修の『WINE LIFE』に1999年に連載された「文学なんて、ワインでわかる」をまとめたもの。

この頃、私と言えば、折々にワインセミナーや試飲会にも参加したりして、ソムリエの解説を聞きながら、手の届くグラン・ヴァン(=しばしば高価で長期熟成型の、ブランド力のあるワインを指す言葉)にお小遣いをつぎ込んでいたっけ。(5千円のワインが「安い!」と感じたとき、ああ、これはヤバイ!と、足を洗いましたけど・苦笑)
ワインを選ぶときに参考にする解説文には、「パーカーポイント○○点」とか、「黒スグリ」「なめし革」「リコリス」「麝香」「ブーケ」etc...ソムリエの教科書にあるような形容は、どれも自分の語彙には無いものばかり。思えば、感覚を解説の方に歩み寄らせるような、そんな試飲も多かったように思います。

事前にインプットした情報をちょっとばかりの経験で肉付けし、解ったような気持ちになる。何でも手軽に学べる便利な時代の実体は、そんなところかもしれません。

学びの後に「問い」がなければ「学問した」とは言えないのでは?
ちょっとばかりの経験をしながらも「何故?」「どうして?」「ホントに!??」と、問いと自分なりに出した答えを重ね塗りしていくことが、本当の意味での理解へのプロセスなのではないでしょうか。

21世紀を前に、すでにこんな風にワインを楽しんでいた大岡玲先生と故・勝山晋作氏は、非凡な方々であることは、疑いの余地もありません。

さて、そのワインとは・・・

  古代ローマ人が飲んだであろう味わいだったり…

  聖戦で飲まれたであろう酸っぱいワインもあったり…

  お漬けものを彷彿とさせる味と香りがするものまであったり…!!

  先生の言葉をお借りするなら、「ただれたワイン」。

あんまり褒め言葉になっていないような響きだけど、癖になる味〜〜〜。


うんちくよりも、体で感じて、心を旅立たせるような、そんな味わい方で挑むと、こんなところにもたどり着けたりするのですね。
ワインは異文化故に、なかなか勇気が要るアプローチかもしれませんが、行き着く先は、案外身近なところだったりします。

私も、その「ただれたワイン」とやらを、晴れて実物と結びつけることができ、膝を叩いた次第です。


お二人の愉快なワイン談と、大岡先生の膨大な読書歴に基づく「ワイン万事塞翁が馬」物語。
お二人は、ローマ神話のワインの神バッコス(Bacchus)の使いに違いないw!








※故・勝山晋作氏がオーナーを務めた楽記は、2019年6月22日を以て閉店となりました。
 
 

2019年6月12日水曜日

NHKカルチャー 「腸活」薬膳

今期は、五行説で説かれている臓腑の関係にある心(脳)と小腸の関係を、現代の科学の視点と併せて紐解いて行こうという試みをしています。

腸の健康の大切さ、多くの方が実感をもって興味を持ち始めている今日この頃。
薬膳的に「腸活」するにはどんなことが出来るだろう??

そんなことを考えながら、いろいろ本を読んでみています。

本日教室で、紹介したご本はこちら。時のテーマ故、本屋にも沢山の本が並びますが、これら、なかなか読み応えがあります。
   ↓

●『腸を鍛える』〜腸内細菌と腸内フローラ
 光岡知足 著
 - - - - - 「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の名付け親、腸内細菌学のパイオニアにして世界的権威の著者が、ヨーグルトの正しい摂り方から「便移植」まで、優しく解説。

●『腸と脳』
   原題 : “THE MIND - GUT CONNECTION”
 エムラン・メイヤー 著 高橋 洋 訳
 〜体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか〜
 - - - - - 内臓感覚は強し。体内の会話はいかに貴方の気分や選択や健康を左右するか。
腸と脳のつながり、腸内微生物がかわす緊密な情報のやり取りが心身に及ぼす影響、栄養や腸内環境の異変と疾病の関係についての最新知見について。

●『おしゃべりな腸』
 原題 : “DARM MIT CHARME”
 ジュリア・エンダース 著  岡本 智子+長谷 川圭 訳

 - - - - - 「腸の声」を聴きなさい。ドイツのミリオンセラー健康書。
腸がわかれば、自分がわかる! 若い女性がウンチのこと、トイレのこと、いろいろ語ります。

●『あなたの体は9割が細菌』
〜微生物の生態系が崩れはじめた〜
 原題 : “10% HUMAN”
 アランナ・コリン 著 矢野真千子 訳

 - - - - - 人にとって「ふつう」でないことが増えた「21世紀の病気」とは。
    第3章「腸と脳はつながっている」と、ズバリ!


私も50代。人生下半期を迎え、根本からの健康管理について、知識の更新の為に学びなおしています。 

いや、読み始めたら、単に面白くて頁がめくれますよ♪


2019年6月9日日曜日

火鍋


陰陽に整えられた、2色の鍋。
巷では「火鍋」と呼ばれていますが、本当の名前は「鴛鴦鍋」。
白湯スープと辣油や唐辛子がたっぷりのピリ辛スープベースの二種が用意され、この2つを調合したり交互に食べたりして楽しむお鍋。
火鍋とは、写真(↓)のような、煙突付のこのお鍋のことなのです。
(この煙突の下には、熱源の炭をいれ、炭の熱量に合わせて具材を調理していきます。)
神田・龍水楼にて

こちらは、日本のしゃぶしゃぶの原型にもなっている「涮羊肉」という北京料理で、水炊きのような形式で沢山の薬味と共に供されます。
このお鍋は、清朝の宮廷料理としても取り入れられていて、愛新覚羅浩さんの著書『食在宮廷』でも「十錦火鍋」(10種の材料をいれた鍋もの)として紹介されています。

教室では、こちらではなく「巷の火鍋」の方の、ピリ辛ベース版をご紹介したというわけです。 ちょっとマイルドに仕立てましたが、発汗力は十分!  皆さん汗を拭き拭き、〆の水餃子まで、しっかり頂いてました。

龍水楼の、炭火を使った本当の火鍋も、是非食して頂きたいなあ)))。


 

2019年6月3日月曜日

カレーリーフ

Curry Leaf
南インド料理やスリランカ料理に必須のハーブ、カレーリーフ。
葉っぱの香が既にカレーだから、驚かされます。
「カレー」なんだけど、カレー粉では代用できない独特の風味があるカレーリーフ。
南国の子なので、なかなか育てるのも大変です。
一昨年の秋口にウチの子になった苗は、その後半年ずーっと新芽を出さずにおりましたが、猛暑を迎えてただ一人、元気いっぱいになり、次々と葉を出し始めました。
故郷の太陽を思い出したのね・・・!
そして今年も枝分かれしていい駆け出しです。
なんと、小さな花を付けているではありませんか!
花も、カレー風味だ〜〜〜w


ところで、インドには「カレー」という言葉はないのをご存知でしょうか?

カレーという呼び名は、旧宗主国のイギリス人がインドの煮込み料理を「カレー」と認識し、呼んだ名前で、現地の人にとっては「カレー」は、サンバルであり、コルマであり、ダール等といった風に、個々違ったお料理なのです。
只し、タミル語に、「食事」、「おかず」を意味する「kari」という言葉があり、それが英語で「Curry」と表記されるようになったとも言われています。

多種のスパイスを色々にブレンドしてカレー粉が作られるけれど、あのブレンドは、インドを植民地としていたイギリスが発祥なのでした。
なるほど、イギリスのスーパーに行くと、カレーのブレンドスパイスが沢山ありましたっけ。ロンドンのど真ん中にあるMarks & Spencer でも、1、2回分ずつにパックされたカレー粉が「挽肉のカレー用」「ジャガイモカレー用」「シーフードカレー用」なんて風にずらりと並んでおいてあります。
いずれも、インドのものよりずっとマイルドで、家庭のカレーにはなかなか使いやすいと思いました。

そんな訳だから、当然このカレーリーフも正式名称ではないのです!
ちょっとググってみたら「ミカン科のゲッキツ属」(柑橘の一種)とありました。
ちなみに、6年前に訪れたスリランカでは「カラピンチャ」(シンハラ語)と呼ばれていました。タミル人の多い南インドではタミル語でカリヴェンプ、ヒンディー語ではキトニムと呼ぶそうです。

多民族多言語国家のスパイシーなお料理を「カレー」でくくっては申し訳ない気がしてきますが、当のインドやスリランカの皆さん自ら、外国人にわかりやすい「カレー(カリー)」と呼んで、それでカレーが益々広がり愛されることを願っているのですから、まあいっか。


この夏は、躊躇無くフレッシュリーフを使ったサンバルスープが楽しめそう!


2019年5月26日日曜日

ポルトガルのお菓子 (追記)

雑学の域を出ませんが、4回に渡り南蛮菓子について書いてきました。

「大航海時代」とか「新航路発見」("発見" された先住民にしてみれば甚だ迷惑な話ではあるけれども)を歴史の一頁としてみれば、それはそれは壮大なロマンにも見えるのですが、この時代のヨーロッパ人たちは、途方も無くて、大胆で、残忍で、運まかせ。
野心なのか本能なのか、博打なのか??「生きてるだけで、丸儲け」だったのでしょうか??
この時代については、もう少し足踏みしていろいろ調べたいなあと思っています。

さて、2で取り上げた福岡の銘菓「鶏卵素麺」についてのエピソードをひとつ。
ポルトガル伝来といわれるこの鶏卵素麺とそっくりのお菓子が、タイ王国にもあるのです(!)。「ファイトーン」といいます。

こちらはポルトガル経由ではなく、なんとキリシタン迫害を逃れ海外に渡った日系人によって伝えられもの(!)。

鶏卵素麺でググると、こんなサイトがありますよ。
http://www.街かどタイ料理.com/article/401072846.html
※ウィキは正確とは限らないことを前提にご覧下さい。

マリア・ギオマール・デ・ピーニャ。
ポルトガルの植民地だったインドのゴアから来たベンガル人と結婚したキリシタン大名の末裔といわれる日本人とポルトガル人との間に生まれた方なんだそう!?
アユタヤ朝のタイで、これまた複雑なルーツ* のヨーロッパ人と結婚しています。





まさに「数奇な運命」の図です。

*ほそく:ヴェネチア共和国支配かのギリシャの島に生まれるも、10代半ばで島を出てイギリス・東インド会社に就職しタイに渡る。その後貿易会社で働き、自らも船を持ち貿易を試みるも、インドで難破。その折に、アユタヤ王朝の外交官と出会い、再びタイへ。

彼女の夫は、そのアドベンチャーな経験を積む中で複数の語学も身に付け、タイの王様に気に入られちゃって、外交のお手伝いをするようになるのだけれど、イギリス、フランス(当時ルイ14世の治世です)に便宜を図りすぎて他の高官たちから反感を買い、王様が病気で倒れたのを機に、次王と高官らに殺害されてしまう(シャム革命)。
その妻であったマリアも捕まり投獄されてしまいますが、彼女には、お菓子作りの腕があったため、宮廷のお菓子職人として登用されることになった!!
鶏卵素麺に繋ぎとめられた命だったかもしれない?? 
ファイトーンと共に、彼女のことも語り継がれたのですね。)))

迫害を逃れたり追放されたりした日本のキリシタンがアジア各地で足跡を残している話は、他にもこんなものがあります。

江戸時代初期、キリスト教禁止政策によりバタヴィア(当時オランダ領だったジャカルタ)に追放された「お春」。
お春(1625~1697年?) は、ポルトガル商戦の航海士であるイタリア人の父と日本人の母を持つ混血少女で、追放当時は、まだ14歳だったとか。
彼女が望郷の思いを綴り日本に送った「じゃがたら文」は名文で、憐憫の情を誘い、昭和に入って「長崎物語」という歌にもなっているようです。
故郷を追われた悲劇の少女として語り継がれていますが、現地で、オランダ東インド会社で活躍したオランダ人と結婚して、奴隷を所有するほどの結構いい暮らしをしていたようです。
・・・というのも、当時、東洋への航海は、海賊や嵐や病気のリスクを伴い、命も駆ける大博打。そんな航海に便乗する女性など殆ど居なかったので、航海士が現地の女性と結ばれるというのはとても多かった(というか、ほとんどそうだった)のでした。また、当時のインドネシアには、イスラム勢力も浸透していましたから、異教徒との結婚は難しく、“文明国日本” の女性は大変魅力的だったそう。
(*参照:『ジャワ探究ー南の国の歴史と文化』/ 井口正俊・著)

ポルトガル全盛の後、オランダ、続いてイギリスが、各植民地を徐々に上書きし、やがて七つの海を征するーーー。
そんなうねりの中で、ポルトガルのお菓子が東へ南へ伝わり、広がっていき、その地の郷土がしとして根付いたーーー。


一番乗りでアジアを席巻したポルトガルは、最終的には、殆ど全ての植民地を奪われることになるのだけれど、お菓子という足跡を残しました。そしてそれは、ポルトガル人に寄るところに留まらず、日本経由でもあったりしたことには、深い感慨をおぼえます。

・・・で、イギリスは、残すほどの甘味を持ち合わせていなかったけれど、後々独自のティー文化を持ち込む。そのお茶請けは、バター無しでも作れるポルトガルのお菓子だったかも・・・しれないですよね〜〜〜))))???

ああ・・・とんでもない脱線をしてしまった。いや、本来、食を探訪するということは、こういうことなのだ。 

深いため息と共に、今日は日本の渋茶を啜ってます。


2019年5月22日水曜日

ポルトガルのお菓子(おまけ)〜鹿児島の郷土菓子〜

先日、久しぶりに、鹿児島へ行ってきました。
鹿児島は、母の故郷。幼少期、祖父母や叔父、叔母、従姉妹達と沢山遊んだ地です。
庭を駆け、竹とんぼを飛ばし、池でカエルを釣り(南瓜の花で釣れるのです!)、山道を探検して歩いた思い出の地。)))

祖父母はもう他界して、その景色も町の様子も随分変わってしまいましたが、懐かしい味や匂いは、記憶の深いところに刻まれているようです。
だから、観光よりもつい道の駅めぐりをしたり、ドライブで過ごして終わってしまうことが常なのですが、今回は、鹿児島市内を観光目線で歩いてみました。

市内にはあちこちに、鹿児島が産んだ逸材たちの銅像が。
大河ドラマ『西郷どん』に出てくる人材は、殆ど加治屋町(現在は鹿児島中央駅からほど近いエリア)の出身。
駅前から桜島行きのフェリー乗り場のある港まで(2−3キロ)を歩き、またそこから仙巌園(島津のお殿様の別宅で、研究所として使っていたところ)まで(2−3キロ)も体感できました。

 1543年、種子島に鉄砲伝来。
 1549年、キリスト教伝来。

そんな風に小・中学校の日本史の教科書に出てきたけれど、その真意を悟るのは、随分後のことだった気がします。そして、沖縄(琉球)や、中国(明)を同じ視野に加えることが出来るようになった今、さらに深い感慨をおぼえます。

鹿児島市の中心地、斉彬公が祀られている照國神社から数百メートルのところには、フランシスコ・ザビエルの記念碑が、その向いには、随分モダンなイエズス会教会がありました。

ザビエル碑:アーチの内側にはイエズス会のマークが。

改めて、鹿児島とは、そういうお土地柄なのですね。)))

そんなことをつらつら思いながら、鹿児島のお菓子を振り返ってみると・・・。

お餅のお菓子も色んな種類があるのですが、餅生地とあんこを一緒に練り混ぜた中国的な製法のものが目に付きます。軽羹で有名な明石屋の商品「春駒」という餅菓子やけせん団子もそんなタイプの餅菓子です。
また、煎り米の粉と砂糖を合わせた煎粉餅にも、ちょっと共通点を感じます。
高麗餅は、米粉と小豆粉を合わせてふるいで落として蒸したお菓子。素材は素朴なのに、軽羹と同じく随分と洗練された印象のお菓子です。
それから、南蛮由来のカステラは何故か鹿児島の名物にはならなかったけれど、ボーロはあります。

こうしてみると、素朴ながらなかなか個性的な鹿児島のお菓子たちなのでした。


高麗餅(明石屋)
けせん団子
黒糖入りのボーロ






2019年5月20日月曜日

6月の料理教室

梅雨入り間近!

「天人合一:人間は自然の一部。人体にも自然環境と同じ現象が起こる」ことを、この時期実感します。
むくみ、倦怠、冷え、頭痛・・・・これらは、湿邪による症状であることが多々あります。湿が苦手な胃の不調も要注意の季節。

運動してスカーッと汗でもかくとスッキリすることもありますが、雨がちだと運動不足にもなりがち。

こんな時、ちょっとスパイスのチカラを借りましょうか。


今月のお料理は、スパイシーチャイニーズ。

この時期こそ、いわゆる「火鍋」です。
「いわゆる」と言ったのは、今どき巷で「火鍋」とよばれている辛い赤とマイルド白湯スープの2色の鍋は、正確には「おしどり鍋」と言って、「火鍋」というのは、煙突があるしゃぶしゃぶ鍋のことをいうのです。
6月は、しゃぶしゃぶではなくピリ辛の鍋スープ。

停滞しがちな気血水を、スパイスの巡らせる力で、解消しましょう♪

ピリ辛鍋に使う辣油も、作りまーす!
お楽しみに!!


   内容:
    ・茄子のスパイシー焼き
    ・スパイシースープ鍋
    ・〆の麺 or 緑豆ごはん
    ・羅漢果のデザート
    ・美味しい中国茶 & 沖縄or鹿児島のお茶請け
    *自家製辣油

   日時:2019年 6月5日(水)満席
              8日(土)
              9日(日)満席
             22日(土)残席わずか
             28日(土)※28日は一部料理内容が異なります。


※尚、NHKカルチャーは、スパイシーな腸活メニューです。


   

2019年5月16日木曜日

ポルトガルのお菓子 3 



マカオの城塞ホテル Pousada de Sao Tiago


(2)のつづき。

ポルトガルから割譲されたのは、北アフリカのタンジール(タンジェ)とインドのボンベイ(ムンバイ)。 1662年のことです。

マカオにあるポルトガル料理のレストランの名前で「アルフォンソ」というのがありましたが、丁度この頃のポルトガル王(キャサリン王妃の弟さん)の名前もアルフォンソ(2世)です。 ヨーロッパでは同じ名前の王様が何人もでてくるので、違う時代のアルフォンソかもしれませんが。

中世ヨーロッパの歴史に出てくる名前って、国を跨いでのお輿入れや王位継承などで、お国の言語に合わせての読み方が変わるので、混乱させられます。)))
英語名のマイケルがミシェルだったりミゲルだったり、カールがカルロスになったり、フィリップ  → フェリペ、ヘンリー  → アンリ、エンリコ  → ハインリヒ・・等々。
だんだん誰が誰だか解らなくなってきちゃうのです。
ちなみに、キャサリン王妃のポルトガル名は「カタリーナ」。
また、国の呼び方も国境も、当然ながら今のものとは異なります。例えばこの頃のスペインはまだスペインではなく、その中核になった国の名前「カスティーリャ王国」でした。

あれ!!!?
この名前、カステラに似てます!

実は、カスティーリャで作られたお菓子がカスティラ(カステラ)なのです!
カスティラとは、城郭のこと。当時ムーア人(北アフリカのイスラム系の人)の侵略を防ぐために沢山の城塞が作られていたので、城塞の町という意味で、そのまま地名になったのだとか。

※スペインの世界遺産グラナダのアルハンブラ宮殿:アルハンブラとは、アラビア語で「赤い城塞」という意味なのだそうです。イベリア半島は一部、8世紀頃からずーっと、ウマイヤ朝に始まり最後のナスル朝(1492年)まで、複数のイスラム王朝に支配されてきました。
アルハンブラ宮殿は、この間の異なる時代の城塞や宮殿で構成されている建築物の複合体なのでした。
イスラム勢力を撤廃し再びキリスト教徒が征服しようという運動のことをレコンキスタといい、1492年はその終焉とされています。

あれれ、ではカステラは、スペインのお菓子ってことになりますか??
ポルトガルも、スペインに併合されていたことがあったし、文化に垣根は無いと思います。きっと、イベリア半島のキリスト教徒の国々でブレイクしていたお菓子。
スペルをチェックしてみると、カステラ(Castella)、カスティーリャ(Castilla)、 城郭を指すラテン語はCastra 、英語でお城のことを、 Castle (キャスル)。

カステラが城郭ケーキだったとは!! 
私には、パン・デ・ローだった以上に驚きです。 

おっと、カステラは、「1」で取り上げたブロアカステーラのことでした。
あの小さくて丸っこいのは、城塞の石垣のイメージだったりして??

想像は膨らみますが、そろそろティータイムにしましょう。
カステラ、カステラと言ってると、カステラが食べたくなってきました。
運良く手元には頂き物のカステラが♡

日本のカステラ。あの姿形は、堂々和菓子!(・・と思う。)
だからカステラを食べるときは、煎茶を淹れがちなのですが、キャサリン・オブ・ブラガンザ(カタリーナ・ポルトガル王妃)のお話をしたので、今日は紅茶を淹れることにします♪




2019年5月13日月曜日

ポルトガルのお菓子 2

※ゴメンナサイ!写真は、楽天のネット販売・商品の写真を拝借しています。


16世紀から17世紀に掛けポルトガルから日本に伝わったお菓子たち。

カステラ(Pão-de-ló / パン・デ・ロー)、ボーロ(Bolo/ボーロ=「ケーキ」の意)、金平糖 (Confeito / コンフェイト)、カルメ焼き(Caramelo / カルメラ)、飛龍頭(フィリオース/Filhós)、鶏卵そうめん(フィオシュ・デ・オヴォシュ / Fios de Ovos)、ビスケット(ビスコット/ Biscotto)。
それから愛媛・松山の一六タルトも、実はポルトガルにルーツがあるらしい!

ポルトガルには、Torta de Azeitao(トルタ・デ・アゼイタオン)と呼ばれるロールケーキがあるのだそうで、一六タルトが一六ケーキと言わずタルト(トルタ)になっているのはその名残。ジャムが柚子餡に代わり、すっかり日本の顔になったお菓子。
    ※参考:『世界の郷土菓子』林周作 著 /『世界のお菓子』鈴木文 著

飛龍頭の元祖がお菓子だったというのも意外な驚きですが、「揚げ物」がまだ珍しかった頃伝わった揚げ菓子がいろいろに派生した!?と捉えると、どうにか合点がいきます。

それから・・・カルメ焼き(カルメラ)という名前には、「砂糖を焦がした(カラメライズド)」ものであることがわかりますが、カルメ焼きは、砂糖を煮詰めて色づき始めたところに重曹を加えて作ります。砂糖にバターやミルクも加わると1粒300メートル(森永キャラメル)のキャラメル。

お菓子のルーツが気になるけれど、調べるのは一筋縄ではいかないでしょう。知っている知識を繋いでしまうのは少々乱暴かもしれませんが、推理を交えて想像を膨らませています。

さて、砂糖のお話を少し。
12世紀に砂糖の精製技術が発明されたころ、世界でお砂糖は、金銀と同じぐらい貴重なものだったといいます。それから400年、この頃には既に白砂糖が世界各地に出回っていましたが、その量はまだまだ稀少。砂糖の白色と稀少さには、甘さ以上の神聖さも加わったといわれます。郷土菓子と繋がる修道院などではその白さと甘さのもつ魅力を利用して信者を増やしていったーーー。

ポルトガルの王女キャサリン(カタリーナ)・オブ・ブラガンザ(1638-1705)*は、イングランド王チャールズ2世に嫁ぐとき、ポルトガルが手にしていた北アフリカやインドの植民地の一部と持参金に加え、沢山の砂糖とお茶を持ち込んだといいます。
キャサリン王女がイングランドへ嫁ぐ少し前まで、ポルトガルは一時スペインに併合されていた時期がありました(1580~1640年)。ヨーロッパにおける複雑なパワーバランスの状況下、ポルトガルはイングランドとの良好な関係が必要で、これは友好の証しの輿入れだったという訳です。だからこの持参金は、さぞや気合いが入ったものだったはず。
チャールズ2世は、これらに大変ご満悦だったとか。

この時割譲された植民地が、後に7つの海を征する大英帝国の繁栄の原点になるのかと思うと、この結婚はイングランドにとっても転機だったといえるかもしれません。

王妃となったキャサリンは、持参した紅茶と砂糖で王侯貴族をもてなし羨望を集め、紅茶交流に紅茶外交。ここから、紅茶の国イギリスが始まったのです。
キャサリン・オブ・ブラガンザは、イギリスに喫茶文化もたらした人物としても、歴史に名を残しています。


キャサリン・オブ・ブラガンザの持参金等については、『イギリスの王室』石井美樹子・著 参照。 


2019年5月11日土曜日

筍 (2)





Q1.筍のえぐみ成分はなんでしょう!?

Q2.何故、糠や唐辛子を加えて茹でるのでしょう??



A.
この二つの質問は一つの回答でカバーできます。

えぐみ成分は、①シュウ酸と②ホモケンチジン酸です。
シュウ酸は、竹に成長すると無くなる物質ですが、筍には含まれていて、過剰摂取は結石の原因にもなるので要注意。
結石の予防には、カルシウムと組み合わせて食べることを心掛けるとよいでしょう。
そもそも筍を最初に米糠と鷹の爪を加えて茹でるのも、米糠のカルシウムがエグミと結びついてくれ取り除くことが出来るからです。エグミ抜きした筍を、カルシウムを含むワカメと共に食べる「若竹煮」は、理にかなった食べ方ということにもなります。
ちなみに、米糠と一緒に加える唐辛子は、糠臭さを消すのに役立っているのだとか。

ホモケンチジン酸は、筍に含まれるチロシンが酸化してできる物質で、同じく米糠や重曹などのアルカリで取り除く殊が出来ます。
チロシンは、非必須アミノ酸の一種で、必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンから合成されます。アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料でもある他、代謝や自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンや、髪の毛や皮膚の黒色色素であるメラニン色素の原料でもあります。
メラニン色素の原料!?と聞くと、シミやそばかすの原因では?と不安になるかも知れませんが、メラニン色素はそもそも肌を紫外線から守る働きをする物質です。
逆に不足すると、白髪の原因にもなります。何より成長を促す甲状腺ホルモンの材料ですので、成長期には大切なのです。
何事も、ほどほどに頂くのが鉄則ということなのでしょうね。)))

尚、チロシンは、少し苦みを感じさせる成分です。実は、バナナやアボガド、リンゴなどにも含まれているんだそうです。

それにしても、人間はいろんなことを思いつくものです。
アク抜きなんて、何をきっかけに気が付いたのでしょう??

人体の防御システムでもある味覚が、NOを突きつけたものを、それでも食べようと工夫した所には、どんな食べなくてはいけない状況があったのでしょう??
生き抜こうとガンバッテ来た人類の様々な食の工夫に思いを馳せると、あ〜有り難や!
グルメ時代は飢餓時代の賜物のようにも思えてきます。





2019年5月10日金曜日

筍 (1)



今年は筍が少ない!

蜜柑や梅など、野菜や果物には、表の(沢山稔る)年と裏の(少ない収穫)年があるということは、体験的に知っていますが、「雨後の竹の子」などと表現されたり、その繁殖力は嫌われるほどの竹ーー筍にも表裏があるのでしょうか??

毎年堀たてを直ぐに茹でた柔らかくてえぐみのない美味しい筍を沢山送ってもらっているので、表も裏も感じること無く過ごしてきましたが・・・
「今年は筍が少ない!」という声を、あちこちで耳にします。

楽観的に構えて今月のNHK教室のメニューに加えていた「筍団子」。
12ヶの筍団子には、ゆで筍が1kg必要なのに、厳しい状況になってしまいました。

あちこち探し回って、当日入荷のフレッシュな筍を6本ゲットすることが出来ました。
ほっ)))。

筍は、時間が経過すると直ぐにえぐみが出てきます。
だから店頭で購入するものには、えぐみのリスクがあるということです。
筍不足の今年、先月下旬に初めて店頭のものを恐る恐る買って、米糠と一緒に炊いてみましたが・・・その分はちょっとえぐかった(涙)))。

この度、時間も無くて、ドキドキしながら茹でましたが、この6本はセーフで、2度目のほっ・・・)))。

そんなこともあったので、授業は筍のえぐみの科学談から始めました。


  Q1.筍のえぐみ成分はなんでしょう!?

  Q2.何故、糠や唐辛子を加えて茹でるのでしょう??


  答えは次回(^_-)-☆


筍団子、木の芽の風味のお出汁だけであっさり食べてもらいたいので、つなぎは片栗粉と卵だけで作ります。
ボナペティ♪







2019年5月5日日曜日

ポルトガルのお菓子(マカオ) 1

食談儀へ入りたいと思います。

ポルトガルといえば、やっぱりお菓子のお話から。日本にも浸透しているカステラや金平糖、ボーロなど、これら皆ポルトガルから伝えられたもの。

植民地からもたらされる砂糖やスパイス、果物などで、お菓子文化花開いていた欧州から、キリスト教と一緒に伝えられたお菓子達。甘いものでまずは胃袋を掴んで、布教活動ということなのでしょう。当時、織田信長がキリスト教の布教を容認したのは、宣教師、ルイス・フロイスが献上した金平糖が美味しかったから・・・なーんてことがあったかどうかは解りませんが、大いに好奇心をそそられたにちがいありません。

ポルトガルのお菓子、まずはカステラから。

カステラの原型は、パン・デ・ロー(PÃO DE LÓ)というカステラよりもふわふわしたケーキです。 では「カステラ」という名前が指すモノはどんなお菓子なのでしょうか?

「ブロア・カステーラ(Broa Castelar)」というお菓子が、マカオにありました。
カステラという名前の方のルーツは、こちらのお菓子ということです。
アーモンド、オレンジ、ココナッツ、蜂蜜、卵、スウィートポテトの餡には、ほのかにシナモンが香ります。
餡の密な濃さと、油脂と小麦粉の皮の感じが、ちょっと月餅のニュアンスにも近い。だから月餅好きの私はこのお菓子を直ぐに気に入りました。紅茶の気分の時も、中国茶が飲みたいときにも、どちらにもフィットする懐の深い美味しさ♡。お菓子の中の西洋と東洋両方のニュアンスを持つ魅力的なお菓子です。
マカオのブロア・カステーラ
カステラの名前の由来については、ポルトガルの歴史に触れた後で追記することにします。

今日はもうひとつ、ブロア・カステーラと印象が重なる琉球菓子をちょこっとご紹介しておきます。



「桔餅 / 橘餅(きっぱん)」

『琉球菓子』安次富 順子著より「きっぱん」

桔餅(きっぱん)は、三百年ほど前に中国の福州から沖縄に伝えられたといわれています。
『琉球菓子』(安次富順子・著)によると、18世紀初頭までは中国からの琉球王国へのお土産として取り扱われていたお菓子だそうですが、やがて琉球でも作ることが出来るようになり、琉球菓子として定着していったといいます。

ブロア・カステーラとちょっと似た印象なのですが、こちらは元大陸のお菓子で、ブロア・カステーラはポルトガルのお菓子。
地球の反対側に、あるいは反対側から伝わった・・・ということは、ちょっと考えにくい気がします。歴史を鑑ると、用の東西を問わず、人間は何千何万キロ離れて同じようなものを同じような時期に考えていたりすることが多々あるもの。誰かが伝えたとか、どちらが先かということではなく、お菓子にもそんなことが起こったのかもしれません??


琉球菓子や鹿児島のお菓子には、中国や韓国から伝わったらしき気配がムンムンするお菓子が多いですが、ボーロやカステラは、時代も少し下りポルトガルから伝わったもの。
この時代の琉球や鹿児島のお菓子もあわせて見ていきたいものです。


さて、久しぶりに、きっぱんを取り寄せ、“ニュアンス” を味わいましょうかね♪


ポルトガルのお菓子 (マカオにて) 序文




大型連休直前、香港&マカオに行ってきました。
今回は、旅行のお仕事絡み故、ほとんど自由がきかず・・・。
なので、代わりにここらで2009年以来折々に旅して拾い集めてきたことをついばんでブログに書いてみようと思います。

マカオ訪問の機会が巡って来る度に、光景や空気に、うねりのような変化を感じてきました。
特に香港サイドの深圳の発展ぶりや、マカオサイドの珠海地区や橋で繋がる島コタイ地区の変貌ぶりには驚かされっぱなしです。世界遺産となっているポルトガル領時代の街並みを辛うじて温存しつつも、カジノタウンとしての様相には益々拍車がかかっている模様。
そして昨年秋には遂に、香港—マカオ間55kmもの海上に港珠澳大橋が開通('18年10月23日)。これぞ「富める中国人の為の、カジノへの架け橋w」。
いやぁ〜〜、スゴイ・・!)))

阿媽(海の安全を守る神様、媽祖)の湾(アマガオ) → マカオ。
この名前の由来が物語るように、今やラスベガスと肩を並べるカジノ街も、欧州が大航海時代を迎える15世紀までは、小さな漁村の集合体のような所だったのです。
15世紀以降、世界の大きなうねりの中、西洋と東洋の中継地として、小さいながらも政治、経済、歴史上、重要な役割を果たしす場所として発展してきたのでした。

バスコ・ダ・ガマのインド航路発見(1498年)を機に、欧州列国がアジアへやって来るようになりました。その中でも留意すべきは、カトリック・イエズス会のアジアへの布教活動です。
この時期、ヨーロッパでは、カトリックの権威が揺らぎ、宗教改革の動きが起こっていました。そんな中でカトリックを盛り返そうと興ったのがイエズス会。航路の発見と共に広がる新しい世界への布教へと乗り出した。。。
日本史でお馴染みのフランシスコ・ザビエル(スペイン・バスク人です)もそのひとり。彼は、マカオへは来ていませんが、マカオの西南にある上川島に足跡を残しています。

島国日本では、突然ポルトガル人(スペイン人なんだけど)が現れたみたいに記録されますが、海の外では、その前から大きなうねりがあり、波風が立っていたのです!!
そんな“波風”の水しぶきを一番に受けたのは、本土ではなく、琉球やら種子島やら、対馬や五島列島やらの離島なのだ)))。

歴史の話はさておき(かなり乱暴な削りすぎの内容でお許し下さい)、その地の食に残された痕跡を拾い上げて、確かな記憶にしておきたい。
食のグローバル化が進む今だからこそ、心に留めておきたいと思うのです。


前置きが長くなりました。
次回は、食談談儀を♪


2019年4月19日金曜日

中華鍋



「暮らしのスパイス」は、中国料理を主体とした料理教室ですが、実践薬膳をイメージし、薬膳の考え方を取り入れ、折々に中医学の学びをプラスして展開しています。
食材や生薬についての知識はもちろんですが、調理道具や調理法のフォーカスも、大事なテーマだと、密かに思っております。

中国料理を手がけるようになってよく思う。
「なんて合理的な料理なんだ・・!」・・って。
熱効率、調味料、味付け・・・そして、道具!!

中華鍋に至っては、我が家ではもう毎日欠かさず使う道具になってしまいました。
煮る、焼く、炒める、揚げる、蒸す、燻す・・・が、全て中華鍋でできるのだ!
朝の玉子焼き、揚げ物、時には煮物だって、使い勝手の良さからつい手に取ってしまうのです。
当に、万能道具♥))

最近ちょっとした鉄鍋ブームと聞き及びますが、鉄のいいところは、沢山あるけれど、まず、加えた油が焼けてくれること、そして香ばしさが添加されるところ。
お鍋の味ってあるのですよ!!

道具によってその道具の快適な温度というのがありますが、鉄の中華鍋は、香ばしさを産む温度とぴったりなんだと思うのです。


日本の台所は狭い(!)。
なのに、料理のバラエティは和洋亜様々で益々バラエティ−。・・で、道具も食器も沢山!
厳選した道具を使いこなせば、もっとスッキリできると思う。
勿論、道具を使わなくてもできるちょっとしたテクニックも♪

壊れない道具、体に良い道具、多様性のある道具として、私は中華鍋を推奨したいのだ♪

さて、本日は、大粒の浅蜊が手に入ったので、浅蜊だけのパエリアです。
ハイ、中華鍋で、パエリアです♪

パエリアにしか使わないパエリアパンなんて、要らないのだ。

毎日中華鍋♪

何でも中華鍋♪♪

今日も中華鍋♪♪♪

パエリアも中華鍋♪♪♪♪

1キロの浅蜊入りパエリア、どすこい!

一家に1つ、いや大小2つ、中華鍋、オススメします!

2019年4月17日水曜日

猪越 恭也 先生

4月2日、猪越先生が、お亡くなりになりました。
享年83歳、年男。

猪越先生は、日本における中医学の普及に大きく貢献なさった方。アグネス・チャンとテレビにお出になったりしていたこともあるし、講演、著書多数で、中医学、漢方に興味を持たれた方なら、何処かでご縁があったことと思います。

著書は、『新中国の漢方』、『よく効く漢方実用例50』、『顔を見れば病がわかる』、『隠れ病は肌に出る』、『自分でできる中国家庭医学』、『キッチン漢方の底力』等々。一般の方々向けで解りやすいアプローチのものが多くあります。

私も、季刊誌『チャイナビュー』に始まり、これらの本を通して一方的に猪越先生を存じ上げていました。
ずっと“本の人”だった猪越先生ですが、広島に講演にいらした折にご挨拶したのがきっかけで、先生の拠点、吉祥寺の東西薬局に折々にお訪ねするようになりました。
薬膳師の資格取得後の学びに専門書をご紹介いただいて、薬膳師の勉強の中では少し物足りないと感じていた方剤学の部分を補強できたのも猪越先生とのご縁のお陰です。

料理の師でもある山本豊シェフのお店「竹爐山房」も吉祥寺ですが、お店でお料理に使われる生薬の調達先が東西薬局さんというご縁もあり、「竹爐山房」での食事会には、ご参加下さいました。3年前のことです。夕方お店に差し入れた鹿児島銘菓「軽羹」を、食事会の前にペロリと食べていらっしゃって・・・!
会でも、痛快な食べっぷりをご披露下さったのでした。

健強な胃袋に加え、信じがたいかもしれませんが、猪越先生は、80にして老眼鏡要らず。
30代後半から杞菊地黄丸という補肝補腎の漢方薬を、自ら実験台として飲み続けておられた結果だとか。

昨年、お会いしたとき(あれが思えば最後でしたが)も、「中医学を英訳した本を出したいんだよねー」と、おっしゃっていて、まだまだ手がけられたいことが沢山あるといったご様子でしたのに、こんなに早く、突然にお亡くなりになろうとは。。。
とても残念です。

満州生まれで引き揚げてこられた10代の猪越先生が見た、ロシア軍、中国共産党軍(八路軍)、国民党軍、関東軍についてのお話は、先生の俯瞰力の源のようにも思えましたし、漢方も薬膳も、歴史や国民性を踏まえて考えるべしということに気が付かせてくれました。お会いした時間はとても短いのですが、そこからとても多くの学びのヒントを得ることができました。

もっと生きて、まだまだ先生にしか伝えられない諸々を教えていただきたかった!!

猪越先生、本当に、ありがとうございました! 
こころより、ご冥福をお祈り致します。



80年代の猪越先生。ハンサムですね〜〜!
2016年の食事会で。運ばれた料理を待ちきれず自ら取り分ける猪越先生。
軽羹を食べて来たのに、コースも完食!





2019年3月25日月曜日

ヤマザキマリさんの『オリンピア・キュクロス』


『オリンピア・キュクロス』は、古代ギリシャの壺絵師が、東京オリンピックの昭和日本にタイムスリップする物語。「キュクロス」とは、ギリシャ語で叙事詩環のこと。(Epic Cycle) 

盛り込まれているエピソードの数々は、一見ギャグのようにも見えますが、作者のヤマザキマリさんが、マンガという手法で大まじめに展開する比較文化論なのだ。

写真は、主人公が日本の盆踊りを体験し、古代に戻って壺絵に描いたもの。
絵の完成度、スバラシイ!!(でも、こんなのが発掘されたら考古学者も歴史家もドンデンころりんこです・笑。)

史跡巡りの中で、数多くの壺絵を見てきた彼女は「ある意味、これは古代人にとってのマンガだ!」と思ったのだそう。
異国に暮らし、自らが体験してきたカルチャーショックや驚きを、マンガの主人公のそれに投影させているのですね。

巻末の解説文には「現代と古代、人間は、歴史を繰り返していく中で、結局そんなに変化してきた訳ではありません」と。

私も料理でこんなことが出来たら・・・!と、密かに思ったりしましたが、誠に恐れ多く、手に負えない果てしない研究故、上澄みをすくいすくい、一喜一憂するに留まっております。

ヤマザキマリさんの、人生を投じた研究活動に凄味を感じつつ・・・マンガに笑いこけています。

ちなみに、古代ギリシャのオリンピックでは、選手は皆「すっぽんぽん」で競技にのぞんでいたようですから、『テルマエ・ロマネ』のような映画化は無いと思われまするw。
(マンガでもモザイクが掛かっていますw)

興味の沸いた方は、マンガをご一読くださーい♪

2019年3月24日日曜日

新谷彰子さんの仕履展@MUNI


新谷彰子さんの仕履展が、絨毯ギャラリーMUNIで開催中です
私の茶壺と蓋碗、ウエッジウッドも参加中♪
お皿にお椀、お雛様に篆刻に・・・茶道具に留まらない布遊び。
作家さんの自由な心がギャラリー・オーナーの遊び心と相まって、楽しいお祭りを展開中です。
25日(月)まで。私もお祭りに参加中♪

私の茶壺とウエッジウッドもおべべを着せてもらって参加中♪
西洋更紗で和を包む
文房具も・・♪
お皿はお座布団付きで重ねて♪
私の赤絵の蓋碗も、お座布団付けてもらいました♡

2019年3月18日月曜日

XO醬 ジャーン!



XO醬というソース。
1980年代に、香港のペニンシュラホテルの当時の料理長が考案した“最高級”のジャン。
XOは、ブランデーの格付け名から取っているんだそう。
干貝柱に干しエビ、金華ハム、蝦子、咸魚などの旨みを一手に含ませる贅沢なジャンです。 

調味料やタレ、ソースは、なんでも一度は一から作ってみることをモットーにしている私ですが、このジャンには、手を出せずにおりました。だって、失敗したら、損失額も時間も多大だもの〜〜〜。

でも、神田雲林の成毛シェフが雲林バージョンXO醬を丁寧にご指南下さり、チャレンジする気が湧いてきました。
干貝柱を蒸して戻してほぐして揚げて・・・干しエビも、蒸して戻して刻んで揚げて・・・金華ハムも蒸して戻してほぐして揚げて・・・。これらを別々に調理して最後に合わせるのですから、2日掛かりでした。適切に火を通した薬味類や干醗酵塩魚なども加え、味が調和するまで、更に数日寝かせる。いや〜なんとも手間な作業です。

うふふ、でもなんか、それらしいものが出来上がり、気分は上々ですw。
4月の教室では、先週伺った竹爐山房(山本シェフ)のXO醬と一緒に使ってみようと思っております。

思えば、このジャン、とても香港らしい調味料だなと思うのです。
点心や蒸し料理の幅を広げてくれるし、この咸魚の風味がまた何とも香港らしい(!)。

咸魚の作り方を聞いて、益々そう感じるようになりました。
発酵臭を、美味しい風味に変えてしまうところは、日本の「くさや」や「へしこ」、「熟れ鮨」等にも通じるものがあるように思います。

瀬戸内の新鮮な魚をそのままにいただける地の食文化で育った私には、お魚の醗酵味は、いまひとつ馴染まない気がするのですが、小イワシの醗酵食=アンチョビなら(!)

美味しいタレ、ソースがあれば、お料理は限りなくシンプルに楽しめる。

皆に美味しいと言ってもらえますように。



2019年3月13日水曜日

東洋文庫ミュージアム 「インドの叡智」展


“太古のインダス文明にはじまり、マハトマ・ガンディー”を旗頭にイギリスから独立を勝ち取った20世紀半ばに至るまで、インドの壮大な歴史絵巻を紐解く” 展示。

「渡りに船」の思いで駆けつけました。
幸運にも、学芸員のガイドがあり、展示品添付の解説余白談もいろいろ伺うことができました♡

写真は、9世紀日本の世界観が映し出されている古地図。
(*東洋文庫ミュージアムは、フラッシュは禁止ですが、写真はOKなのです。)
インド〜中国〜日本の三国が、この順に大きく描かれています。中央上部には須弥山も(!)
「三国一」というのは、インド、中国、日本の中の1番(ほとんど世界一)のことなのでした。
伝え聞くことと空想の結晶のような世界イメージ図です。

私はこれまで、西洋から食文化を辿ってきたつもりでしたが、インドはどう絡まるのかわからないまま、ここ十年どっぷり中国にハマっておりました。昨今、インドからの風が吹き始めているのを感じていますが、ルーツを辿っていくと、自ずとこういう流れになっていくものなのかもしれません。ちょっと『西遊記』を新たな視点で読んでみたい気分ですw。
私の料理探訪も、きっとこの図に描かれている八方への川の流れのように、またインドから広がってくれることを祈りつつ。


2019年3月8日金曜日

4月の料理教室



ここのところ単発の教室やイベントが入ることが多くなったこと、それからリサーチがあり、時間を確保したいため、今年から自宅教室は、隔月とさせて頂いています。

今年は「定番料理をより美味しく!&真髄に近づく+薬膳1品」をテーマに展開してまいります。

  【内容】
   ・春の補全スープ(薬膳スープ) 

   ・自家製XO醬を使った野菜料理
 
   ・卵料理:
    ブクブク玉子の魚香あん

   ・ごはん

   ・デザート:紅茶湯圓

   ・美味しい中国茶


   4/3(水)満席、13日(土)、14日(日)、 5/11(土)満席
   ※キャンセル待ち受付中

- - - - - です。

尚、NHKカルチャーの方は、4月開講!
今期は「五臓六腑を労う」をテーマに、肝・心・脾・肺・腎、臓腑毎の働きと補う食べ物、料理などをご紹介していきます。



2019年3月1日金曜日

『グリーンブック』と フライドチキン

アカデミー賞受賞の『グリーンブック』が広島でも開幕になりました。
初日は、映画デーに重なって、相当な混雑でしたが、夕方の回にようやく席を得ることができまして、観てきました♪

よくある、人種差別をテーマにした映画の、良く出来た版かな〜と思って、あまり期待しすぎずに臨んだのですが・・・なかなか面白かった!

差別の激しい時代背景が二の次になる位、主人公の二人が魅力的で、友情物語と呼んでしまいたい(!)。ですが、この巡業ツアーが行われたのが1962年ということを思うと、とてもとても、差別の部分を後ろに置くことはできません。
何てったって、61年に、JFKが大統領就任('63年にはダラスで暗殺!)、マーティン・ルーサー・キング牧師の公民権運動でワシントンDCのパレード&歴史に残る名スピーチをしたのは'63年。その間の '62年、KKKによるリンチが繰り返されるような激しい頃です。
NYCから「ひとり公民権運動」のようなコンサートツアーを試みるシャーリーと、その用心棒を「生活の為に」引き受けちゃったイタリア系のトニー。
実はこの二人共、南部のすさまじさを、あまり解ってなかったんじゃないかい??とも思えるちゃう。

人種も生活も身に付けた教養も異なる二人。でも二人とも肝が据わっているし、ぶれない。
シャーリーは、英才教育を受けた教養人。トニーは、目の前のことをどう片づけたらいいか、いつも瞬時に判断できる地頭のよい智恵者。
トニーのような生命力のある人、カッコイイですね♪シャーリーも、黒人にもなりきれず白人でもないという孤独感を受けとめ、ストイックでありながら行動力と勇気を持っていてカッコイイ。

おっと、私の映画の感想などはこれくらいにして、本題の食のテーマに入りましょう。

 お題は「黒人の食べ物(ソウルフード)」。

映画で、黒人のソウルフード、ケンタッキーフライドチキンを食べたことが無いというシャーリーを、トニーが揶揄するシーンがあります。

KFCといえば、カーネル・サンダースのおじさん。あれ?白人じゃない?
ウィキでチェックしたら、ケンタッキー州にほど近いインディアナ州の生まれです。
KFCのチキンは黒人文化には直接関係ないのですが、フライドチキンのルーツには、大いに関係があるのでした。

黒人のソウルフード。それは、南部の大農園主が食べない部位を工夫して美味しく食べる智恵の結晶。モツ肉の煮込みなどはその代表で、フライドチキンも、最初は小さくて骨と皮だけで取り除かれる手羽先や首の部分を使った料理だったのです。フライにすると、軟骨部分なども食べられる上に腹持ちがよかったのです。
南部の農園主は白人です。その白人の日々の料理を作っていたのは黒人奴隷でした。
(この辺は、古くは長編ドラマ『ルーツ』や映画『風と共に去りぬ』などに出てくるシーンでもお馴染み。)ソウルフードは、ご主人の料理を作り、その残り(アラ)で、自分達の「まかない」をつくってきた中で生まれたものなのでした。

「チタリングス」と呼ばれる南部料理がありますが、豚のモツ煮で、これも同じくアラ料理です。
また、コーンブレッドなど、コーンを使ったものは、元々は黒人が、家畜の肥料のエサであるトウモロコシを潰して作ったのが始まりとか。
そんな品々が、南部の郷土料理となっていて、昔('80年代)、NYCのハーレムのレストランにもありました。(今もあるかな?)

それから、NYCのJazzスポットのメニューには、よくスペアリブがありましたが、これもきっと肉を削いだ後の骨に残っている肉を美味しく料理したことが始まりではと思います。

その他、先述のコーンでつくるお粥のような「グリッツ」(マッシュドポテトのように、ドロドロしたのを肉料理などの付け添えにしている)、「ハムホック」(豚足)、OXテールシチューなども、南部の郷土料理となっています。
「白人が食べない部位」という切り口でみると、なるほどそうかも知れないなと思えてくるでしょう?

あと、南部料理の補足として添えるなら、有名な「ガンボ」(オクラのスープ)。
あれは、オクラに臓物が入ります。
クロウフィッシュ(ザリガニ)料理も、キャットフィッシュ(ナマズ)も、南部料理ですが、白人の残り物に加えて、近くの川で採れる魚介を食べていたのがルーツだそう。
更には、アフリカン・アメリカンに加えてブラジルから連れてこられた奴隷もまた、ソウルフードの彩りに華を添えているようです。

私の教室で十八番の「瀬戸内ワタリガニのケイジャン*スタイル」は、黒人の多いフィラデルフィアで好きだったCrab Houseの復刻版。あれも元は、ザリガニ料理だったかも!
もっと言えば、一世を風靡したキハチさんの(かつては無国籍料理としてもてはやされましたっけ)ロブスター料理も、ルーツは南部のザリガニ料理では?と思います。
川魚特有の泥臭さをスパイスでカバーして美味しく食べられるように工夫してあるのでした。

80年代のフィラデルフィアで知ったもう一つのソウルフードに、商品名は忘れましたが「スクラップルス」(そのものズバリ、scraples とはクズ、切れ端、廃棄物の意)というのがありました。「クズ肉でできている黒人の食べ物なのよ」と聞かされ、一度だけ買って家で焼いてみたことがあります。モツ肉やバラ肉を小さく刻んで練って固めた脂っぽいパテみたいなものでしたが、カリカリに焼いて脂を出して食べたら、胡椒が利いてて結構美味しかったのを覚えています。

これまで、知らず知らずお世話になってきた美味しさには、色々なルーツがあります。「美味しいもの」というのは、素材のいいものから作られる正統な料理が王道であることは当然かもしれませんが、こういった人々の工夫で生まれる美味しさもまた一興。
でも、その負のルーツにもちゃんと目を向けておきたい。

さて、今晩のおかずは、フライドチキンのケイジャンスパイス掛けでもやりますか。


2019年2月20日水曜日

マツコの知らない世界 黒胡椒談


「マツコの知らない世界」で、胡椒特集。

料理の98%に胡椒をお使いになるというご夫婦の登場でした。
思えば、胡椒って、暮らしの中で一番馴染みのあるスパイス。
今朝も目玉焼きにたっぷり胡椒を振りかけて食べました。

常々スパイス研究を密かな楽しみとしている私。黒胡椒と白胡椒、+グリーンペッパーの3種を、ミルに詰めて備えておりました。
が! ここ数年は、ゴリゴリ転じて搗き搗き。我が家の家宝、モロッコのスパイス潰し「メヘラーズ」で搗いて潰して使っています。(胡麻でもなんでも、擂るより搗く方が、油分を出すこと無く香りを立たせてくれるのでよい!)
我が家の牛のタタキなどは、胡椒を前面に塗し、気が付けば小振りなローストビーフかペッパーステーキ状態に。

あ〜アディクティブな胡椒。)))

番組で紹介されていた「クラタペッパー」の倉田さんのペッパーは手元に無いけれど、カンボディアの赤胡椒ならあります(写真上)! それから、この前インドから買って帰った印度産(写真左手前)も!!

その他、白胡椒、グリーンペッパー等々、胡椒もいろいろあるけれど、これからは産地にもこだわりたいと思いました。

折しも、敬愛する料理研究家の冬木れいさん、カンボディアに!!クラタペッパーさんをお訪ねになっているころかと思います(!)。お土産話が楽しみです♪