2009年5月24日日曜日

古典料理の滋味

竹爐山房の山本シェフのご協力により、国際薬膳師合格祝いを兼ねた中国古典料理を味わう会が実現しました。

食べ物の持つ氣を取り込むことが、健康の根本であると山本シェフ。
食べ物の氣が最も盛んなのは、やはり旬の野菜たちや新鮮な食材。

さらに、清朝までの宮廷料理というのは、食医に管理された「医食同源」に基づくものであったことから、あまねく薬膳に通じるとして、清朝までの宮廷料理にならう「ホウ膳」(人偏に方と書いて「ホウ」)=「御膳房:皇帝の厨房を倣う」という意味)と言うそう---のお料理を、作って下さいました。

石垣島より届いた新鮮な中国野菜もいろいろに、滋味あふれるお料理の数々に、目から鱗を落としながら舌鼓を打ちつつ食べ進みます。

その中でも、特に歓声が上がった一品「燻火畏(火片に畏)肉(シュンウェイロウ)」は、ブリア・サバランの『美味礼讃』の中国版とも言われる『随園食單』にある200年前のレシピに基づくお料理。


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柔らかく煮込んだ豚の皮付き三枚肉をハスの葉にくるんで燻し焼きにした一品。お肉に滲みた香辛料と蓮の葉の香りがふわ〜っとお口に広がり、何とも言えません・・・。

また、赤児のような肌だったと言われる西太后が、美容のために毎日のように飲んでいたと言われる「胡桃酪」(くるみ汁粉)。


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手間暇の掛かる一品だけに、特別にリクエストして作っていただきました。

滑らかな舌触りと自然で優しい甘さ・・・「酪」という文字が宛がわれていることに思わず頷いてしまいました。 

食材の流通の自由と料理人達の柔軟な発想で、様々な食文化が交差し、垣根を越えた新しいお料理が次々と生まれている昨今ではありますが、長い年月守られてきた味の意味するところの大きさもまた、何かしら感じ入るものがありました。




2009年4月16日木曜日

あひるの舌


東京神田。「藪そば」の斜向かいにある中国料理屋「雲林」で、コースを頂きました。
魚介や野菜も豊富で、優しい味付けで、気に入っています♪

定番メニューの中にも「あひるの舌」というのがありますが、コースではこんな形で、前菜の中に1つ入っていました。

なんだかこの方が形状が浮き彫りになってリアルです。
小さな舌を八角の効いた醤油ベースの甘辛いダレで煮込んであります。
舌の付け根の辺りには小さな骨(?)もあるので、食べるところなどいくらもないのだけれど、小さくも、生き物が食べ物を取り入れる大切な部位・舌の存在感を感じます。





2009年4月11日土曜日

『しあわせのかおり』

中国料理がテーマの映画と聞いて、いてもたまらず見に行きました。

金沢の漁師町。料理人の王さん(藤竜也)が、この店の全てを切り盛りする小さな中国料理店「小上海飯店」。
人気の定食も、王さんが一人で全行程を作っているのですが、ココの定食の内容がいいんです(!)。
肉料理がメーンの「山定食」と、海鮮料理がメーンの「海定食」。
ちょっとボリュームがあるけれど、野菜もたっぷり、鶏の挽肉で取ったスープもが付いて、食べるほどにヘルシーな印象。この定食ならこれなら毎日食べられそう・・・。
定食のお料理がスクリーンに映される度、毎日通い詰めるこの店の常連と、多いに気持ちを重ねるのでありました。

シングルマザーの貴子(中谷美紀)も、すっかり王さんの料理の虜になって通い詰める始末なのですが・・・。

ある日、王さんが脳梗塞で倒れ、後遺症でお店が続けられない状態に・・・。そして貴子は、王さんに弟子入りし、王さんの味を受け継ぐことを決意するが・・・・・。

・・・というストーリー展開を知らされたら、そりゃあ料理修業のシーンに期待するでしょ。

ましてや、この映画の料理指導をした木章さんは、キャリア45年の名点心師。
茂木手さんの「差し替えの手」を楽しみに、映画館に足を運んだのでした。

でも、この部分への期待は、少々ハズレでした。

ジュッ!という高温の鍋の音と共に映し出されるのは、料理や手さばきではなく名優の藤竜也であり中谷美紀のお顔のどアップなのでした(涙)。

・・・ということで、料理人の方々からすると、諸々かなり突っ込まれそうな映画なのかも知れませんが、「秘伝」「技を盗む」なんて言葉が最もしっかり根付いていそうな中国料理界、ここは、あしからず・・・ということか。

紹興酒の町、紹興でのシーンには、昨今の中国関連ニュースに辟易しているヒトも、中国へ旅したくなるかも!? 




2009年4月1日水曜日

『風と共に去りぬ』

シネ“マンマ”番外編

テレビで放映があると、長編にも関わらず、つい・・・つい・・・見てしまう、この映画。

初めて見たのが、確か中学校1年生頃。南北戦争如何など何も知らない当時は、只ただ、主人公のスカーレット・オハラとレッド・バトラーの成り行きを追って見ていた気がします。
映画のパンフレットを買って帰って、キャストの写真をよく見ると、スカーレット役のヴィヴィアン・リー以上にメラニー役のオリヴィア・デ・ハヴィランドが美人なのに気がつき、女の人の「華」というものを初めて認識したのでした。
ここに出てくる黒人の使用人達は、小学校の頃見た『ルーツ』のクンタキンンテから何代目かな~なんてことも頭によぎったかな。

二回目は、高校時代。この時「リー将軍」だの「ヤンキー」「アトランタ」なんて言葉や、当時のアメリカ南部の生活文化もちょっと気になりながら、スカーレットの強さに魅了されたものでした。

それから、何度も何度も、テレビで、ビデオで見ては、アメリカのミスコンで何故南部出身者が強いのか(「お嬢様」スカーレットに通じる貴族的な生活文化の中で培われてきた何かが血に流れているのかも)悟り、アメリカスラム街のはじまりを悟ったり、女姉妹の長女の長男的要素に頷いたり、南部訛りに耳を傾けたり・・・見る度に、何かを発見し、何かが心に響きました。

そして今回は、急遽カーテンでドレスを作らせて着飾り、思い切り気取ってレッド・バトラーにお金を借りに行くところ。女の意地。

金のある男を口説いてお金を借りる為。確かにその通りなのだが、スカーレットは女々しく泣きすがったりして慈悲を受けたりはしないのです。

戦争に負けても、家や土地が荒らされても、着る物食べるのにすら苦労する生活でも「私はタラのオハラ家の長女よ」「南部中の若い男達を虜にしたスカーレットよ」という意地で、少しもすすけたりせず、運命を切り開いていく。そう思って見ていると、このシーンは、健気ですらあります。

南部の貴女の意地が、この物語のファンデーションになっていることに、今頃感動しているのは、ちょっと遅すぎただでしょうか。)))

彼女は美しく、子供のように率直でシンプルで、コンプレックスがないが故に強い。その強さも魅力だけれど、それだけではこれだけの名作にはならなかったでしょう。

何時の世でも、美しい女性はとかくねたまれ、美しいが故の鈍感さを疎んじられる。その鈍さが、天然さが、華に通じていたりもするから皮肉なものです。でも、スカーレットは、コンプレックスがないが故の愚かさよりも、それによる強さでグングン突き進んでナルシスティックにならない。おセンチ考えたりしないから言葉にはしないが、感じていないわけではない。

ああ、やっぱり生まれつきのスカーレット。 


2009年3月28日土曜日

南部せんべい

この名前を聞いて、すぐにその姿形が浮かんだ方なら、このお話、楽しんでいただけよう。

昨今の「これでもか、これでもか」と、創意工夫を越え世に出る変わり種のお菓子に少々辟易している保守派のワタシが、今、ハマっているのがコレ。

歯ごたえ健全、素材の味そのままに、香ばしいこの味わい・・・。

由来には諸説あるらしいが、15世紀に遡り、鉄兜を鍋の代わりにして、蕎麦粉や胡麻を焼き上げたのがはじまりとか。 おつゆに浸す「せんべい汁」という食べ方もあるそうだから、なんとなく戦陣食を連想させなくもない。

シンプルとはいえ、お菓子業界に身を置く巖手屋さん、胡麻、落花生にはじまり、さきいか入り、ホタテ、紫蘇梅、胡桃、林檎、玉葱、納豆・・・と、いろんな種類が開発されているが、何故か初代(?)そば粉&胡麻味は無い。(残念!)

目新しい味の開発はこの辺に留めて、元来の味の復興にも力を注いで欲しいなあ。そば粉と胡麻・・・きっと美味しいはず)))。

さて、先にこの名前にピンと来る人・・・と書き出したが、先だって、薬膳料理として黒ごま汁粉を紹介する機会があり「サプリもいいけど、胡麻汁粉、ゴマ和え、南部煎餅をローテーションして胡麻沢山に食するって健康法はどうでしょう?」と語りかけたのだが「南部煎餅=胡麻いっぱい」のイメージに繋がらない方が多くて素通りとなった。

改めまして、栄養はなるだけ食べ物で摂ることをモットーとしているワタシのささやかな健康法。黒胡麻汁粉、ゴマ和え(こちらは白黒両方使います)、そしてこの南部煎餅。

黒ごまは、肝腎要の肝腎に帰経し、お肌を潤し、髪を黒く艶やかに、そして血を増やしてくれる上便秘予防にもよいという、老化予防対策に万全の食材なのだ。一日大さじ1~2杯の胡麻が健康に貢献してくれるなら、こんなに簡単エコノミーで嬉しいことはない。

なんだか胡麻の健康PRになってしまったが、南部煎餅、ピーナッツ味もお薦め。

ピーナッツも血を増やしてくれる働きがあるらしい。(中医学・薬膳辞典参照)

飽きのこない素朴な美味しさ・・・私にはサプリ煎餅でもあるのデス。




2009年3月26日木曜日

たこ焼き

私の20年来の疑問。
たこ焼きは、何故海外デビューしていないのか。

絶対受けると思うけどな~。

アメリカでヒットしない原因はコストパフォーマンスか?材料の卵やタコか、鰹節か??

卵や魚介類はアレルギー体質の人口比率が多い食材だし、鰹節は振りかけられたのが動く(湯気で揺れる)のを気持ちわるがるらしいと聞いたことがある。
それに確か、オクトパスは、デビルフィッシュと悪魔の使い呼ばわりされていた・・・。

でも、実際にはそんなことが原因ではなく、世界の日本食ブームもまだそこまでではないだけなのかも。その内、タコがエビあたりになって、NYかカリフォルニアあたりに現れるのでは??

そもそも、海外のものなんでもウエルカムな日本人とは異なり、日本以外の人たちは一般に、異文化にはいたって慎重なのだ。それに、”日本”を海外でやるのはコストもかなり割高でとーっても大変に違いない。だから、たこ焼きは、レストランの一品として姿を変えてご登場するかもしれない。

でも、願わくば、屋台のままの姿を見て頂きたい。
型からはみ出したとろとろの生地液を、シャカシャカと太めの箸で纏め、丸く仕上げていく様は、なかなかのものである。箸文化でない人たちが見たら・・・これはもう、ものすごいパフォーマンスなのではないかしら??

そんなことを考えつつ、お箸でタコ焼きをほおばる。

お店の名前は・・・イチロー・タコボールなんてダメかなあ。)))

2009年3月20日金曜日

春の和菓子 その2




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本蕨粉が手に入ったので、ねりねり作りました。
ねばりが半端でないので、コレ、意外に肉体労働(!)。
アクの黒っぽい色と独特のねんばり感が本蕨粉ならでは。

深煎りのきなこでいただきます。