2015年4月28日火曜日

鍋巴(おこげ)


おこげ=中国語で鍋巴(グオバ)。

什錦鍋巴(五目餡かけおこげ)は、みーんな大好き。
この料理の美味しさは、タダでも美味しい五目炒めにおこげの香ばしさと、更にカリトロムッチリの愛すべき食感が加わるところではないかと・・・♡
そんなお料理の完成品を思い浮かべると、地味な下ごしらえの行程も苦にならないというもの。


鼻歌気分のところ、ふと、この「巴」の文字が気になっちゃいました。

ちょっと調べてみると、これ一字で「へばり付く」「こびりつく」「近づく」なんて意味があるらしい。

蒸した糯米を干してから油でカリッと揚げて作る「おこげ料理」でお馴染みですが、この漢字で料理のルーツは鍋にひっついた「お焦げ」を活用したところにあることが分かります。

私達が馴染みの現代の中国料理、同じ名前でもかなり違う代物だったようなのであります。
そもそも、私達がイメージする中国料理にみられる、高温の油で炒めたり、揚げたり、鉄鍋を鍋振りしたりといった熱々の油使いは、14世紀後半、明代あたり以降なのだとか。
そんな料理に使うだけの植物油(または動物性の油脂)は、大量の原料と手間が要り、庶民にはなかなか敷居の高い代物だったし、高温を生み出す燃料(石炭・コークス等)にしても、高温に耐える鉄鍋にしても一般家庭にまで普及するのはかなり時代が下ってからになるのです。

この名前が付いた頃、鍋にくっついたお焦げをどんな風に食べたかはわかりませんが、始末の料理だったにはちがいありません。

今日、ハレの日用の糯米をわざわざこんな風に贅沢に使って作られ、しかも「什錦=十の錦:沢山の具材」と共に提供されるお料理になっているワケですから、現代のおこげ料理には別の文字が宛がわれてしかるべきかもしれませんね。))




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