2016年8月2日火曜日

奈良漬け




何年か前に「もう作らないから」と、奈良漬け名人の叔母からもらったノートがある。
奈良漬け名人になる前の叔母が、名人から習った時の、漬物日記のようなメモ。

7月頭に白瓜を、かくかく塩漬けして、しかじか・・・、さらに粕漬けにして云々…あとは「食べたい」、「食べたい」(ココ、「美味しくなれ」と連呼するところか・・)すると、樽に呼び掛けながら、涼しくなるまで数カ月待つ。呼び掛けのくだりは、ワタシの書き込み分ですが、奈良漬けは、なかなかの長丁場なのデス。

この手間暇…作っていると、ただ者ではない食べものである感が増してきた。
ちょっとネット検索してみると、8世紀、奈良の都 平城京の頃から伝わるお漬け物とあります。上流階級の高級な保存食という位置づけだった様子。
酒粕も、当時はどぶろくのそれ。砂糖も極めて稀少(薬として正倉院に納められていた!)な時代だから、麹で甘さを出し何度も漬け直して作ったに違いない。
む・・・ワタシの夏の自由研究の課題が見つかった(笑)!? 


毎年届く叔母の奈良漬けは本当に美しくて美味しかった(!)。
私がまだ学生時代の頃のことだから、ノートは30年以上も前の内容ということ。
あの頃は、夏の様子も今とはちょっと違っていた気がする…。

叔母から「ノートにある通りに作れば、必ず美味しくできるよ」と言われたけれど、この環境の変化に、何らかの微調整をしたほうがいいかも。

奈良漬けの仕上がりは、下漬けで決まる。
気温が高いので、乳酸発酵がすすむ、すすむ・・・。

この辺が見極めどころかな??

日に当てないように・・・。

さて、日当たりのよいことだけが取り柄の我が家。
樽を抱えて、右往左往したあげく、しばし北東の玄関先に鎮座していただくことに。

日数は足りないけれど、白カビの感じをみて下漬けを切り上げ、本漬けに入った次第。

ドキドキ・・・・。


先日、秋を待たずして、一緒に漬け込んだ胡瓜を引っこ出して食べてみました。
まだ漬かりが浅く色も薄いですが、十分に味が滲みて美味しく頂ける美味しい一品にしあがっているではありませんか!!

ドキドキがワクワクに代わり、この日の晩ご飯、手抜き料理と炊きたてごはんに奈良漬けを添え…いや、奈良漬けに、手抜き料理と炊きたてごはんを添え、どや顔で供すこととあいなりました。

   奈良漬けや 手抜き料理とどや顔添えて

   ああ・・・才能ナシ。(夏井先生にボロクソに言われそう)

下手な俳句(?)はどうでもいいけど、「奈良漬け」は、夏の季語なんです。))


この暑さ・・・お盆を前に、食欲が落ちている方もいらっしゃるかも。ここは、漬かり具合の良さそうなのを選って、お世話になっている方に、暑中お見舞い代わりに、奈良漬け第1弾をお届けするとしよう。
ちょっと製作期間が短くて「奈良漬け」と呼んでいいのかはばかられまするが。

奈良時代からのうんちくと、どや顔だけは添えないようにします。





0 件のコメント:

コメントを投稿