2023年10月15日日曜日

MUNI Carpets オーナー楠戸謙二氏のお話


さて本日は、 MUNI 絨毯ギャラリー広島で、MUNIオーナー 楠戸謙二のトークイベント開催。
私は、録画係と茶話会担当、二刀流の裏方で参加しました。

「出藍」= 青は藍より出でて藍より青し


「弟子が師を越えること」と習った気がするけれど、本来の意味は<学問は中断しなければ、すぐれた効果を上げるということ>と、辞書にはあります。
荀子の、この言葉の前後は、<学問は中途でやめてはいけない。青という色は藍(あい)という草から取るが、その色は元になっている藍よりもいっそう鮮やかな青色になる。氷は水が元になってできるが、いったん氷になると、水よりももっと冷たい>…と。
たまには、辞書も引いてみるものですね。
植物の藍から青を作り出す製法を知らなければ、この喩えは出来ないのでした。))
言葉とその対象がしかと結びついているからこそ、賢者の言葉も、しかと伝わったのではないかと思います。


トークイベントは「MUNI絨毯が出来るまで」がテーマ。

中国明代最高峰の絨毯 “クラシカル・チャイニーズ・ラグ” 。
いったん消滅していたその製法を蘇らせようと、大陸を奔走した20代の楠戸氏。
それは、羊毛(糸)を探し、藍を探すエピソードに始まりました。

植物由来の天然染料。
中国での染料探しは漢方薬の生薬*の産地へ行き着いたといいます。

  ↑
開くと、藍色が飛び込んできます。

やはり藍。それは最初に生み出した色。原点の色だったからなのでしょう。

伝統絨毯、そしてMUNIのアイコンカラーは“ブルー”(!)・

*「藍」生薬名:板藍根  
  清熱涼血解毒・解毒利咽、抗炎症、抗菌作用等の効能。


さて次は、文様について。

様々な吉祥文の中で、ちょっとユニークな「柿のヘタ」の文。
そのデザインが施されたアンティーク絨毯(MUNIのプロトタイプ)も見せて頂きました。
コレです。




柿のヘタ=柿は、音通 が「如意」と似ているため吉祥となったそう。

色とは関係ないですが、柿のヘタも一応生薬なのです。


蔕:
脾胃虚寒、しゃっくり止めや夜尿症に使います。
柿は体を冷やすと言われますが、蔕は温。陰陽の縮図が1ヶの柿の実にも見て取れます。



楠戸氏が大陸を奔走されていた ‘80年代末〜’90年代という時代にも、思いを馳せるひとときでありました。

トークイベント、第2弾がささやかれています(!)

楽しみです。

*「藍」生薬名:板藍根  
  清熱涼血解毒・解毒利咽、抗炎症、抗菌作用等の効能。

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