2008年5月15日木曜日

『ペリー&ハリス~泰平の眠りを覚ました男たち~』展 

於・江戸東京博物館

日米修好通商条約が結ばれたのは、今から150年前。NHK大河ドラマ『篤姫』ともオーバーラップするこの時代。

日本史がこの辺りからグラついた人も少なくないでしょうが、何を隠そう、私もそのひとり。

幕末~明治維新までを連載しているみなもと太郎の『風雲児たち』も、ちょうど今この辺り。このマンガは、関ヶ原に触れ、『解体新書』をはじめ、多くの蘭学者やエカチェリーナと謁見した漂流民光太夫一行、北方領土のこと、日本地図の作成等々、日本が海によって世界と繋がっていることをいち早く再認識した人物らにフォーカスしながら、とてもわかりやすく幕末を描いているので、マンガでセッセとキャッチアップを試みています。(みなもと太郎先生、はやく続きを描いてくださーい!)


展示品は、契約書や日記、絵画といったものが主で、激動の時代の展示にしては全体的に地味な印象でしたが、もうこの時代には、写真もあり、人物像も記録がしっかり残っているので、より具体的にイメージが伝わってきます。

ペリーやハリス。
母国では日常食だった肉や牛乳の調達に大変苦労したようです。
当時の日本では、鶏肉も卵を産まなくなった老鶏のみ食用とされていたので、硬いチキンに大層ご不満だったご様子。自らの養鶏場も試みたが上手くいかなかったとか。
ハリスが体調を崩したとき、牛乳を所望したというエピソードも・・・。このとき、やっと手に入れた牛乳は、今の金額で一升1万円ぐらいだったとか。

お酒も、持参したワインやブランデーなどは、その殆どが進物用で、自らは結構頻繁に保命酒を飲んでいたとか。
※方命酒:福山藩主阿部正弘は、当時老中職で、日米和親条約締結後の接待に、食前酒として保命酒を出している。ペリーの記録にも「大変立派なリキュールで感心した」とあるそうな。保命酒は、ハリスが下田に上陸した時の応接と饗応の献立(以下)にも入っていました。

茗荷    むすび

吸い物   いなだ

保命酒   茶菓子

海老牛蒡  卵とじ

家鴨    冬瓜ねぎ

おにぎり・・・やっぱり日本の国民食なんですねえ)))。



また、贈答に幕府からもらったお菓子の2段重ねには、彩りよくレイヤーにしてリボン状にした細工の細やかな飴や、唐饅頭、難波木目羮等々がきれいに配列され桐の箱に入っている。これをもらって美しさに大変感激したときのことは『ハリス日本滞在記』(坂田精一・訳/岩波文庫)にもあるそうです。

ペリーやハリスが、日本滞在中に、どんな風に日本人を観察し、何を食べ、どう過ごしていたのか・・・なんてことは、教科書には出てこないけど、展示を見ている内に、当時の様子が人物像と共に、徐々に浮かび上がってきました。





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