2019年8月6日火曜日

『間違いだらけの腸活の常識』



本屋さんの書棚、レイアウトのニュートラルな立ち位置は、しばしば読者にとって「ずるい!」となる。特に健康関連書物のコーナーなど、それが顕著なの。
腸にイイコト満載の腸活の本の横に、こんな新刊が! そのウソほんと!? 的に並んで置いてあるのです。

大きな文字に軽快なタッチの見出し。一見軽く読めそうな類に見えて、立ち読みでは済まされそうにない内容故、購入。


たとえ簡単に読めそうな本でも、時間のない私は、更にザッと要点だけ知りたい!
そんな方の為に、エキストリーム・ストリームと行きましょう♪


この本は、他論を批判するモノでも、反論でもなく…要するに、著者の藤田紘一郎先生がおっしゃりたいのは、
「自分の体(ここでは腸!)の声を聞きましょう〜! そしてその声は、体をリセットしたら聞こえてきますよ〜!」ということのようです。

タイトルの「間違い」が示唆するのは、「発酵食品を積極的に摂ることが、体にいい結果をもたらす」という考えで、「"いいこと"とされていることばかりすることが、良い結果になるとは限らない」ということ。

人の嗜好には、脳がほしがるものと、腸がほしがるものがあって、後者が生理的に体が必要とする食欲なんだそうです。
--- そもそも食べ物の好き嫌いを知っているのは「腸」。
「脳はバカで腸はかしこい」バカな脳は「体によいか、悪いか」よりも
 「気持ちがよいか、悪いか」を求めがち。
(→だからジャンクフードや甘い物がやめられなくなる。)

本のオビにある「長生きする人ほど扁食家」という言葉も、その扁食が、「腸の欲するがままに!」のものであるという前提です。
自分の体が分解できないもの=自分が持っている菌との相性がわるいものは、腸が拒絶するんです。そして嗜好として「好きじゃないもの」に。だから無理して食べなくて宜しい…と。

なんだか人間の意志は、まるで腸内細菌が決めているかのような話になってきましたが、あれれ、こんな話、何処か他でも読んだな。。。
ハイ、ジュリア・エンダースさんの『おしゃべりな腸』

人間の生理現象は、脳でコントロールできるような簡単なものではないのですね。))

モノに溢れ、情報に溢れ、私達はアップアップしている。そんな中で、何を買うか、何を食べるか・・・モノや情報を選びきるために、脳を駆使している現状。脳ありきで生きていることの落とし穴を言及する書となっているのでした。
そこを主軸に、最後の具体的提案には、これまでも語られてきている健康的な食生活のための諸々を、改めて列挙してあります。


--- エネルギー源、ミトコンドリア系 v.s. 解糖系
  細胞無いのミトコンドリアで酸素を作ってエネルギーを作る=ミトコンドリア系
  血中のブドウ糖を細胞内に取り込む=解糖系
  50過ぎたら、前者が優先的になる方がいいという提案。

--- 50歳過ぎたら、炭水化物を少なめに、週2回は肉を(野菜と共に!)。
  ホルモンの材料となる蛋白質を!
  体の主成分は蛋白質。20種のアミノ酸(内9種が必須アミノ酸)で出来ている。
  幸せホルモン、セロトニンの材料は「トリプトファン」。   
  体重1キロ当たり1gの蛋白質が目安。
     (肉魚100gには20g, 卵60gには7g, 豆腐300gに20g)

 --- 1日大さじ1杯の酢を摂る。
  腸内細菌が作り出す物質、短鎖脂肪酸を摂りたいから。

 --- 抗酸化食品を摂る。
  マトのリコピン、人参のβカロチン、 赤パプリカのカプサイシン、緑茶のカテキン
  ブロッコリーのゼアキサンチン、ホウレン草のルティン等々がそれ。
  これらはプラス油脂で、吸収力UP。

 ---- 体によい油脂を摂る。
  油脂は、腸の細胞膜を作る材料。必須脂肪酸、オメガ3系:6系=1:4が目安。

 --- 発酵食品を摂る。
  ※偽発酵食品を摂らない!
     味噌、ぬか漬け、ヨーグルト(人によって相性が異なる)、納豆、みりん酒、かつお節


--- 免疫力を高める食品を摂る。
 腸に70%以上集中している免疫細胞を活性化させる。
 キャベツ(イソチアシネート)、ニンニク/玉葱(アリシン)、大根、山葵、菜の花、ブロッコリー等々。コレラは血液サラサラ効果、体悪玉コレステロール

--- 食物繊維が豊富な食品を摂る。
 水溶性食物センチと不溶性食物繊維それぞれ必要


ああ・・・こんなに書いたら、全然ストリームじゃないですね。
本を読むのと変わらないじゃないかとお叱りをうけそうです。
でも、これだけ読んだら、本を読みたくなってくるのではw?


読み終えた印象は、編集さんの売れて欲しい気持ち溢れるカバーにタイトル、見出しに反してそれほどの奇抜な内容ではなく、おしなべて真っ当な理論の展開。
栄養科学談も、ごくごくシンプルに解説してあって、すぐに実践に活かせるようにという優しさたっぷりのご本でした。

押さえるべきツボは押さえつつ、ほどほどいい加減が健康の秘訣かも??
(^_-)-☆

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