2011年4月4日月曜日

エビチリ

エビチリって、意外に難しいお料理。
ちょっと火が通りすぎると、海老が縮んじゃうし、もたついてると、チリソースが煮詰まってしまうし・・・。
昔、四谷の済南賓館で食べた「ほんとうのエビチリ」と言われて出されたエビチリには、ケチャップが使われていませんでした。
エビチリの赤は、唐辛子と海老の赤。海老を殻ごと鍋肌でカリカリに炒り焼いてから酒・調味料を絡めていく別物のお料理でした。(ちなみに、殻ごと・・は、海老が冷凍じゃなくフレッシュなものでないと上手くいかない気がします。)
「ケチャップはおろか、トマトなんて中国にはもともと無かったの」と、済南賓館の料理を作る佐藤孟江おばあちゃん。
孟江さんは、文革前の山東省済南で料理修行し、砂糖が貴重品だった頃からの伝統的料理を知る数少ない料理人でした。国交が回復してからは、中国から招待され、伝統料理の立て直し(文革では料理人たちもかなりやられてしまった)にも貢献したそうで、彼女の波瀾万丈な人生は本や映画にもなっています。
酢豚と並んでお店の味と個性の指標にもなりうる定番料理のエビチリ。
我が家の味も、それなりにこだわってみたいな~~と、いろいろやってみているところ。
海老の頭のところに味噌がたっぷり入ったのが手に入ったときに、殻と頭で旨みを出して(「一物全体」ですよ!)、海老味噌入りのチリソースベースを作っておき、それをベースにパパッと作る。ハイ。ええ、やっぱりケチャップは使いました。レモングラスも少々。
伝統料理にはほど遠いけど、多文化融合のエビチリもまた、うれしからずや。

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