2019年5月5日日曜日

ポルトガルのお菓子(マカオ) 1

食談儀へ入りたいと思います。

ポルトガルといえば、やっぱりお菓子のお話から。日本にも浸透しているカステラや金平糖、ボーロなど、これら皆ポルトガルから伝えられたもの。

植民地からもたらされる砂糖やスパイス、果物などで、お菓子文化花開いていた欧州から、キリスト教と一緒に伝えられたお菓子達。甘いものでまずは胃袋を掴んで、布教活動ということなのでしょう。当時、織田信長がキリスト教の布教を容認したのは、宣教師、ルイス・フロイスが献上した金平糖が美味しかったから・・・なーんてことがあったかどうかは解りませんが、大いに好奇心をそそられたにちがいありません。

ポルトガルのお菓子、まずはカステラから。

カステラの原型は、パン・デ・ロー(PÃO DE LÓ)というカステラよりもふわふわしたケーキです。 では「カステラ」という名前が指すモノはどんなお菓子なのでしょうか?

「ブロア・カステーラ(Broa Castelar)」というお菓子が、マカオにありました。
カステラという名前の方のルーツは、こちらのお菓子ということです。
アーモンド、オレンジ、ココナッツ、蜂蜜、卵、スウィートポテトの餡には、ほのかにシナモンが香ります。
餡の密な濃さと、油脂と小麦粉の皮の感じが、ちょっと月餅のニュアンスにも近い。だから月餅好きの私はこのお菓子を直ぐに気に入りました。紅茶の気分の時も、中国茶が飲みたいときにも、どちらにもフィットする懐の深い美味しさ♡。お菓子の中の西洋と東洋両方のニュアンスを持つ魅力的なお菓子です。
マカオのブロア・カステーラ
カステラの名前の由来については、ポルトガルの歴史に触れた後で追記することにします。

今日はもうひとつ、ブロア・カステーラと印象が重なる琉球菓子をちょこっとご紹介しておきます。



「桔餅 / 橘餅(きっぱん)」

『琉球菓子』安次富 順子著より「きっぱん」

桔餅(きっぱん)は、三百年ほど前に中国の福州から沖縄に伝えられたといわれています。
『琉球菓子』(安次富順子・著)によると、18世紀初頭までは中国からの琉球王国へのお土産として取り扱われていたお菓子だそうですが、やがて琉球でも作ることが出来るようになり、琉球菓子として定着していったといいます。

ブロア・カステーラとちょっと似た印象なのですが、こちらは元大陸のお菓子で、ブロア・カステーラはポルトガルのお菓子。
地球の反対側に、あるいは反対側から伝わった・・・ということは、ちょっと考えにくい気がします。歴史を鑑ると、用の東西を問わず、人間は何千何万キロ離れて同じようなものを同じような時期に考えていたりすることが多々あるもの。誰かが伝えたとか、どちらが先かということではなく、お菓子にもそんなことが起こったのかもしれません??


琉球菓子や鹿児島のお菓子には、中国や韓国から伝わったらしき気配がムンムンするお菓子が多いですが、ボーロやカステラは、時代も少し下りポルトガルから伝わったもの。
この時代の琉球や鹿児島のお菓子もあわせて見ていきたいものです。


さて、久しぶりに、きっぱんを取り寄せ、“ニュアンス” を味わいましょうかね♪


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