2006年1月28日土曜日

『モンドヴィーノ』

英題: MONDOVINO 製作年: 2004年
監督・撮影・編集: ジョナサン・ノシター
出演・ミシェル・ロラン, ロバート・パーカー, ユベール・ド・モンティーユ, エメ・ギベール, ニール・ローゼンタール, マイケル・ブロードベント ジャン=リュック・チュヌヴァン

果たしてワインに今、何が起こっているのか。
ワイン業界の今。グローバルな味 V.S. テロワールを大切にした自然派ワインの論議をテーマにしたドキュメンタリー。でも、映画『モンドヴィーノ』は、ただ、味のグローバリゼーションについてではなく、アイデンティティとは何かを提議している。
”現代的センスをもつ人たちのワイン” を造っていると自ら語り、世界を飛び回るワインコンサルタント、ミッシェル・ロランと、100点満点でワインを評価するロバート・パーカー。科学の力で造られた 「美味しさ」、安定とマーケティングが生み出す富。
一方で、土地を愛し自然と対話しながらワインを造る醸造家たち。彼らの言葉は、合理性を追求した現代の消費生活に飲まれ、アイデンティティを失っていく現代人を、そして経済優先の社会を憂いています。

「人間は、怠け者になった・・。」

「自由に考える伝統、一方的なものに疑問をもつ自由があったのに・・・」

「偉大なワインを造るのは詩人の仕事だ。」

「最近やっと(ブドウの木と)会話ができるようになったの」

「違うことを楽しみ、受け入れる姿勢が、いいワインを生むのだよ」

「自分の”良い”を押しつけるのは・・・」

「ブランドとは、アングロサクソンの文化だ」

「ワインは造る人に似るのよ」

「貧しい人々の権利より、より良い生活の追求がいいのか」

「何世紀も孔子を信じていた人々に、キリスト教を布教しようとしたんだ・・」

「人もワインも、土や気候と形而的に関わっているものなのだよ」

「ワインを造ることは人生の知恵・・」

さりげなくもグッとくる信念の言葉が沢山出てきました。
“テロワール”。地域性、風土、気候、地形、地質、土壌など、その土地のあらゆる現象との 密接に結びついたその土地ならではの概念。
多様性を理解する為に必要な要素は全てテロワールにある。
「テロワール」。マータイさんの「もったいない」に並んで世界の公用語にしたいものです。