2006年7月17日月曜日

神保町の紅茶やさん

神保町に出掛けました。

コンビニやチェーン展開のドラッグストア、前払い性のカフェ等に取って代わられ寂れゆく地方都市の商店街に比べると、神保町のすずらん通り商店街は随分元気に見えます。その商店街の中程に、ゆっくりくつろげる紅茶屋さんがあります。ついつい余分に買ってしまった古本を抱えて入りました。

この紅茶屋さん、1974年創業TAKANOといって、日本で初めての紅茶専門店だとか。

飲食店の客の回転をよくするには、座り心地のよいイスをあえて使わない、落ち着かない空間にする、という手法があるそうですが、TAKANOさんは、イスの座り心地のいいこと(!)。

背もたれのカーブ、丸いクッション付きの座部。地下にあるという設定も外から隔離された感じでくつろげます。

400円なのに、紅茶がポットで出てくるのもうれしい。店内のマガジンラックには、『ナショナルジオグラフィック』『ニュートン 『釣りニュース』などの雑誌と、Takanoのウェブサイトをプリントアウトしたファイルが置いてありました。

ウェブサイトのファイルをめくると、

”(前略)イージィでチープな消費生活が蔓延しておりますが、丁寧な暮らしの中から微妙な味の違いがわかるものです。子供の頃から ファーストフードやコンビニの味になれてしまうと旨味のある渋みやほのかな香り、えぐみ、苦みの持つ旨さが判らなくなってしまいます。丁寧な暮らしをすることは決してお金をかけた贅沢な生活をする事とは違います。
紅茶の場合ですと、ペットボトルや缶入り紅茶を飲む習慣を改めリーフティーをポットで点ててみるということです。約2~3分よけいに時間がかかりますがその精神文化は全く違うものになるでしょう。”

ーーーとあります。

贅沢な暮らしではなく、”丁寧なくらし” 。

こんなお店で、渋みのあるお茶を頂くと、うだる暑さもふと忘れ、時間も止まり、読書のページが進むのでありました。