2015年1月20日火曜日



  

Sunny 鳳梨酥

鳳梨酥(オンライソー/フォンリースー)

2015年最初の料理教室では、「女正月」ということで、お茶と一緒にいろんな点心を楽しんで頂く趣向にしています。
最後の甜味にはコレを。微熱山丘 (SunnyHills)の鳳梨酥(パイナップルケーキ)。

以前、台湾でいろんなお菓子屋さんのいろんな鳳梨酥に出会って、食べ比べをしたことがあります。
一緒に頂くお茶にもよりますが、私の好みは中国菓子らしさを色濃く残し、餡に冬瓜、皮にラードを使ってあるバージョンです。沖縄のちんすこうのようなサクサクの軽い皮に、冬瓜のペクチンで纏まったパイナップルの繊維、控え目な甘さと油分がなんともいえず中国茶に合うのでした。

その時のお土産には、ちょっとモダンで素敵なパッケージの国賓大飯店(アンバサダーホテル)の鳳梨酥を選びましたが、こちらはなんと、皮にクリームチーズ使われていてほんのりチーズ味。チーズとパイナップルのゴールデンコンビが多いに活かされ、「パイナップルケーキ」と呼ぶに相応しい洋菓子風の代物でした。ちょっとストロングな紅茶で頂きたい感じ。

そして台湾のNO1人気、この微熱山丘 (SunnyHills)の鳳梨酥!
いつの間にか、日本上陸済みでした(在・青山)!!
バター生地のサクサク皮に、1ケに1/8ヶ分のパイナップルを使っているというパインいっぱいの繊維質なフィリング(餡・・というよりフィリングという言葉が相応しい感じ)で、一口食べると、パインの甘酸っぱさが、南国台湾のパイナップル畑へと誘います。

因みに、港町、呉の天明堂さんには、鳳梨萬頭というのもあって、こちらはとっても「あんこ」なイメージ。(パッケージはこちらの方が中国風)広島人には馴染みですが、呉にお出かけの折には是非♪




2015年1月11日日曜日

ざくろ  How to eat pomegranate....


How to eat pomegranate....

ザクロ。剥きながら食べるか、剥いてから食べるか。。。
全部剥いて、なんだか妙な達成感。
口いっぱいほおばってみよう♪


ザクロは、一時食べる女性ホルモンなんて言われていましたが、一連の健康食品ブームの流れの中でのの広告的表現(実際には、可食部にエストロゲンは検出されていない)。ただ、ビタミンC,ビタミンK、カリウムなどを豊富に含む果物で、その赤い果肉には、アントシアニンやタンニンなどのポリフェノールが豊富で抗酸化作用は多いに期待できる食べ物であることは確か。

そのことには感謝しつつ・・・やっぱりザクロの面白さはプチプチ小さな実を食べる過程にあると、私は思うのであります。実を潰さないように皮を剥いて、潰さないようにやさしくポロポロはずして・・・その小さな実(ほとんど種・苦笑)の僅かな果汁をチュッチュッと口の中で吸い出すように食べる。一連のコレが、なんだか童心に返るというかなんというか・・・楽しいのデス。
木の実を食べているという感覚、食料を調達するには努力がいるというこの感じ・・・なんだか古代人に還ったみたいで「そうよ、そう。簡単にお腹いっぱいになれる現代人が忘れてはいけない感覚よ」なんてね。ちょっと大げさかな(苦笑)。

まあ、そんな古代人の食料への執念を感じるのが、ザクロの皮。

ザクロの皮が薬用につかわれているという事実。
【写真下】は、モロッコの薬香屋(薬局とスパイス屋が一緒になったようなお店)で、売られていた乾燥石榴皮。
条虫(サナダムシの一種)や蛔虫なんかの虫下しに、煎じ液や粉末を服用するらしい。
慢性の下痢にも、肉桂やニクズク(ナツメグ)などと一緒に・・・らしいが、なんだか想像するだけで服用が辛そう・・・(渋そう!)。
化学製品が無い時分は、自然界のあらゆるもの〜現代で私達が「生ゴミ」とするものまで〜を臨床対象にしてその効能を探り出していたのでしょうねえ。)))。
いや、昔のひとには「ゴミ」なんて概念はないのかもしれない。自然界のものは全て何らかの役目があるという前提のもと、「生ゴミ」も「枯れ葉」も、肥料にしたり、薬にしたり、いろいろに役立ててきたのかも。

そんなことに思いを馳せつつ、ザクロを剥き剥きポロポロ食べる。





 *柘榴(ざくろ):性味/帰経:温・甘・酸・渋 / 肺・肝・胃・大腸・腎
          収渋類:生津止渇(口の渇き・声嗄れ)
              収斂止瀉(慢性下痢)
              殺虫(寄生虫)

 *柘榴皮(せきりゅうひ):性味/帰経:温・酸・渋 / 肝・胃・大腸

          収渋類:渋腸止瀉(慢性下痢。脱肛)
              駆虫(腸の寄生虫)