2022年2月24日木曜日

蕗の薹(ふきのとう)のお味噌汁


味噌汁の具の中で、蕗の薹とお揚げのお味噌汁が一番好きなんです、私♡

ついでに2番は筍の先っちょの柔らかいところとワカメのお味噌汁。

その季節、毎日でも大歓迎のご馳走です。

・・・と言ってから、はて、味噌汁はご馳走か?? という考えが頭をよぎりました。

「ご馳走=贅」のイメージだと、ご馳走とはいえないかもしれませんが「ご馳走=価値のあるモノ」と考えれば、これは確かにご馳走なのであります。


土井善晴先生のご本『一汁一菜でよいという提案』(2016)には、「贅と慎ましさのバランス」「暮らしの寸法」などという言葉が出てきます。確か、前者はハレとケの話題の時の言葉だったように思いますが、一品の中にも贅と慎ましさが共存しうるのでは??・・・と、ふと思いました。
ふきのとうのお味噌汁も、筍のお味噌汁も、山里から遠く離れた街っ子の暮らしには、贅沢な存在です。
そう、日常使いの作者不明だった焼き物が、アートの位置づけとなる民芸のように。


あ〜〜〜・・この香り♡
春だなぁ〜〜♪))))))))



『一汁一菜でよいという提案』には、シンプルな一汁一菜で、十分建康的食事になりますよ〜、気負わない料理でいいのですよ〜〜という優しいメッセージが込められている。

この中で、土井先生は「家庭料理は和食の民芸」とも。
「民芸」の本来の定義民衆の生活の中から生まれた実用的な手工芸。民俗性・郷土色を反映し、素朴な味を持つ)に従った表現。家庭料理は実用の食で、郷土料理もこれに相当すると思います。
「民芸」も、ハクが付けられ高価な骨董となっているものが少なくありませんが、気取らない暖かさが魅力です。
変化に富む気候、季節との折り合いを付けた日本の食文化を、気負わず家庭料理で楽しむ。
季節のお味噌汁も、そんな位置づけの一品だと思う次第♪
 

2022年2月14日月曜日

St. Valentine's Day  カカオ・ココア・チョコレート ①

ココアは、薬品か食品か?


16〜17世紀、ヨーロッパでは、こんなことが宗教的論争になっていたらしい。

カトリックにはイースター(復活祭)の前に断食する習慣があるが、断食中でも「薬品」は、摂取可。また、「液体」はOKという。
そこで、ココアは薬品か、食品か? そして液体か、個体か?- - - - の議論というわけ。
聖書にもない新しいものと向き合う戸惑いも見て取れる。


この時代、砂糖、お茶、コーヒー・・・そして「新大陸」からもたらされる新しい産物 カカオも相当な高級品であると同時に、健康維持に役立つ代物という認識で受けとめられていた一面があるようです。
カカオを加工してココアとして飲み始めたのは、いち早く中米に植民地を築いたスペイン、ポルトガルなのだそう。同じく中米植民地からの砂糖も加えて作るココアは「高級滋養食」として、カトリックの国々に浸透していきました。
フランスやイタリアにも、この経緯で普及していったのでしょう。

メキシコには、イエズス会が経営するカカオ農園もあり、教団の運営資金にもなっていたとか(!)。


さて、今年のバレンタインは「 “高級滋養食”ココア」でお手軽に済ませよう♪…と思ったのでですが…チョコレートの誘惑は、エデンの園のリンゴの如し。
禁断の果実 (「食品(固体)」になったカカオ) を食べたので、楽園追放w 
厳しい世の中をガンバッテ生きるか。

「薬品」ですw

「食品」となったカカオw
(マロニエ)




禁断の果実?

2022年2月10日木曜日

3月の料理教室

2022年。
最初の教室が、3月になってしまいました。
コロナが今月中にコロナがピークアウトしてくれることを祈りつつ・・・
3月は、春支度の代謝アップメニュー「薬膳火鍋」いきます!
コロナが怪しい中でいきなり「鍋」ですか? とお叱りを受けそうなので、念のため解説しておくと、お家でお鍋にもできる薬膳ピリ辛スープ」として召し上がって頂きます。


「火鍋」は、2019年の夏に、チャイニーズスパイス使いと共に、ご紹介していますが、今回は「火鍋2」。ちょっと異なるバージョンにて。
日常的にスープとしても、麺料理としてもお楽しみいただける一品です。

そして、具材には、水餃子を作ります。久々の餃子です♪ 

そして、今回のエッセンシャル食材、花椒(ホワジャオ)♪

自家製花椒オイルをご紹介し、美味しい白菜炒めを召し上がって頂きたい!
冬の間中散々食べたであろう白菜のフィナーレの食べ方に相応しいお味と思います。

「シンプルなお料理を美味しく作る」

2022年は、このことを底辺に置きつつ、展開して参りたいと思います。
お付き合いの程、どうぞ宜しくお願い致します。


  ●テーマ花椒香るお料理

 ●日時: 3月5日(土), 6日(日), 12日(土) 13日(日)   10:30 ~ 14:30  
       
 ●定員:各5名 

 ●内容:
   ・ウェルカムドリンク  アーユルヴェーダの “葛根湯”
   ・花椒香り油でつくる美味しい白菜炒め 
   ・火鍋風・薬膳スープ   
     +餃子で食べる野菜(水餃子)&肉餃子
   ・デザート スパイスオレンジ 
   ・食後のスウィーツ&ティー:軽羹と台湾烏龍茶

   ※ 花椒香り油&香辣火鍋ダレ小のセット お持ち帰り用ご用意します。

※尚、上記の内容は、2月中にピークアウトできるという、希望的観測のもとのご案内ですが、兆しが良くない場合は、午後13時半時開始のお持ち帰りスタイル、または延期となることもあります。


2022年2月4日金曜日

ちりめん山椒


ちりめん山椒。

ちりめんは瀬戸内、山椒も他所。(和歌山、高知etc.)
なのに何故、京都のお顔をしているのだろう。
そして何故名前が織物の名前なのか。

 
「ちりめん(じゃこ)」は、ごく小さな魚を平らに広げて干した様子が、細かなしわをもつ絹織物のちりめん(縮緬)を広げたように見えることから、この呼び名が生まれたらしい。(wikipediaより)
そして「じゃこ」は、雑魚(ざこ)の訛り。

ちりめんじゃこ=縮緬雑魚。

「雑魚」とよばれるこの子達の未来はカタクチイワシであった。
まだ鬼を祓う匂いもないウイヤツ。

瀬戸内 音戸ちりめん、京都にしてやられてなるものか!
……と、つい気合いが入る。

  * * * * * 


さて、「ちりめん」の難を逃れ大きく成長できた鰯は、節分に、その焼く臭気で鬼を追っ払ってくれるらしい。
とげとげの柊の枝に焼いたイワシの頭を刺して玄関にかざるのだが、流石にこちらは実践している家を見かけたことがないw。
節分の柊鰯は、平安時代からの風習らしい。尖ったモノや臭いものは魔除けになるとされ、雛祭でも菱餅が、その役割を担っている。

季節の節目を告げたとはいえ、まだまだ油断ならない寒さ。
今日的には、イワシのDHA, EPAで血液サラサラにして血流をお助けしようじゃないか、なーんて解釈もできるが、落語「目黒の秋刀魚」しかり、高貴な方々は、このようなお魚は召し上がらなかったことでしょうから、庶民の儀式なのかなー??  

伝承料理研究家の奥村彪生先生、教えてくださーい。


ともあれ、栄養価の高い鰯は、今も昔も無病息災に直結デス。



メモ
縮緬の技法は安土桃山時代の天正年間に、中国から堺に伝来し、京都の西陣に伝わり江戸中期には銘品になります(京丹後ちりめん)。『水戸黄門でもお馴染み、新潟の越後ちりめんも知られています。
ちりめん(じゃこ)という呼び方は主に関西エリアで、東京では「しらす」とよばれます。