2022年9月26日月曜日

王冠 の宝石

 大英帝国王冠  The Imperial State Crown


イギリス版、三種の神器のひとつ。
王冠に填め込まれた宝石の数々は、贈答品であり戦利品。
王冠は、大英帝国の栄華の象徴。そして、歴史絵巻。

英王室所有の宝石には、元植民地からの返還要求もあるのだそうで。

11世紀、エドワード懺悔王ウェストミンスター寺院を建てた王!)が所有していたサファイアとか・・・
14世紀、英仏百年戦争の渦中、カスティーリャ王(現スペイン)ペドロ1世からエドワード黒太子(1330年 -76)に贈られたルビーとか・・・
16世紀、教皇クレメンス7世(あの、ヘンリー8世を破門した教皇!)がカトリーヌ・ド・メディシス結婚の祝いに贈った真珠とか・・・
20世紀初頭、当時植民地だった南アフリカで発見された世界最大のダイヤとか・・・
19~20世紀、インドシーク王国やムガール帝国)のマハラジャたちの宝石も?!

重さ、910g もあるんだそう(!)。

ドキュメンタリー映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』(八丁座で上映中)でも「My neck will break…!/ 首が折れそうなの 」…と。
あれはジョークではないな。

王冠の重みもさることながら、歴史の重みもズシリと女王の頭上に圧し掛かったことでしょう。


写真は、昔メトロポリタン美術館で購入した図録より。
宝石を産する国のふんだんな宝石使いにのけぞってしまう。
ストーン・パワーともいいますが・・・
こんな豪華なものを身に纏うには、纏う側にも石に負けない気力・体力・気迫…等々相当なエネルギーが必要でしょうね。。。

石のパワーに助けられるのか、石と張り合うのか??

特に大柄なものは、マハラジャたちのターバン装飾に使われていた様子。
このすさまじく豪華な宝石に負けることなく堂々足る佇まい。
良くお似合いだこと。



















2022年9月18日日曜日

10月 料理教室


  テーマ:油脂考察と揚げものレッスン♪


  汗を沢山かいた夏の後は、乾燥肌になりやすいとか。
  現代人が油脂不足なんてことは、まず無いでしょうけれど、その昔、
  確かにあった、油脂不足(!)。
  
  あっさり揚がる揚げ方、そしてあっさりいただけるレシピをご紹介します♪


  ● 日時:10月1(土),  2(日)   8(土),  9 (日)


  ● 内容:

   ・開胃&潤いのスープ (火照りを取るスープ)

   ・揚げ春巻きバラエティー
     エビ・ピータン・茄子・チーズ etc..

   ・むかごの一品

   ・五子粥

   ・美味しい中国茶

   ・潤いの黄金デザート

2022年9月8日木曜日

中秋節:月のお話

 中秋節。日本、中国それぞれのものがたり


日本では、月で兎が餅搗き。
中国の神話伝説では、月には金木犀が咲き、ヒキガエルがいて薬を搗いていると伝えられ、中秋の名月が美しいのは、月の金木犀が満開を迎えているからだという。

ところで何故ヒキガエルなのか。それを探ると中国版 古事記の『淮南子』、嫦娥奔月(じょうがほんげつ)/ 嫦娥月へ登る  へと導かれる。
各地の民話をまとめた物語故、ネットでググったりすると「諸説あり」が入り乱れ、矛盾のドツボにハマるのは必定。一筋縄ではいかなそうな気配ムンムン。
かなり手こずるが、大切りするとこんな感じになろうかと思う。
(※『淮南子』の原本を読んだわけではないので、これもまたかき集めのちゃんぽんになってます。)

まず、そのヒキガエルは、仙女だった嫦娥(じょうが)なのである。
嫦娥の夫、后羿(こうげい)は、弓の名手で、なかなか男前だったらしい。
この時はまだ結婚しておらず、※嫦娥さんが数々の求婚相手の中から后羿を選ぶという話もあって、その部分がかぐや姫に取り入れられているとも。嫦娥さんについては悪女説といい女説があり。

あるとき、天界に太陽が10ケも現れるという異常事態が発生し、地上は灼熱地獄に。
天帝(東王父)の命で后羿は、9つを射落とし、再び太陽1つの世となり平穏を取り戻した。
世を平定した后羿に、西王母(せいおうぼ)は、褒美として不老不死の薬を下賜する。
(ココ、后羿が不老不死の薬を手に入れる経緯に諸説あり。)

ところが、名を上げ出世した后羿は、だんだん横暴になっていったので、妻の嫦娥は、こんな男が不老不死になったらたまったものではないと、后羿が賜った不老不死の薬を盗んで飲んでしまう。嫦娥さんいい女説では、全然違う展開になる(末尾のリンク参照)ので、これは悪女説なのかな

西王母は、自分が渡した薬を盗んだ嫦娥をお咎めになり、ヒキガエルして月へ追放してしまいます。天界を追われた嫦娥は罪滅ぼしに(盗んだ薬を返すために)月でせっせと薬草を搗いているのだという。
・・・とまあ、細かいところを言及せずに流すとこんなお話なのだ。



おやま、月と下界は天上界の流刑の地なのか。)))
楽園を追われるアダムとイブしかり、地上とは苦しみの多いところという認識は東西共通なのですね。

『西遊記』では、孫悟空が西王母が所有する不老不死の仙桃を盗んで下界に降ろされたという設定だった。猪八戒も、天上界で嫦娥さんを見初め、ストーカーしたことが訴えられて、下界へ追放処分となったということだ。(法政大学比較文学者 王敏 「中国「花」文化ー桂花考ー」より)。

『西遊記』に出てくる豚・猪八戒は、三蔵法師に拾われ天竺への長い旅路をお供するとなるのだが、これは明代(16世紀)になってから承恩(1504?- 1582)によって書かれた白話小説での展開。※猪八戒も后羿も、美しい仙女 嫦娥さんに猛アプローチを掛けていたのだ。「猪突猛進」という言葉はそんなもうアタックぶりも彷彿とさせる(!?)。

この『西遊記』の時代背景は、三蔵法師=玄奘(602 - 664)の頃。唐前期(李世民〜武則天の頃)。日本が倭国から日本になった奈良〜平安の遣唐使全盛期である。
そして『西遊記』は、玄奘の記した旅の記録『大唐西域記』(646) が基となっている。
猪八戒も后羿も、仙人という設定なので、タイムラグはひじょ〜〜に長いのだ。(だからいかようにでもムリクリ辻褄合わせが出来てしまう民話w)


中国のあんなそんな物語が日本に伝わり、日本社会のいろいろに置き換えられメタファーが盛り込まれて「竹取物語」になったともいわれている。ジブリの 高畑 勲監督の映画タイトル「かぐや姫の物語〜姫の犯した罪と罰」も、なるほど意味深だ。

さて、中国版の物語は、何のメタファーなのだろうか??
中国の神様だの仙人だのを紐解くのは私にはハードルが高すぎるが、こんなことも想像できる。


后羿が射落とした9つの太陽。
それは、天帝(東王父)の10人の子供の跡目争い!?

天帝の時代、それは、殷、周、春愁戦国と始まる中国年表の、その殷の前、中国最古といわれる王朝「夏」の頃ではと言われていて、皇帝と神話の神がオーバーラップしているような時代。(日本の神武天皇みたいな感じかな。)地図上では、洛陽や開封といった多くの王朝の首都が置かれた黄河流域を含むエリアにあったようだ。

天帝=東王父に対して西の西王母。西王母は、崑崙山いるという。
崑崙山は、遠くタリム盆地と青蔵高原の狭間にある崑崙山脈のことではなく、中国古代の伝説上の山で、黄河の源流辺りだと考えられていた。いわゆる桃源郷のイメージもこの辺りで、玉を産み、不老不死の水が湧くその地に、女仙人西王母が暮らしていると考えられていた。

「兄弟の争いを平定して参れ」と帝の命を受けた軍師后羿は、“平定ではなく結局9名を死に追いやる結果となってしまい、息子達を殺された東王父に「そこまでやれとは言っとらん!」と疎まれた??(wikiにはそういう結末の説も。←中国ドラマをいろいろ見る限り、そんな情めいたことは一切無かったろうと私には思えるのだが。)
また、10人の皇子は皆母違いで、西王母の子供のみが、生かされた「太陽」だったことで、后羿は母西王母から、褒美を賜ったとか?  

天下平定に大奮闘した后羿の働きが帝に評価されなかったことで、后羿と嫦娥は、天界=都を離れて、月=田舎で暮らし、華やかとはかけ離れ、豚とヒキガエルのようになっちゃった……なーんてねw??  

逢蒙殺羿(ほうもうさつげい)


こんな故事があるそうです。
弓の名手だった后羿は、弟子で家僕の逢蒙(ほうもう)に弓の手ほどきをしてやっていた。
逢蒙は上達し、やがて自分は師、后羿よりも上だと考えるようになった。
后羿がいなければ自分が「天下一」。野心を抱いた逢蒙は、后羿を殺してしまう。
そこから、身内に裏切られることを「逢蒙殺羿」と言うようになったのだそう。転じて、弟子や友人はよく選ぶべきだという教訓でもある。
どうやら先の私の妄想「田舎に引き込んで豚のようになった(チャンチャン)」は、早くもハズレということか。

語り継ぐ人の「こうであったらいいのにな」という思いにストーリーも盛られ、伝説というものは果てしなく広がっていき、今日の私達を悩ませるのでありまするなあ〜。)))


嗚呼、今や「嫦娥」は中国の月探査ロケットの名前。
千年の伝承を打ち砕く月の真実を明かすロケットの名前になろうとは。


聘珍樓のサイトには、「嫦娥いい女説」のお話が載っています。
切なさもあって、この説なら「竹取物語」に通じるところ多々ありかなという気がしますデス。