2017年7月31日月曜日

オランダ茶会

「望遠鏡」と名付けられたお菓子は、サフランと洋酒が香り、
最後にピリッと胡椒の後味が残る。

石見銀山の重要文化財熊谷家住宅で、銀を通じてつながっていた平戸 × 石見 × オランダがテーマのお茶会。

オランダのクリエータ—によるデザインを、平戸の菓子職人が仕上げたというお菓子たちは、ユニークな折衷のお味。オランダ東インド会社が交易したであろうモノが散りばめられたお菓子の数々には、大いに魅了されました。
コレ、平戸藩松浦家に伝わる「百菓之図」が、発想の起点とか。

大名茶鎮信流は、真・行・草の「行」をいくお茶だとのこと。
本質を押さえつつも今流をーーーー。

そして、控えの間の設えには、こんなお軸が♪
花器にはインドの真鍮のスパイス潰しが・・・!

「楽弐」=らくに。
「まぁひとつ楽しんで下さいな」

そんな軽やかなささやきが聞こえてくるようです。

あらゆることに通じる概念を、この上なくシンプルに、雄弁に語るお茶。
「らくに」親しみたいもの。




2017年7月15日土曜日

ヌワラエリヤ 2017

NUWARA-ELIYA  MAHAGASTOTTE T.E
マハガストーテ茶園 ペコ

紅茶の産地は沢山ある。
茶園の数だけ、いやそれ以上に味わいの違いがある。

これまでいろいろ試してきたけど、ここ十数年、我が家の紅茶は、1974年創業の神田神保町の、ティーハウス・タカノのヌワラエリヤ(スリランカの高山茶)に落ち着いています。

オーナーのタカノさんは、味の絶対値を持つお方。
毎年産地に足を運び、テイスティングして、厳選紅茶を買い付けてこられます。
ご自身の舌に叶う茶葉が無くて、仕入れなかった(!)なーんて年もありました。
サンプルテストの中で一番を選ぶのではなく、たとえその年のナンバーワンでも、タカノさんの基準の美味しさに満たないものは仕入れられないのです。


タカノさん曰く、
「丁寧な暮らしをすることは、決してお金をかけた贅沢な生活をすることとは違います」
「50g3千円位で販売しているものをよく見かけますが、現地で買い付けしている私にとってそんな法外な価格は考えられない」

日本の紅茶市場の異常ぶりや紅茶の扱いの滑稽さ、ティーポット離れ、(いわゆる作法ではなく常識としての)マナーについて等々、ちょっと辛口に語られるところも、確固とした立ち位置を感じさせます。


お茶だけでなく、今はお菓子、加工食品、調味料、あらゆるものが、パッケージや広告の力に異常に依存しているように感じることが、多々あります。
もちろん、デザインやパッケージが垢抜けていくことは、喜ばしいことですし、日本らしい文化のひとつ。買ってもらうことの一層の工夫が必要になっている中での企業努力。

でも、お茶ばっかりは、見た目だけでは味わいはわかりません。いろんなものが手に入りやすくなり選択肢が広がった一方で、試飲して買う機会が減り「自分好み」を見つけることが難しくなているかもしれません。

そこで、デイリーな自宅使いの紅茶に関しては、私はタカノさん選択に委ねることにしています。

今年のヌワラエリヤは、マハガストーテ茶園のもの。
茶葉がほんのり青みがあり少し大きめ。
ストレートで美味しく頂ける紅茶です。

おっと、ダージリン・ファーストフラッシュ、セカンドフラッシュのセレクションも、毎年の楽しみですよん。
今年は、何度目かのッキャスルトン茶園のファーストフラッシュ、名門バラサン茶園のセカンドフラッシュ。
ダージリンは、中国種らしさがでているものが高評価のようです。

2017年7月12日水曜日

夏の薬膳ドリンク

説明を追加

酸梅湯(右)と五味子(左)のドリンク。

酸梅湯。青梅のような爽やかさはありませんが、ほのかな燻製香と酸が、絶妙なバランスで混在するドリンクです。

日本は純粋さを味わう、中国は調和(ハーモニー)を味わう食文化。
そのエッセンスは、水に恵まれた日本と、必ずしもそうは言いがたい中国の、食材のとらえ方と調理法にあることが、梅ひとつとっても、見えてきます。

今年は梅の出来が良くなかった(裏の年?)だったようなので、青梅ではなく烏梅のドリンクで。
五味子は、中国北部〜朝鮮半島が主産地の、渋みのある実。
そのエキスをドリンクに。

亜熱帯の日本の夏。大陸的なドリンクで、骨太に、乗り切りたい♪



2017年7月6日木曜日

アリのお薬

ヒアリ(飛蟻というヒアリもいるそうですが、こちらは火蟻)発見のニュースが頻繁にきかれるようになって、もはや既にあちこちで繁殖しているのではという懸念が渦巻いています。ヒアリ、侵略的外来品種ワースト100に入るのだとか。

何故に南米の生き物は、そんなに強烈なのでしょうか?
強い土地には強いものが育つということなのでしょうか?
動物も昆虫も植物も、外来のものはどうしてこんなにもことごとく強いのでしょう??

若い親御さんから「ありんこで遊んでいる内に、ちょっと舐めてみたら酸っぱくてビックリした」なーんて息子ちゃんのエピソードを、微笑ましく聞いたのはついこの前。
自身の、ありんこの巣をいじくって遊んだ子供の頃の思い出も併せて思い出しながら、こんな話もこれからは聞けなくなるのかも・・と、寂しさを覚える今日この頃です。


ところで、アリって漢方薬にもなっているのをご存知でしょうか?

「益宝(イーパオ)」。
擬黒多刺蟻という種類の蟻が主成分で、痺証(しびれ)や、リウマチ、関節痛などに使われるお薬です。ミネラルが豊富で、サプリのような感覚で使われるようです。

擬黒多刺蟻は、自重の400倍もの荷物を担ぐことが出来、1600倍ものものを引っ張ることができるのだそうです。(身近なアリもかなり力持ちのはずですが、数字データはありません。)
蟻を食べてみようなどと思った人は、こんな力持ちの蟻さんにあやかろうとしたのでしょうか??

 「なりたいものを食べる。」

中国人の、食に対する逞しい考え方。
あながちハズレでもないところが実に興味深い。

力持ちのアリさんにあやかってアリを食べたら、足腰が丈夫になりました!なーんて。
実際、イーパオは、そんなお薬のようです。

食用にできる蟻はごく一部のようですが、このヒアリも、どうせなら何かの役にたたないものか・・・。毒を以て毒を制すの原理でいくと、かなり強力なお薬になりそうですが??
あ、いや、ハブ酒じゃないけど命がけの焼酎漬けなど、くれぐれもお試しにならないよう(苦笑)。

あ〜〜、くわばら、くわばら。

アリさんの写真をココ↓から拝借しました。(「アリさん、力持ち」で検索したら、こんな画像が♪)
https://matome.naver.jp/odai/2133277715185523201