2024年5月31日金曜日

7月の料理教室

 7月は、梅雨から夏へ移行する時期。体調管理が難しい時候です。
代謝も盛んになり、消耗しがち・・・。
食の基本、しっかり補気&理気をベースに、シンプルでやさしい夏のメニューをご紹介します。


● 日時:2024年 7月5日(金),  6日(土),  7日(日)10:30~14:30

● 内容:
     「南国のササッと料理」
         ・ソーミンチャンプル (塩ラッキョウ使い)
         ・お肉の葛引き  便利な薬味と胡瓜ソース
         ・筍の甘辛炒め   (買い置き食材で)
   ・ピリ辛枝豆 
         ・椰香鮮奶雪花糕(ココナッツミルク餅)
         ・美味しい中国茶

2024年5月24日金曜日

プリン v.s. プディング, プディング v.s. クレーム・ド・カラメル

 




こんなもの、見つけちゃいました。

ELAHcrème caramel con caramellato(キャラメルプディングミックス)。

イタリア版 “ハウスプリン”。

 

 

20世紀末、20代になったばかりの頃ですが、アメリカにも当然在ると思っていたプリンのインスタントは皆無。在るのはライスプディングとかカスタードクリームの類ばかり・・・。

ベトナム料理屋で、偶然デザートの「Banh Flan(“牛乳と卵液の餅/ケーキ”の意)/ Cream Caramel」がプリンだと知り、プディングとクリーム・キャラメル(=クレーム・ド・カラメル)を使い分けることを知り得たのでした。

ベトナムは、フランスの植民地だったから、“クレーム・ド・カラメル” があるのか。

植民地時代のベトナムでは、牛乳を飲む習慣が無いので練乳やスキムミルクを使っていたそうです。カフェオレも練乳入りで甘いのです。
ベトナム料理屋さんでは、そこはアメリカだからか現代がからか、牛乳を使って作られていて、当に「プリン」でありました♡

それからしばらく経って、カフェ&バーのメニューに、ブーダン(Boudin)という血のソーセージに出会い、それがフランスでいうプディングの元だと知り驚愕。


「血を食べる」という、いかにも肉食らしい料理文化への驚きと、私の知る狭義のプリン≒プディングという言葉との不一致への驚き。
このダブルパンチには大いに悩まされました。)))

ヨークシャープディングも知らない頃のワンダー話です。

 

「プディング」。

意味や形状に統一感がないという不思議。
いろいろ調べたけれど、語源は未だ以て不明なことが多いようです。


さて、21世紀初頭(笑)、マカオの市場で豚の血が売られているのを目撃(!)。
これはもう、そのまんま血の塊(凝固している)。
ゆるいレバーのよう。


さらに台湾で、それを使った猪/米血糕(ミー・シュエ・ガオ)を知り得ます
英語で言うなら、グリルドプディング??!


おっと、すっかり話が逸れてしまいました。
甘いプリンのお話でした。

日本には、明治維新以降になって、甘味のプリンが食べられるようになっていたようで、「布顚」と記録にされているそう。
洋食屋や喫茶店で頂くデザートだったようですが、具体的ルーツは解らずじまいです。

子供の頃、プリンといえば、専ら「ハウスのプリン」でした。

そう、これみたいなインスタント。

 

'60年代半ば〜後半、冷蔵庫の普及と共に、ハウスのプリン、ゼリエース、(ツードア式も出て)シャービックなどのインスタントデザートが生まれたという訳なのでした。
イタリアバージョンの「ハウスプリン」、カップヌードル然り、案外日本のプリンのマネだったりするかもしれません??

これら共にプリンのインスタント商品ですが、実は卵は使われておりません。(最近のハウスプリンのパッケージには「卵不使用」と明記されています。)
スーパーやコンビニにも沢山プリンが並ぶけれど、その原材料はびみょ〜なものが多いのでした。

卵と牛乳と砂糖でつくれるプリン。

小・中学校の家庭科で調理実習の必須にしたらいいのにと、勝手に思っています。だって、みんなプリン大好き。
無添加でシンプルにつくってあるものはやっぱり美味しい。

あ、クレーム・ド・カラメルって呼んだ方がいいのかな。




2024年5月23日木曜日

中国茶 6月の茶会案内





お陰様で、満席となりました。
キャンセル待ちをお受けしております。


 

2024年4月24日水曜日

5月 料理教室のご案内







ゴールデンウィークが来ると、もう初夏ですよね〜♪

暑さへの備えを始めねば。

夏に向けて、美味しく食欲増進でいただけるお料理をご紹介します。


4月に続き、まだまだ続くキンカン活用料理が推しなのですが、収獲の都合により一応保険のA案(年間スケジュールでご案内してある内容)も一緒にご案内させて下さい。
B案が優先案であります。
お魚は「鯉」!…と言いたいところですが、スズキかホウボウあたりの白身魚になろうかと思います。
薬膳的見地から申しますと、血液サラサラ甘酢料理ということになります。


5月の連休で金柑の収獲をして参ります♪

雞蛋仔”(ココナッツワッフル)も、美味しいですよ♪



● 日時:5月11日(土), 12日(日), 17日(金)*新    10:30~14:30
             ※金曜日を新設しました。3人以上で催行です。


「続・金柑 甘酢特集」
   ・金柑ドレッシングで 初夏の魚三昧
 ・サラダ
   ・揚げ蓮根のクミン風味
  ・ラッキョウと金柑の甘酢あん
 ・ごはん
 ・香港屋台スウィーツ雞蛋仔”  ココナッツ風味 
 ・プーアル茶







2024年3月12日火曜日

4月の料理教室

4月は企画月。 圧力鍋の活用法  第1弾   です。

  持っているのに使いこなせていない・・
  しまい込んでいる・・・
  なんかやっぱりコワイ・・・
  または、購入を検討中の方に♪

調理器具や家電用品も、車の試乗のように、買う前に使ってみることが出来たら良いのに。
最近は、売り場でのデモンストレーションなんてのもあまり見かけなくなりました。
そして、買い物も「ネットで」という方がかなり多い様子です。
買った後で、使い勝手が悪かったら転売ーーなーんて方も??

この機会に是非♪

ーーーと、なんだかセールストークのようになりましたが、単に時短料理というのではなく、プロセスの随所でじっくり料理作りを圧力鍋に手伝ってもらうという発想での活用法です。

  今回使用するのは、
  ・電気圧力鍋(T-FaL)2
  ・圧力鍋(フィスラー)1
  ・圧力鍋(シラルガン)1


日時:  6(土), 13(土),14(日)10:30~14:30


<料理内容>
 
 ○ヒヨコ豆胡桃玄米ごはん(シラルガン)
     〜おにぎりだけのお弁当でも充実の一品に♪

 ○新ごぼうのスープ(T-Fal)
 
 ○金柑酢味噌の和え物(T-Fal)
 
 ○圧力鍋でふっくらこうや豆腐(フィスラー)
 
 ○粤式 滷排骨  香港風 スペアリブの煮込み (フィスラー/シラルガン)

 ○柔らか砂ずりとヒヨコ豆のサブジ(T-Fal)
          ※お持ち帰り用に♪

 ○お茶とデザート








2024年2月28日水曜日

焼き芋にも歴史在り

ワタシ、焼き芋には結構お世話になってます。

一度に沢山焼いて、おやつになったり食事になったり、プレゼントしたり。
特に高級なお芋は買いませんが、じっくり時間をかけて焼くので、とっても甘くなって、美味しいの。皮ごとイケます。
焼く・煮る・蒸す…は、基本の調理法。
いや、その中でも「焼く」は、最もシンプルで原始的(?)。
しかしながら、焼き芋。
普通に炙ったのでは、中まで火が通るまでに外は丸焦げになってしまう。
中国料理の「こじき鶏(富貴鶏とも)」みたく葉っぱに包んでたき火の下で?あるいは、くすぶる炭火の灰の中にねじ込んで?? 焦げない工夫から始まったかもしれない石焼き芋。
温めた石を介して伝わる熱で焼くなんて方法は、何時頃からなんだろう?
リヤカーでの移動(製造&)販売は、戦後からなのね。
甘さの秘訣は、ゆっくり加熱で70℃を長く保ちながら焼くこと。
作る側からするとスローフード。
食べる側には、今やファストフード。
コンビニで、デパ地下で、焼き芋の香り。
いつの間にか、第4次焼き芋ブームなんですね♪

写真は先週の中国新聞です。


2024年1月17日水曜日

平安時代の食事(序章)

 今年の大河ドラマ『光る君へ』、舞台は久々の平安時代。
平安時代というと、遠い昔過ぎて、なんだかピンと来ない・・・
戦国時代に比べると、馴染みのある名前も少ない・・・
派手な戦闘もないのでどこか淡々としている・・・

過去のドラマの視聴率が今ひとつ上がらなかったりするのはそんな時代そのもののカラー故かもしれません。

・・・が!

実は、世界と関連付けてこの時代を見ると、キラキラ輝いてくるのです!
大和〜奈良時代のキーワードは、遣隋使、遣唐使。
いろんなシステムや文化をお隣の当時の超先進国から取り入れて、国作りに勤しんだ時代した。
それが日本らしくまとまりつつ形にとして見えるようになったのが平安時代。
ざっくりそんな風にも見えます。

唐のその先には、キリスト教の発展系のようなイスラム教が産声を上げ、さらにその先にはキリスト教社会国家権力と結びついて拡大していくヨーロッパがーーー。
空海が唐に渡った頃は、実は唐でもキリスト教が盛況だったといいます。
そのわずか100年後が平安の時代。
日本の世界観ははたして「曼荼羅」だったか??
いやいや、なかなかグローバルだったのでは?!

思えば、「太平の世」といわれる江戸時代よりも長い400年。大きな戦もなく続く平安時代。

本当に「平安」だったのか??



大河“ドラマ”の「たぶんそうだったんじゃないか劇場」を見ながら、
折々に、
  ドラマの登場人物は、実際にはどうだったか?
  ドラマで起こる事象は、実際には何だったか?

そんな風に紐解きながら、楽しみたいと思います。

・・・で、こんな本を買ってきました。



大河ドラマの公式サイトの登場人物相関図に、チンプンカンプンの方にはコレがオススメです。
なにせ、人物の半分以上が「藤原さん」ですから、人間関係が複雑です。

今風に言うと、超「親ガチャ」時代で、身分や階級の格差も半端無い時代ですから、社会背景を踏まえて見なければ迷路に入ってしまいます。



おっと、すっかり脱線してしまいました。
時代ドラマを見るときは、必ず登場人物の寿命をチェックするのですが、今回びっくりなのは、結構ご長寿がいらっしゃるということ。

女性では、
  藤原の道長の妻 源 倫子(90歳)。
  道長の娘で一条天皇の后となった藤原 彰子(87歳)。
  一条天皇の女御(後宮入りした女性・側室) 藤原 義子(80歳)。
  道長の妻 倫子の母(姑) 藤原 穆子(86歳)。
  藤原 賢子(紫式部の娘)不詳ですが80以上生きたのではと推測されています。

男性でも、結構います。
  道長の舅(倫子の父)で右大臣、左大臣を務めた源 雅信(74歳)。
  道長と倫子の息子 藤原頼道(83歳)。
  藤原公任(76歳)。
  道長時代、右大臣も務めた 藤原実資(90歳)。
  道長の従兄弟、藤原 顕光(78歳)。
  凄腕陰陽師 安倍晴明(85歳)。
  摂津源氏の祖、源頼光(74歳)。


「還暦」「喜寿」「米寿」「白寿」を祝うようになったのは、平安時代からだそうです。
この中には「白寿」を祝ってもらった方はいないですが、きっといらっしゃったからこの言葉があるのです。

早世するか、30〜40で他界するか、あるいはご長寿か。
食べ物の種類もさほど多くなかったであろうこの時代に、薬膳の工夫も出来た物ではなかったのでは??
だとすると、これはもう生まれ持っての天命宿命としか言いようがありません。
身分の高い方たちは、蘇*とか醍醐*とかいう乳加工品を召し上がっていたかもしれませんけれど??。



    

   

  



 

2024年1月7日日曜日

2024年の料理教室  〜1月のお料理〜

明けまして おめでとうございます


只の年 またくるそれで よかりけり


元旦の中国新聞1面「天風録」に、星野麥丘人の句が引用されていました。


地震に羽田空港の事故で、初っぱなから「只の年」にならなかった2024年。

昨年中に用意されていたであろうこの記事のタイトルは「ふつうの正月」。
ウクライナやガザのことを念頭に置いた文中には、彼の地での「炊き出し」とか「涙」とか、そんな文字が並んでおりました。

他国のことでは無くなってしまったこの状況に、言葉も見つからないですが、
こんな境遇の時、一番食べたい物は何だろう?…と、思いを馳せてみました。

私なら、やっぱり「いつもの」ゴハンと味噌汁。とにかく温かくて優しいもの。
ぜんざいとお餅もいいな。
お餅って、毎日食べても飽きないもの。

「只の」「いつもの」「お決まり(定番)の」って、実はストレスフリー。
優しくて、平和なことなのでした。


今年は、そんな「当たり前」を改めて温めていきたいと思う次第です。

さて、1月の料理教室。

中国の行事食と日本の定番料理での幕開けです♪

「古典料理」とか「伝統料理」は、現代の舌では必ずしも「美味しい!」と瞬時にリアクションできるものばかりではないかもしれません。しかしながら、現代まで続いてきた味には何とも言えない深みがーーー。食べている内に「あら、以外と美味しいね」なんて思えてくるのが「滋味」な味。そんなお味を教室で体験していただきたいと思っています。


<1月のお料理内容> ★は今月の注目アイテム♪

★臘八粥 
 旧暦の中国は、まだ“年末”。年末に頂く行事食をご紹介します。

・万能白醤油ダレ

・白醤油ダレを使った青菜or白菜炒め

黄金辣明蝦(黄色いエビチリ)

・ごはん

・美味しいお茶



2024年1月1日月曜日

謹賀新年 2024



明けまして おめでとうございます

古代…紀元前2世紀頃迄の龍には足が無い。

中華民族の始祖・伏義と女媧が蛇身だったことが、龍の原形とか。
伏義と女媧は、古事記のイザナキとイザナミのような存在。
中華民族のトーテム・龍は、やがて鹿の角、牛の頭、大蛇の体、魚の鱗、鷹の爪が備わり最強となり、地上の天子 皇帝のシンボルに。
さて、日本。
龍の、雨をもたらすパワーは、瑞穂の国 日本でも畏敬の念を以て崇められて久しい。
十二支の辰は、12のサイクルの中で植物のピークの時期をあらわすのだそう。

こんなスケールで、こんなロングスパンで想像の世界を展開し、あらゆる事象を宇宙の摂理から導き出そうとした古代人の、なんと伸びやかなこと(!)。

そしてそんな中から、陰陽五行説が生まれました。


自然観察から生み出された陰陽五行説。
身体感覚の構築から生まれた中医学。

AIにはできない諸行です。

自分の体と向き合うのは、医者でもAIでもなく自分です。


一見、合理性で洗練されすぎる(?)便利すぎる(??)世の中ですが、生身の人体は、伝説の頃から殆ど変わっていません。


中医学、薬膳の学びは、やはり原点だと、改めて思う今日この頃です。



  今年も、どうぞ宜しく お願い致します。