2018年2月27日火曜日

中国新聞カルチャー 1日講座

2018.2.27

本日の新聞に、中国新聞文化センター(ちゅーピーカレッジ)講座案内が掲載されました。
1日講座 新ライフスタイル学。
ライフスタイルのご提案など、おこがましい限りですが、現代人の不足しがちなミネラルを朝イチで補える朝の点心(早点/ザオディャンzǎodiǎn)をご紹介予定です。

朝イチ・・って、まあ、講座は午後イチなのですが(^^;).
実は、午後のおやつにも、ピッタリです。

「点心」は、「点=少し」「心=お腹」に入れる、お食事未満、おやつ以上の中国の食習慣。
忙しい朝、「朝食」とは呼べなくても、ちょっと小腹に入れるお助け食。
ゆっくり美味しいお茶がお供なら、ちょっとしたティータイムに。
更にもう1品、小皿モノを付ければ飲茶気分♪

パンケーキより簡単に作れて冷凍も可能な蒸しパンは、蒸籠にのせれば、いつでも出来たての顔になってくれます。

朝一杯の豆乳は、なんだかちょっと中国的ですが、是非取り入れたい食習慣。
これを、ひとひねりして、より美味しく栄養価UPで召し上がれる方法をご紹介したいと思います。

せいろの扱い方も〜〜〜指南いたしますよ♪

既に自宅教室にいらしてる方も、この機会に是非ご参加下さい。




タルトタタン





春めいて、天然の冷蔵庫(ベランダの発砲スチロール箱)も怪しくなってきました。
そこに保存していたリンゴも、そろそろ潮時のようなので、残りのリンゴ全部を使ってタルトタタンを作って見ました。

えへへ。フランス郷土菓子探訪の余白です。

パイ生地が生まれたのは17~18世紀とのことですが、タルトタタンは20世紀初頭生まれ。
ジャンヌダルクで有名なフランスはロワール、オルレアン地方で、タタン姉妹の怪我の功名的に生まれたデザートと言われています。でも、パイ生地を乗っけて焼いて裏返す手法は、もっと以前からあったとの説も。

焼きながら煮詰められたリンゴとリンゴのペクチンがカラメライズした糖分と相まって独特の艶を放ち、これにまたバターとリンゴの酸の香りが融合し、お口の中はフルボディ。

凝縮された味は時間そのもの。

タルトタタンの材料は、リンゴ、砂糖、バター、小麦粉、そして「時間」。

※月刊誌『料理通信』2月号の特集が “「時間が決め手」のお菓子レシピ” でした。
 もちろん、この中でも、大阪市北区のパティスリー・ラヴィルリエのタルトタタンが紹介されています。
 


ところで、オーボンヴュータンのタルトタタンは、紅茶を飲みながら頂くと、ビックリ現象がおこります。

お口の中が紫に・・・!!

リンゴを銅鍋で煮たせいで、紅茶の成分と反応して紫になるのです(!)。
ふと鏡を覗いて舌診(?)したときはビックリしました。
紫の舌は重篤です。
落ちるまで、しばらく掛かりました。

ちなみに、ワタシのタタンは、ホーロー鍋で煮ましたので、銅の補充にはなりませんが、このリスクはありません。

「タルトタタンが美味しいお店は、手を抜いていない店」という仮定は、実際に自分で作って見ると、確信へと変わります。
ま、ご家庭では、上手に手を抜くことも大切かもしれませんが。

でも、「買えないモノ、売っていないものこそ自分で作る」というのが、私の料理研究の原点なので、折々に、肝入りの逸品を作っていきたいと思っている次第。

そんな訳で、つい・・つい・・語ってシマッタ。
お許しを〜。




2018年2月25日日曜日

3月の料理教室

春を巻く「春餅」

旧暦では、1年は立春からはじまります。
お料理の春は、春を巻くことから始まります。
春の気を体内に取り込むには、芽吹きのエネルギーをパクリ。
そんなお膳も、点心なのです。
春巻のルーツでもある春餅を、ひとひねりの具材でご紹介します。

  内容:
    ・春餅
    ・炒め物1種
    ・和え物1種
    ・生姜のデザート
    ・おいしいお茶

     ※料理内容は一部変更することがあります。


  2018年 3月17日(土)、18日(日)、28日(水)、4月4日(水) 10:30〜14:30


2018年2月23日金曜日

パヴェ (オーボンヴュータン)

「パヴェ」


「オーボン ヴュータン」河田勝彦の『フランス郷土菓子』に、コレと酷似のお菓子が載っている。
「ガトー・ブレストワ」。
ブレスト(Brest)とは、ブルターニュ半島の西端に位置し、ローマ時代から栄えてきた港湾都市の地名。そこのスペシャリテなんだそう。
河田さんのご本には、「アーモンドパウダーやレモンエッセンス、オレンジのリキュール入りの生地を、小さなブリオッシュ型かマンケ型*で焼く。いうれもアンズジャムを詰めたり表面にぬったりし、アーモンドスライスを貼り付ける。きめ細やかでむっちりした触感と、卵のまろやかで優しい味わい・・・」とある。

・・が!!
私は店頭で「パヴェ」を買ってきたのです!!
「パヴェ」と書いた札が付いていましたし、レシートにだって「パヴェ」とあるのです!!
厳しく管理されているオーボン ヴュータンで札の付け間違いなど有る訳もなく、これはどうしたことか。

調べてみたら「パヴェ(Pave)」とは、石畳のことなのでした。
「パヴェ・ド・ヴェニス」=ベニス風アーモンドの焼き菓子なんてのもあるようで。
要するに、この形が「パヴェ」ということのようでありまする。

ご本にある「ガトー・ブレストワ」は、パヴェ・ドゥ・ブレストワと呼んでいい!??


河田さん、以前「お菓子にとって、型はとっても大切」と、力説していらっしゃいました。
どうやら、お菓子の型(形)は、まるで俳句の季語のように、お菓子の存在を確固たるものにする存在だということを、このお菓子からしみじみ感じ取った次第。

材料にアーモンドプードルが入っているか否か・・とか、コンフィチュール入りか否かとか・・・そんなことではなく、この形。形が醸し出す趣が、お菓子を叙情的なものとして重なって、人の心に残る伝統菓子になっていく。)))
型が違えば、趣も、導き出される情緒も変わるのだ。

だから、型は大事。

小麦粉、バター、砂糖、卵・・・アーモンドにフルーツ。
素材は大体が極めてシンプル。これらの素材を使って時に似通いながらいろいろに展開されているけれど、人の心に寄り添う郷土菓子だからこそ「型」は大事。

河田氏の意味するところが、少し紐解けた気がして、なんだか清々しい気持ち。

そんな訳で、もう少し、オーボンヴュータン通いは続きそうです。




*マンケ型(monque) :マンケ型とは、上面と下面の面積に差があり、側面からみると台形の形をしている型のことで、丸型のマンケや四角、楕円のマンケなど、いろんなタイプがある。
 


2018年2月13日火曜日

食べログ

来週、大阪立ち寄りでお江戸へ出掛けることにしました。
大阪では、東洋陶磁器美術館へ行きたいし、チェックしたいお店もあるし、道具街にも用があるし、会うと30年若返れる旧友にも会いたい・・・!

寒いけどちょっとガンバッテ、一日大阪市内を動き回る予定です。
こんないっぱいいっぱいのスケジュールを立てると、昼食難民、夕食難民になり、後から疲れがドカッとのしかかるパターンになりがち(←学習しました)。

ここはちゃんと安心して美味しいごはんにありつけるよう、夕食だけはお店を厳選して予約したいところです。(県外では、例によって、まず中国料理を模索します。)

   一碗水さん、火の鳥さん・・・予約一杯です。
   しの風さん、シェフがご病気に(!)
   アノ店、この店・・・満席、満席(涙)。。。

あてが無くなり、ついにネット検索のお世話になることに。

一休だの食べログだのの投稿写真と見ず知らずの方のお店の感想を頼りに店選びをするのは、なかなか怪しい作業ですが、複数見ているうちに、ひとつのコツを見出しました。

それは、レビューのいい感想より、悪い感想の方に、そのお店の特色が出ているということ。
「いい」というのは、無難であることが多いし、良くわからない人は、たいてい「まあまあ良かったよ」とか「おしゃれでした」などと言うもの。
逆に、「味にクセがありすぎ」とか、「とにかく辛い」とか・・・
これってひょっとして、スパイスを多用するお店かも!・・と。

それらの意見と料理や店内の写真を照らし合わせて絞り込み、あとはエイやっ!であります。

競争の激しいこのご時世、大半は頑張っているいいお店だと思うけれど、どこを頑張っているかがキモです。

料理人さんが、プライドを持って(持てて)料理を作っていて、かつ心地よいお店に行き着けたらいいなあ。)))


2018年2月7日水曜日

大学イモ


写真は、「抜絲地瓜」(または「抜絲芋頭」)=さつまいもの飴がらめ/飴がけ。
子供の頃、家族で食べに行った昭和の中華料理屋で、最後に食べるとっておきの一品でした。目の前で飴を絡めて供してくれるプロセスには、大いに胸躍らせたものです。まだ食べたことの無いものだらけだった頃のご馳走。

学校給食のメニューには、この抜絲地瓜とルーツを同じくする素揚げの薩摩芋にシロップを絡め、黒胡麻がふりかけられた「大学芋」というものもありました。こちらもやはり好物でした。

好物にもかかわらず、長いこと、「大学いも」という名前に何の疑問も抱かずにきたのが自分でも不思議です。

さて、なんで大学なんだ? 

大学いもの由来には、大正から昭和にかけて、東京の神田近辺で大学生が好んで食べていたという説、昭和初期に、帝大の学生が学費捻出の為にこれを作って売っていたからという説、大正時代、東大赤門の前で、ふかし芋屋が蜜に絡めたのを売り、これが人気を呼んだ説等々いくつかあるようです。
詳細はさておき、大正〜昭和に普及した志那料理に、この「抜絲地瓜」があったらしいのです。
この頃、西洋列国の植民地にされることなく近代化を遂げた日本には、中国からの留学生が沢山来ていたのでした。彼らは神田〜お茶の水周辺に沢山暮らしていて、横浜とは違う形の「中国人街」であったとか。今でも神田〜お茶の水界隈に中華料理屋さんが多いのは、その名残です。
この辺が発祥で、安くて腹持ちのいいお芋料理が日本の学生に広まったのでしょう。
昭和の中華屋さんのメニューの多くは、この頃確立したもの。天津にもない天津丼なんてものもその中にはありますが(笑)。

この大学いもは、食事の後半にいただく点心。薩摩芋に限らず、山芋の類に蜜を絡めるお料理で、「蜜賤山薬」「山薬糖衣」などと呼ばれる芋料理もありました。胡麻が掛かる所は台湾が発祥といいます。
根菜は、生活感あふれる滋養食。むしろ「大学いも」が「抜絲地瓜」のルーツだったかも?



2018年2月3日土曜日

1月の料理教室より

生徒さん初挑戦の餃子たち

恒例1月の「餃子道場」では、毎年道場破りが続出します。

餃子上手と手先の器用さは比例しているのでしょうか??
餃子包みは、複数の料理人の方からもご指導いただき、あちこちの本も参考にしながらしつこくしつこく練習して習得した料理です。そして、毎年、進化し続けている・・・と自負していましたが。。。あっという間に美しく包んでしまう教室の皆さん。

道場破りだ〜〜! と、叫ぶ私を、「教え方がいいからですよ♪」
・・・と、慰めて下さいます。)))

とりあえず、真に受けておくことにしよう。



2月の料理教室

北京〜西北の味

北京は、満州族の王朝、清朝の首都。遊牧民族、回教徒の文化も共存している都市でした。そんな地のお料理は、骨太で温。極寒の2月にピッタリの薬膳たり得るお料理がいろいろです。キーワードは「胡」「烤」。
胡桃酪は、いろんな作り方があります。前回は、古典レシピでご紹介しましたが、今回は、現代的なバージョンを召し上がって頂きます。
今年は点心を取り入れた菜譜で、調理法もいろいろに展開しています。
もちろん、薬膳の真髄はしっかりと押さえての組み立てです。
自分のカラダで確かめて、知識を確信に、確信を説得力へと変えていけたらと願っています。


  ○ テーマ: 冬の養生「助陽」「補腎」「理血」

  ○ 内容:
   ・スパイシーな羊串肉
   *今月の点心「葱花餅」 アツアツを召し上がれ〜♪
   ・野菜のスープ蒸し
   ・西太后の美容食「胡桃酪」
   ・おいしいお茶


  ○ 日時: 2月17日(土), 18日(日)満席 3月7日(水)満席 10:30~14:30
       ※キャンセル待ち、受け付けます。