2023年8月31日木曜日

愛玉子 オーギョーチ

朝ドラ、今週のタイトルは「オーギョーチ」

 愛玉只/愛玉子(オーギョーチィ)

万太郎が台湾から持ち帰り、寿恵子が始めた渋谷の茶屋で売り出し知られることとなった台湾スウィーツ・・・な〜んて展開になったら面白いけど、これはウソです!

でも、そんなストーリーがありそうなお店は実在します(!)。
根津に(!!)。

“ところてんの如き、怪しげな、食いもの” と、戦前戦中のコメディアンでエッセイストの古川緑波は食エッセイ* に記しているけど、「カンテンイタビ」とも呼ばれる植物なのでした。

種からとれるペクチンで固まる植物性のゼリー。
今では、バジルシードとかチアシードの方がすっかり有名ですが、それらと同様に、種が備えた濃厚ペクチンで固まるゼリーなのです。

レモン果汁とシロップをかけるのが定番の食べ方。

ポン酢を掛けて、ところてんのように・・・とはいかなかったのは、その弾力のせいかも。
ぶよん♪とした食感は、かみ切れる寒天でもなく、口溶けるゼラチンでもなくなんともいえません。

台湾で、発熱した万太郎は、この愛玉子の解熱・解毒の効能により救われることになるのかな。
この植物の原産地は、台湾烏龍茶の名産地 台中の阿里山辺り。
本日の万さん、阿里山を探索中だったか・・?!


台湾が日本の統治下となって、日本では台湾茶の喫茶も流行った時期があるというのは意外でしたが、このオーギョーチィも、その流れの中で、日本に紹介されたもののひとつだったにちがいありません。









*『ロッパの悲食記(ちくま文庫)』(1995年)
浅草を本拠地にコメディアンとして出世した古川緑波)
 

2023年8月3日木曜日

9月の料理教室

  「食在広州  - - - 食は広州に在り」


9月は、広東省というお土地柄とその食について触れたい思います。
広東省、広州、そして香港。グルメの方にはビビビッとくる響きでしょう。
そして点心、飲茶が頭に浮かびます。
中国の南の果てであったこの地は、南方アジアや海洋族からすると中国の入り口。
それが故の独特の歴史が刻まれています。

さて、お料理は、北京の宮廷にも取り入れられた南方のお料理を。
久々に大皿にて供します。
中国料理らしさをお楽しみ下さい♪



 ● 日時:2023年9月2日(土)、3日(日)10:30~14:30

 ● 各日 6名

 ● 内容:
  ・海蜇皮(水母/クラゲ)の和え物
  ・冬瓜と干貝のとろとろスープ
  ・腰果鶏丁(ヤオグオジーディン)/宮保鶏丁(ゴンバオジーディン)
  ・咕咾肉/クゥラオロー
  ・サッパリパラパラごはん
  ・デザート:漢方亀苓膏
  ・美味しい中国茶

2023年8月2日水曜日

今年の紅茶

 スリランカ・ヌワラエリヤの、今年の紅茶が届きました。

紅茶は完全発酵茶。他のお茶ほど「今年の」が重視されるお茶ではないけれど、毎年同じ茶園のお茶を頂いていると、茶葉の形状や味わいがちがうな〜・・と。

2022年、スリランカが過剰債務で財政破綻。
お国の情勢は、地球のコンディションと同様、やっぱり農作物にも影響してしまうのはさもありなん。
いつもの時期がきてもなかなか茶葉が届かず、2カ月遅れで届いた紅茶の味わいは、何時になく妙な苦みがありました。

スリランカ。
その昔、沿岸地域をポルトガルが植民地とし、その後オランダが乗っ取り、そしてイギリスが乗り込んで全島が支配下に置かれた。
そのことを人々は
「胡椒の後に唐辛子が来た」。
そう表現したといいます。
(10年前に訪れた時聞いたお話。)

唐辛子を持ち込んだのはポルトガルだけれど、その激辛さはイギリスによってもたらされた。
スリランカがイギリスの手におちてから25年後に、イギリスにしてやられた中国は、180年後、そのスリランカを、“援助” という名で財政破綻に追い込むことになる。
「やられたらやり返す」の、矛先は、イギリスではなくスリランカ?!
支配の歴史から、何を学んだのか。

「歴史は繰り返す」がグローバルに展開する。
誰しも辛い味は忘れないのだ。。。