2023年6月1日木曜日

「梅雨」  梅と稲作と

 「梅雨」

やっぱり早かった。梅雨入り。
早速梅雨らしいお天気の今週。

そうそう、「梅雨」と言えば、昨年は古典の先生に大変興味深いお話を聞かせて頂いた。
古は、この雨の季節を「梅雨」とは言っていなかった…と(!)。

梅は中国から伝わった果実。
しかも、烏梅(ウバイ)という燻された黒い干し梅の状態で。
(お薬でした。)
音読みの「烏(ウ)」+「梅(メイ)」でウーメイ→「ウメ」と呼ぶようになったのが日本の「うめ」。

 
梅の季節の雨だから梅雨♪
梅雨の間、梅を漬けて、晴れた日には天日干しして・・・
そう、「日本はお米と梅干しの国さっ!」
な〜〜んてね。
そんな感じで思ってましたよ。ずーっと。
でも、違いました。

 
瑞穂の国では、梅ではなく、あくまでお米、稲なのです(!)。
梅雨の雨は、五月雨(さみだれ)。
「さ・み・だれ」は、「早・水・垂」。
この「早(さ)」は、稲の苗のことなんだって。
五月(さつき)は、早(=稲の苗)を植える時期だから「五月(さつき)」。

穀類の栽培が大きな集団・国の始まり。
そういっても過言ではない世界の歴史いろいろ。
日本は全てが米で回っていたのです。
それで、何故「梅雨(バイウ)」かって??
梅(バイ)は、黴(バイ=カビ・毒のこと、黴菌)の差し替え文字だったんだって。
同じ発音でより縁起のよい文字を当てがうというのは、中国でも日本でもよくある文化。
それをやった訳ですね。
漢字圏ならではの気の効いたことばあそび。
でも、元の文字は侮れません。
カビに気を付けてお過ごしあれ〜!との警告も忘れずに。
猛暑前に、エアコンのカビも、なんとかしたい))))。
写真は烏梅。


6月の料理教室

オーボンヴュータンで「暮らしCafe」

緊急事態宣言等々外食がままならなかった一昨年前、皆でいろいろお取り寄せを楽しみましたね。その中でも、特に好評だったオーボンヴュータン・シャルキュトリー部門。
前回はテリーヌでしたが、今回はソーセージ(一昨年前の福袋で味わった方もいらっしゃいますね!)を、美味しい付け添え総菜と共にお召し上がり頂く「暮らしCafe」企画です。


おっと・・・!

思わずランチ情報が先になってしまいましたが、6月の料理教室、本題は、特別講座でした。


「食品添加物と食品表示について」

薬膳の基本は、食べ物のチカラを体のメンテに活用すること。
故、要となる食材や食品が真っ当でなければ、せっかくの薬膳の試みも効果半減です。
そこで、昨年より、食材や食品選びのコツや見極め方について、折々にお話して参りました。
調味料に発し、今回は加工食品に含まれる添加物にフォーカスして展開します。

何故今?!
2024年から、食品表示の決まりがいろいろ変わるのです!

どう変わる?
そこを、 パッケージにあるラベルの読み解き方と共に解説致したいと思います。

この講座を受講後は、スーパーにコンビニにデパ地下に…旅先のお土産屋さん等々・・・手に取る食品がみーんな教材に見えてきますよw♪
知っておくと日々のお買い物が変わります!!



 第1部:「食品添加物と食品表示について」

 第2部:オーボンヴュータンで「暮らしCafe」


   ● 日時:10日(土), 11日(日), 18日(日) 11:00〜14:30       
             (11:00 ~ 12:30 レクチャー/ ランチのセットアップ30分程度/ 13:00頃~14:00  食事
    ※2部セットでのご参加となります。

   ● 定員:各 5~6名  

   ● 「暮らし Cafe 」MEMU
      ・welcomeドリンク 
   ・野菜のマリネ レシピ付  
   ・オーボンヴュータンのソーセージ  
    カスレ風インゲンの煮込み・リーフサラダと共に レシピ付  
   ・自家製ミネラルパンなど
   ・オーボンヴュータンのレシピで作る
    マルセイユの郷土菓子  “Navette” 
   ・紅茶

  

2023年5月7日日曜日

スコーンの由来と共に知るヒストリア  チャールズ3世国王の戴冠式より

我が家のミネラルスコーンは丸い「御影石」

 スクーンの石 / Stane of Scuin
〜スコーンの由来と共に知るヒストリア〜


昨日は、チャールズ3世新国王(74)の戴冠式。
映画『エリザベス〜女王陛下の微笑』(2022) で「you can't look down, because my neck will break. 首が折れそうなの」と、エリザベス2世がぼやく映像を思い出します。2kg強のその王冠が、チャールズ新国王の頭上へーーー。
儀式に使われたウエストミンスター寺院の王座は エドワード1世(在位1272−1307)の椅子。
王座は何故この椅子なのか?
エドワード1世の治政は戦争三昧。ウェールズにスコットランド*、そしてフランス(アキテーヌ)へも進攻。王妃にはカスティーリャ(スペインの前身)=レオン王の王女を迎えてイケイケドンドンだった。
そしてこのエドワード1世、スコットランド歴代君主が戴冠時に使用し王家の守護石としてきた“Stone of Destiny”「運命の石」を戦利品として持ち帰り、王座の下に取り付けた。
「スコットランド王」も兼ねる象徴としたという、新たな支配の象徴としたわけだ。1296年のこと。
ティータイムのスコーンは、その石を模ったモノだったという。
だからホントは丸型ではなく四角いのがオリジナルですね。
このストーリーを伴うと、ちょっとエグい歴史的伝統菓子になってしまうかな??
この石のその後だが、1950年頃、スコットランドの若者に盗まれたという事件(?)があるが、その後戻されそのままイギリスにあったよう。そして1996年、メージャー政権のときにスコットランドに返還されたものの、英国王室の戴冠式の時にはウエストミンスター寺院に戻されるという約束事になっていたんだそう。
故、今回「運命の石」は、チャールズ新国王が戴冠式のために、スコットランドから運ばれ椅子の下設置されたってことだ(!)。
わぉ〜〜)))
もちろん、エリザベス2世も、石入りの王座で戴冠していたのですね。
歴史を忘れないための、イギリスらしい守り方・・・と理解することにしよう。
スコーンと共にあるうんちく。
長いうんちくで紅茶が渋くなったらミルク増量でどうぞ♪
椅子の写真はこのBBCサイト内
     ↓

*スコットランド侵攻は映画『ブレイブハート』(メル・ギブソン監督・制作・主演)に。
 メル・ギブソンは、自信スコットランドのウォレス役)、人気絶頂だったソフィー・マルソーはイングランド側のお姫様(エドワード1世の息子の皇太子妃)でした。











2023年4月22日土曜日

5月の料理教室

5月と言えば、端午の節句。・・といえば、恒例の・・・アレです、粽です。
これまで竹の葉で包んだ三角錐の肉粽や、糯米だけの灰汁巻等々、糯米料理をご紹介してきましたが「成形する」という一手間をかけるには、ちょっとした“覚悟”と“決意”が要るようです。全行程一人で手掛けると思ったら、ムリもないことです。でも、本来お節句料理は、みんなで「しご」をして「てご」をして作るもの。そこに大きな壁があると思い至り、今回は、「巻かない粽」をご提案することにしました。

今回は、大きな蓮の葉を使います。蓮の葉って、ほんのりと優しい香り♡
葉っぱ使いになれたら、いろいろに応用が利くと思います。
台湾の魯肉飯(ルーローハン)のような気軽さを、お節句に♪

  ●日時: 2023年 5月13 日(土)、 14日(日)10:30~14:30

  ●内容:
     ・荷葉肉飯(薬膳仕立て)
     ・漢方煮玉子
     ・ポリポリ胡瓜漬け
     ・冷菓・山査 など
     ・美味しい中国茶(プーアール?)

2023年3月30日木曜日

バイマックルー コブミカンの越冬、そして・・・♡


 秋口からポロポロと葉っぱを落とし、ついにハゲチョビンになったコブミカンの木。氷点下の日にはお家に入れてあげるため、かなりザックリ剪定し、ちゃんと生きているか心配だったけれど・・・

生きてました!!

こんなに新芽が♥

ういやつ。

今年も、トムヤンクンを始め、香り高いお料理が楽しめそうでアリマス♪


2023年3月26日日曜日

4月の料理教室




4月は、「ザ・岩国寿司」
岩国寿司は、別名「殿様寿司」とも言われるハレの日の押し寿司です。
“お殿様”…は、もちろん長州藩毛利家一門の吉川ですよ♪
初代藩主は吉川広家(1561-1626)毛利元就の三子息のひとり、吉川元春の三男。
関ヶ原の後、広家がこの地に移封されて藩主となりました。
岩国と言えば、錦川にかかる「錦帯橋」が有名ですが、この橋は、広家の孫・広嘉(1621-1679) が晩年に創建したものです。

錦川から注ぐ山の栄養をたっぷりに育った瀬戸内の海の幸 &中国山地の山の幸…お寿司の具材もさぞや豊富な選択肢がありそうですが、特産の岩国蓮根は必須(!)。

岩国蓮根は、18世紀末に岩国で栽培が始まったといいます。
そしてお寿司は・・・!!?

これは、なが〜いお話になります。
ザッと言うと、今日のような酢飯を使った「お寿司」の発祥は江戸初期〜中期といわれていて、庶民のお口にはいるようになるのは、もう殆ど明治維新以降と考えた方が良さそうです。
岩国寿司を味わった吉川の“殿様”は、男爵になってからかもしれません??


ともあれ、いまや世界のSUSHIは世界の公用語。
日本人として、お寿司のこと、もうちょっとしっかり知っておきたいところです♪

4月の教室では、お寿司と酢のいろいろを掘り下げたいと思っています。


桜も咲き始めました。
行楽の季節、美味しいお寿司のお弁当でお出かけするのも良いですね〜♪



   ● 日時:4月8(土),9(日)10:30~14:30
   ● 内容:
                    ・岩国寿司
                    ・金柑酢味噌和え    ※金柑酢味噌のお持ち帰りあります
                    (・お酢のもう一品?)
                    ・お味噌汁 or お吸い物
                    ・美味しいお茶とお茶請け(甘味)
   ●定員:各回5名様




2023年3月1日水曜日

3月の料理教室


元宵節のお節句点心に続き、3月は、韓国の点心♪
中国茶との絶妙な相性に、韓国と中国の因果な関係を彷彿とさせます。

冬じまいに向けての余寒のお料理です♪

内容
・参鶏湯(サムゲタン)  
・春の和え物2種     
中 韓 大根のお漬けもの  
・薬食(ヤクシック)   

※お漬けものと薬食は持ち帰りも♪

2023年2月6日月曜日

春餅(チュンピン)




立春に、春の芽吹きのお野菜を薄い皮で巻いて食べる「春餅(チュンピン)」。
春巻きの原型です。

今は無くなってしまった、古の節句食で、現在の春巻の原点。

六朝時代(3世紀初頭〜6世紀末頃)、中国江南では、五辛盤といって春に五種の「生臭物/薬味系の野菜」を食て邪を祓う食習慣があったようです。
その頃の食べ方はわかりませんが、唐代には、それらを薄くのばした小麦粉の皮で巻いて食べるようになったようです。

お肉が入るようになったのはいつからでしょう??
この餅(ピン)に、ダックの皮を巻くようになったのは・・・多分清朝から。

意外に草食な古の中国。

あ、コチラはお肉ガッツリ入れるバージョン。


 

2023年2月3日金曜日

 

もう歳の数ほどの豆は食べられない。。。

代わりに大豆もやし炒めたのではダメかい??…などと不埒な考えが浮かびます。

店頭に、沢山積み上げられた恵方巻。どっさりすぎて、見ている内に食欲減退。)))

そんな訳で「リスク分散を」といわれる時代ですが、 私の「鬼は外」はもう、このイワシ1本(!)とあいなりました!

煙ってやるわよぉ!


ところで恵方巻にも、何やら土用の丑の日とか、バレンタインデーのチョコみたいな「商法」あるいは「仕掛け人」の匂いが致します。
ちょっとググってみたら、(巻寿司ではなく)「恵方巻き」のはじまりは、広島県らしいのです(!)。
「1989年にセブンイレブンが太巻きを「恵方巻き」として売り出したのが始まり」だそうです。
平成の平賀源内は、〔セブンイレブン〕…なのですかー!?

さらにググって…
節分に巻寿司を丸かじりするという行為は、どうも江戸〜明治の大阪の花街ではじまったらしいです。
なるほど、いかにも花街、いかにも大阪っぽいお話です。
ググっただけですから、あくまで一説としておきましょう。

食文化についてググると、つくづくネット情報びみょ〜だな〜・・と思うことが多いです。
やっぱり根拠となるネタ元が明記されていないのがネックです。

ちなみに、巻寿司が生まれたのは1750ー1776年頃。(…と、東京すしアカデミーさんサイト)
アメリカ大陸で南北戦争ドンパチの頃、お江戸では既にファーストフードとなっていたお寿しに遊び心が加わった。
そう思うとなんだかちょっと灌漑深いものがあるけれど、日本も飢饉と飢饉の狭間でありました。

チコちゃんか、『すしのサイエンス』著者 土田 美登世先生に聞いてみたいです♪


『すしのサイエンス』/文・土田 美登世

寿司でも鮨でも鮓でもなく「すし」としてある。
「サイエンス」も歴史に始まるとあって、
冒頭発酵食としてのなれずし、鮒ずしから酢を加える
「酢し」となっていく旨書かれておりました。


2023年1月28日土曜日

海参 なまこ



海参=なまこ。

「なまこ」で変換したら、「海鼠」が出てくるけど、中国語では「海参」と書く。
「海の人参」とは、海鼠よりぐっと体に良さそうな字面ではないか。
意外かも知れないが、ナマコは体を温める食べ物。
冷えだけではなく老化による諸々の症状(専門用語では腎虚)に良いとされる。
このことを知って以来、冬の間はなまこを積極的に食べるようになりましたw
本来瀬戸内は、酢なまこがお正月の定番という家庭もあるくらいなまこ食い♪
焙じ茶で洗って大根おろしで和える。
ポン酢でいただきます♪
こーゆーのには日本酒が必須♡

加熱調理する方が消化にはいいそうだが、日本では専ら膾としていただきます。

友人に、なんとナマコをステーキにして食べるという輩がいる(!)。島育ち&なまこの産地育ちの彼女は「騙されたと思って、やってみて♪」と、推してくるが、ゴメンナサイ、未だ挑戦しておりません。
彼女の生命力に溢れて元気な様子に、「確かにナマコは体にいいのだな」と、大いに説得力を感じるところ・・ではあります。

さて、中華版ナマコですが、 中華の干しナマコは、フカヒレ、鮑、貝柱などと並ぶ高級乾貨(ガンフォ)。「貨幣に匹敵する価値を持つもの」なのでした。
5−6日かけて戻してじっくり煮込んでとろっとろの逸品に。フカヒレや鮑の上海煮込みと一緒に盛られることもあります。一皿のお値段は、この下ごしらえの大変さに因るかと思われます。
一旦干すことで生まれる独特の食感も、このお料理の美味しさ。

膾もいいけど、中華の煮込みもたまにはいただきたいものです。

● 海参
性味 / 帰経:温・鹹 / 心・腎(肺)
補益類・助陽
補腎壮陽・益精療痿:性機能低下 冷え 頻尿
養血潤燥・温腸通便:咳 喀血、貧血 不眠症 多夢 血虚、陽虚の便秘に




2023年1月12日木曜日

2月の料理教室 

寒さが極まる2月は、日に日に陽も長くなるのを実感し、実はとても春めいていたりします。
そんな頃にぴったりなお料理は・・・・

五辛盤 / 春餅 。
春の新芽、香りの高い薬味などを包んでいただくお料理。新春の点心です。
レクチャーでは、味噌のいろいろを解説予定です。



 日時:2023年 2月4,5,11, 12日  10:30~14:30

 内容:
  ・春を巻く 春餅(チュンピン)
       肉絲 /薬味など(+烤叉焼 ?)
  ・甜麺醤 ※味噌を知る
  ・白菜拌千
絲 
  ・白灼油菜心 (西蘭花)
  ・胡麻のデザート
  ・美味しい中国茶



2023年1月1日日曜日

2023年 元旦。






どんな世になるのかなと、思いながら年が暮れ、
どんな世になるのかなと思いながら迎える新年です。


COVID-19以来、私なりに歴史を紐解くことを試みて参りました。
大きな歴史のうねりの中で料理も薬膳も、変化してきましたし、
これからも変化していくことでしょう。
今年は構築してきたことを元に、少しアクションを
起こしていこうと思っています。



Question everything.


目の前のことをちゃんと咀嚼していくこと。
そして気に掛かることを置き去りにしないで行きたいと思います。

皆さま、どうぞお導きの程、宜しくお願い致します。