2016年9月24日土曜日

武則天(1)

武則天(日本では則天武后とよばれる)役に、中国トップ女優のファン・ビンビン、唐の名君、李世民にはチャン・フォンイー(レッドクリフの曹操役)等、豪華キャストを据えた高予算(!)中国宮廷ドラマ。

武則天は、中国三代悪女 - - - - 呂后(漢代)、武則天(唐代)、西太后(清代)- - - - にもあげられる中国史上唯一の女帝。
(巷には、悪女三人の中の、武則天と江青(=文革を指導した毛沢東夫人)を入れ換え三悪女となさる方もいらっしゃるようで。お三方の中では悪女度は3位ということでしょうか(??)。)

悪女の根拠となる逸話は、血なまぐさい陰謀と残酷さにまみれていますが、残虐さが強調される逸話とは反対に、ドラマ前半40話では、武則天の強運と賢さで数々の陰謀をくぐり抜けていくというストーリー展開です。

これはあくまでドラマですが、思えば、歴史上で「悪女」と呼ばれる女性に共通するのは、男勝りで知勇に優れていること。ついでに美貌も兼ね備えたていたりする。そんな女性が、歴史の表舞台に立たんとするとき、時代時代の「世間」が彼女らを「悪女」と位置づけるようです。
運命に翻弄された部分が多いとはいうものの、権力闘争と妬みをくぐりぬけ生き残るには、美しさだけではダメで、頭の良さが必須(!)。智恵を駆使して乗り越えていくうちに、気がつけば、自らの手をも血で染めてしまっているということなののかもしれません。

ドラマでは、正義感あふれる若い武則天が大奮闘していますが、82話まであるんだとか(^^;)。さて、どう着地するのでしょうか???

ドラマでの衣装に料理、お茶、毒薬(毒殺に出てくる生薬)・・・歴史考察はけっこう甘く、ついつい突っ込みをいれたくなりますが、なかなか手の込んだストーリー展開。はたまた、折々に魅力的な響きの四字熟語や漢詩がでてきたりなんかして、つい見続けています。

それにしても、ドラマでの宮女たちの髪型がすごい!!
マリー・アントワネットの、頭に船を乗せた髪型がありましたが、アントワネットもびっくりの巨大な頭(笑)!
        

・・・・流石に、これは違うような気がしますけれども。)))

手持ちの本には、こんな絵が載っていました。
唐代の宮女たちのティータイムの様子です。

宮楽図(唐代)
重いものを持つことなど無さそうな後宮の女たち。実は、大きな荷物を頭に乗せて歩くインドやアフリカ、東南アジアの働き者の女達にも勝る筋骨の持ち主やもしれません(??)。

いやはや・・・・。

もしドラマに出演した女優さんたちにインタビューできるとしたら、是非この、ものすごいカツラの感想を訊いてみたいところです。

オシャレは、美しさの強調というより、威光の象徴、強さの表現だったことだけは、なんとなく分かります。

それから、髪型や結い方で、身分の高さが表現されているというのもあるのでしょう。
ドレスのような着物の装いや派手な髪型や紙飾り・・・やりすぎるとなんだか吉原の花魁みたい。


勝てば官軍。塗り替えられる歴史のストーリー。
はたして武則天はどんな女性だったのでしょう? 歴史は永遠のロマンだ〜〜))))。

ちなみに、武則天は、ファン・ビンビンのような清代美人像の細顔ではなく「方額広頤(=四角い額と広く張った頤(エラ))の「美女」であったとか。

龍文石窟の盧舎那大仏(河南省洛陽市)は、武則天が自らに似せて造らせたとの伝説が残っています。

 どう??





2016年9月20日火曜日

10月の健美膳

あつあつ揚胡麻団子

秋、「潤い」を意識し始める季節です。

中医学には「滋陰」という言葉があり、陰液=血と津液(全身の水分)を滋養するという意味。
陰と陽。これに「気」という文字をつけたら、陰気と陽気。
陰気はなんだかネガティブな響きに感じられますが、潤いなのだと思うと、ちょっとイメージが変わります。
体の60%は血液と水分。陰があって陽の艶もでるというもの。表裏一体のありようを紐説きながら、体が喜ぶお料理をいただきましょう。


   「女性の要サポート」
  〜血を整え老化予防〜

   ・夏草花補全スープ
   ・烏賊のお料理
   ・古代米の赤飯 
   ・熱々揚胡麻団子
   ・おいしいお茶

   ※ 料理内容は、食材の都合等により変更になることがあります。

  エッセンシャル食材:夏草花 木耳 イカ 黒米 胡麻 
        テーマ:養血、滋陰、陰陽

 日時:10月1日(土)、2日(日)、11日(火) 10:30~
 

老松の篩月




太陽より月が気になり始めたら・・・・秋ですな。

先週は、闇夜の十五夜でちょっと残念な気持ちでしたが、私の中秋は月餅と共に或る♪と、気を取り直し、カレンダーの予定とにらめっこしながら月餅作りの日を算段。
もう少し風が冷たくなるのを待ちたいと思います。

月のパッケージに魅かれ、お茶請けにコレ。 老松の篩月(しげつ)。
月明かりのようなやさしい甘さです。


2016年9月16日金曜日

9月のNHKカルチャー


胡瓜のプリン


春夏期の最後の教室、メニューは羅漢果ゼリーのあんみつ風と胡瓜のプリン。
夏野菜の代表、胡瓜。ついにデザートに・・・!!

今年の夏は、ホントによく胡瓜を食べました。
その分、ゴーヤとはちょっと疎遠だったような・・・。


胡瓜のプリンは、最近めったにお目に掛からないけれど「プリンスメロン」のような瓜ウリした香りです。「西瓜の香りだ!」という鼻の効く方もいらっしゃったりなんかして(笑)。
瓜に共通する香りを実感した今日の一品でした。

そういえば、羅漢果も、瓜なのだけれど、コチラはなんだか少々素性が違います。
なんといっても修行を終えていますから(笑)。
この瓜科の実が修行したのではなく、修行を終えた羅漢が、自生している果実の優れた働きを見出したと言われているのです。その効能も、まさに自然の恵み。

ヒロシマの街、巷では「神ってる」カープの優勝に湧いておりますが、羅漢果の恩恵を知った人々にとってまさに「神ってる」果実=長寿の神果、羅漢果だったのでしょう。


 ● 羅漢果: 
  産地:広西省チワン族自治区の東北部、桂林周辺。
  性味:涼・甘 / 帰経:肺・脾
  化痰止咳 清肺止咳 潤腸通便 生津止渇
  肺熱を取り、咳を鎮める効果がある。乾いた咳に。腸燥便秘にもよし。
  乾燥させることで、腸内ビフィズス菌の栄養になる
  テルベングリコシド配糖体を生む。
  その他、ミネラル豊富。

2016年9月5日月曜日

雪菊茶


雪茶、雪蓮花、そしてこの雪菊茶。 チベットのものは、名前に「雪」の文字が付くものが多い。

天山山脈、崑崙山脈の、雪の中で成長した野生菊。
厳しい環境で育った植物には厳しさに耐えるチカラが備わっているみたい。

標高2千メートル以上のところで摘まれているらしいこの小さな花を、数つぶ湯呑みに入れてお湯を注ぐと、みるみる黄色が滲み出て、さらに褐色を帯びる程に。なかなかストロングな菊茶です。

菊は中枢神経の鎮静作用がありリラックス効果が高くて、消炎作用、肝臓解毒作用、視神経にも作用して疲れ目、ドライアイなどの助けになる。この雪菊にはビタミン、アミノ酸も豊富なんだとか。

エベレストはネパールだっけチベットだっけ?? ・・なんて思いながら、地図帳をめくり、チベット高原の頁を見ると、エベレストに肩を並べる標高7、8千メートル級の山々。人を寄せ付けない環境。その畏れ多い山々のエキスを含んだ雪解け水で育った植物が生薬になり得たことは、自然の成り行きのように感じます。

雪菊茶を啜り、・・あぁ〜・・効くぅ〜〜。