桜には、数十種類あるそうだが、私達が一般的によく花見で見ている桜はソメイヨシノという種の桜。
ソメイヨシノは、早いうちから花が付き、色づきもよいことから、広くあちこちに植林されています。このソメイヨシノはエドヒガンと大島桜の交配品種なのだそうです。
エドヒガンは、別名しだれ桜ともいい、花は小さくてピンク色が濃い。一方、大島桜は、花が大きくて白っぽいのが特徴で、桜餅に使う葉っぱは、この大島桜の方らしいのです。
葉っぱを塩漬けにして醗酵させると、葉に含まれる香り成分のクマリン配糖体を出す。私達が楽しむホワッと薫る桜餅の香りは、クマリンなのだとか。
このクマリン配糖体のアロマで癒し効果が・・・あるかどうかは定かではないが、桜もまた、桜皮(おうひ)を、漢方薬として江戸時代の民間療法として使われていたそうです。細身の山桜の樹皮を煎じて、魚の中毒、腫れ物、解熱、排膿、咳止め等に使われていたそうで、現在でも、桜皮のエキス製剤は、鎮咳去痰薬(ブロチン)として臨床に用いられているそう。咳止めなら、既にいろいろな薬があるから、あえて桜皮を使うこともない気がしますが、桜にロマンを感じる日本人には、高貴薬の気分かも??
薬効の話はさておき、とても気になることが一つ。
エドヒガンは、寿命が樹齢300-400年、大島桜は150-200年。ところが、ソメイヨシノは、60-70年なのだとか。
広島の平和公園に咲き乱れる桜の殆どはソメイヨシノ。戦後60年を過ぎ、そろそろ植え替え時期が来ているのかも・・・。いろんな意味で、これから10年は節目の年になりそう!??
余談その1:
関東では桜を庭に植えないそうで、以前広島に昭和天皇が訪問された時、庭に桜が植えてある家を、不思議そうにご覧になったというエピソードがある。桜は虫が尽きやすい上、横に広がって成長するため、庭先には不向きとされたのか・・実際のところ、私もよく知らないが、西日本では、まま見られる光景のようだ。
余談その2:
北海道旅行から帰ってきた友人によると、北海道の人は花見の習慣が無い(!!?)のだとか。
北海道の桜は、雪深い気候に適応してか枝を張らないので「木の下で・・・」というイメージそのものが希薄なのだという。北海道の桜は重たい雪が乗っからないよう、スリムに成長しているらしい。
余談その3:
さくらんぼ・・は桜の実。正確には、セイヨウミザクラの実。ヤマザクラやソメイヨシノの実は苦くて食用にならない・・・ということですが、アメリカンチェリーと山形のサクランボの違いは??? 調べてみます。