2020年4月29日水曜日

GWのお茶時間


なーんにも予定がないまっ白なGW。
廣島三次銘菓の泡雪かん(渡邊精進堂)に「金のふりかけ」(歴清社)  “ゴールデン”な気分♪

「ちょっとだけよ〜」。

お茶も、お薄にしたくなる。
茶畑では明後日は八十八夜♪

2020年4月24日金曜日

パンデミック エピデミック(9)ファッションと疫病

イザベラ・デステ: 画像は Wikiから拝借m(_ _)m

イザベラ・デステ(伊/ Isabella d'Este /1474~1539)。
多くの芸術家を庇護し、イタリア・ルネッサンスを牽引した知的で高潔な女性。

14世紀のペスト・パンデミックで、これまで救いであるはずだった教会の無力さを目の当たりにした人々の価値観は、大きく変わりました。表現にも、絵画のモチーフとなる対象にも、大きな変化が起こります。
東洋がどこか足踏み状態の時代、ペストを乗り越えたヨーロッパでは、芸術の消費が盛んになっていました。

「疫病 は人を選ばない」。

コロナ蔓延の今、専門家の口からも聞かれるこの言葉が、この時代もリフレインしていたことでしょう。

今日はイザベラ・デステの活躍談ではなく、この肖像画に描かれている彼女の服飾について。左肩から斜めに身に付けている貂の毛皮。
実はこれ、ノミ除け効果を狙ってのものだったのだそう(!)。
14世紀にヨーロッパ中を襲ったペストは、ノミを媒介に広まった疫病。
故、その後のヨーロッパでは、ノミを自分に寄せ付けない為にドレスに毛皮をあしらったり、肩掛けを身に付けたりするファッションが流行したらしいのです。いわゆる「ノミ・ホイホイ」。
あの、ロココのふっくらドレスの裾にダニ取りを引っかけていたというのも衝撃的でしたが・・・いやはや。。。。

そうこうしていると、時代は宗教が支配する世界から絶対王政へーーー。
植民地を求めて大航海時代へ。
そして、次の疫病「梅毒」の到来です。

コロンブスは、天然痘や麻疹などを新大陸に持ち込み先住民に壊滅的な被害(アステカ文明はこれで滅びます!)をもたらしましたが、"おみやげ" も持ち帰ったのですよ。
カリブ海サンサルバドル島かハイチあたりから持ち帰ったとされています。
コロンブスに象徴される冒険家たちが16世紀以降、南米アマゾンなどから、旧大陸には免役のない新たな菌を持ち帰ることになるのです。

その話の詳細はさておき、今日はファッションへの影響についてでした。

マリリンモンローのイブニングドレス。オークションで5億3千万円の値がついた。
https://cinefil.tokyo/_ct/17014542

写真は、マリリンモンローが、JFKことケネディ大統領の45歳の誕生日に「ハッピーバースデー・ミスター・プレジデント」を歌ったとき着ていたイブニングドレスです。

背中がガッポリ開いたドレスは、なんと「梅毒に掛かっていませんよ〜」という証しに肌を見せていたのが始まりなのだとか(!)。[「続・人類と感染症の歴史」より]
梅毒は、他の多くの疫病とは異なり、感染してからのプロセスが長く、感染してから約3週間の潜伏期間を経て局部にしこりが出来(第1期)、一旦病状が消えて3〜12週間後に皮膚い紅斑が生じる(第2期)。その後長〜い無症状期を経て第3、第4期へと移る病気ですが、この第2期のバラ疹が出ていませんよということのアピールなのです。
イブニングドレスの流行は、19世紀に入ってから(?)のようですが、世界がグッと近くなった16世紀以降、この病もずっと居座り続けていたのです。

画像はアデランスのサイトから拝借しました m(_ _)m
さらに、ヨーロッパでのカツラの流行の陰には、ペストと梅毒両方の対策があったといいます。

最初は、ペスト菌を媒介するノミを防ぐために短髪にしたことから始まったカツラの着用ですが、梅毒が蔓延時代になると、その症状のひとつである円形脱毛症(感染して約5カ月頃に起こる)を隠すものとして利用されるようになったのでした(!)。


これからは、ゴージャスなドレス姿や男性のロン毛(カツラ)を見る目が少し変わりそうです(苦笑)。

まだポストコロナのことを考える余裕などとてもあり得ない昨今ですが、今ユニークなマスクが沢山生み出されています。私のお気に入りは、手ぬぐいから作るマスク。
着物のように、どこの柄をどう見せるか。そんなところもセンスの見せ所。
これからマスクが益々身近な装備品になることでしょうけれど、これはファッションとして定着しないような?? いや、その前になんとしても終息させねば!




※エリザベス1世のこの赤毛、実はカツラです。彼女の場合はペスト対策ではなく、天然痘に掛かった瘡の後を隠す為だったようです。ちなみに、どこか違和感があるほどの白い顔も、瘡を隠すためのおしろいでした。(写真ではなく肖像画の時代は、いくらでも隠せますね。)




「人間は、社会動物です / Human being is a social animal」。

これも今、社会的距離(social distance) の話の時によく聞かれる言葉ですが、命の危険にさらされることが分かっていても、人間は接触し交わり、コミュニケーションがやめられない生き物なのです。
もちろん、中世や大航海時代の頃はまだ菌やウイルスの正体は分かっていなかったので瞬く間に広がってしまった訳ですが、それにしても、梅毒が、コロンブスの新大陸発見から僅か20年で、ポルトガルの種子島漂着(1543年)より先に、大陸経由で日本にまで到達していたという事実には、とにかく驚きです。

そして!
目下のコロナ、COVID-19。
グローバル化した世界に未だかつてないスピードで瞬く間に広がりました。
しかも、なんとも賢いウイルス(ウイルスに脳はないおろか生物としても不完全な存在なのだけれど!)で、私達の大切なコミュニケーションの部分に、新たな形でかかってきたではないか(!!)。脳が、心がある生命体であるが故に辛い〜)))
でも、脳があるからこそ、ウイルスに賢く対処出来るはず。

人間は、社会動物。そして愛と自由を求める生き物。閉じ込められると反発し、どうしても外へ出ようとしてしまう。
その本能をじっと押し殺して耐えるのは、本当に大変なストレスではありますが、今はしばし、がまん、がまん。 
そして、嗚呼、やっぱり人間は、社会動物。

「感染症は社会で越える」のだ。

皆で一斉に取り組むことで、押さえ込みを可能にする。パンデミック終息の要もまた、ここにあるのではないでしょうか。


2020年4月20日月曜日

『麒麟がくる』4/19にでてきた生薬

「出てきた」といっても、名前だけですが・・・。
今回の大河ドラマでは、ちょっと忍びのような動き方をする妙な医者 東庵(堺正章)と、その助手のお駒さん(門脇麦)が、よく生薬を求めて(?)美濃〜尾張をウロウロ。
薬の名前も出てきます。
今日は、車前子(しゃぜんし)、甘草、人参、地骨皮(じこっぴ)、竜胆(りゅうたん)が。

車前子は、オオバコの種のこと。日当たりの良い道、田んぼの畦道などで、元々車馬車の車輪通る道ばたや車輪が踏まない真ん中に生えていたのがこの名前の由来とか。身近な植物なので、民間療法として使われることが多い薬草です。
葉っぱは、主に咳止め効果があるとされ、種は生薬として「清熱利水」(=消炎&利尿効果→膀胱炎や尿道炎の薬に配合されたりするらいしい)や「清肝明目」(目の充血や老眼予防)、または「化痰止咳」(=咳を鎮めて痰を取り除くこと)に使われます。
お散歩でオオバコの葉を見つけたら、摘んで帰って天ぷらもいいですねえ)))。少し体を冷やす性質がある(「寒」です)ので食べ過ぎに注意。(食べ過ぎるほど生えていないかな・・w)

地骨皮は枸杞(クコ)の根皮のこと。
クコは、実はナス科の植物なのであります。茄子は止血作用、けつね
だから茄子同様、体を冷やす性質があります(「寒」です)。
水分代謝や気の流れを整えながら潤し(滋陰滋養)慢性的な熱を取る働きがあるとされています。

竜胆は、リンドウの根っこです。
かじったことはないですが、リンドウって苦いらしいのですよ。
動物の胆汁を生薬としているものに、牛胆、熊胆(くまのい)などがあるけれど、これらは消化薬として使われています。消化液えある胆汁が固まったものなのだから、そのまんま。一方、竜胆は植物性で、消化薬というより、飲食の不摂生などで起こった肝と胆の炎症を鎮める働きがあるそう。その苦みは、熊胆以上なので「竜」とされたとか。
苦みのあるものは体を冷やすものが多く、炎症を取るとか火照りを取るとか、そんな用途に使われます。
陰陽五行で見ると、火ー夏ー南ー暑ー苦ー赤・・・とあります。
夏は、苦瓜やピーマン等々、苦い食べ物が美味しく感じますよね♪ 体が火照りを取って〜〜と言ってるのでしょう。

以上プチ解説でした。

参考:薬膳素材辞典(源草社)
   漢方処方生薬図鑑(草隆社)


2020年4月19日日曜日

COVID-19 世界の感染状況 統計(ロイター)

これはすごい 
All at glance.
一見して世界の様子がよく分かる図とグラフです。
   ↓
https://graphics.reuters.com/CHINA-HEALTH-MAP-LJA/0100B5FZ3S1/index.html?fbclid=IwAR23NOqyrAVxUBJDXssUp5KUwoFdpRiOqXE2TVNaQghPMtrjVKTyT3yvUW8

出典:各国政府機関、各国報道、世界保健機関(WHO)、中国国家衛生健康委員会、ジョンズホプキンズ大システム科学工学センター

中国の数字は・・・ホントかな〜??と、つい思っちゃいますがw

リーダーたちの想像力がこれらの結果に直結している。
政治と命が直結していることを身につまされて感じます。



女性リーダーが活躍している国々。
ドイツ、台湾、ニュージーランド、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、デンマーク・・・
   ↓
https://www.forbes.com/sites/avivahwittenbergcox/2020/04/13/what-do-countries-with-the-best-coronavirus-reponses-have-in-common-women-leaders/?fbclid=IwAR2_aKC8At8jRkC2_7ubfYVVHN8gpRdSTzZT1lBjyGZUEyeHPhIzRtEte4M#3ade68733dec

コロナの押さえ込みに成功した国を見極め、どういう初動でどういった対処をしてきたかにしかと学ばなくては。
そして、この時期にあぶり出される為政者をしかと見極めておきたい。)))
政治家だけでなく、あらゆる分野の方々、身近な人々も、その人となりが試されていますね)))。自らも衿を正して参りたいと思います。

最後に、メルケルさんのメッセージ(4月8日にだされたもの)を。
   ↓
https://courrier.jp/amp/196465/?fbclid=IwAR1Ce1uFx8jnxA3qVgMGNYG7EYvZOikdzSp3jIWkmvCK4fmpHwDYlrdjaxg



2020年4月17日金曜日

コロナウイルスについて

コロナウイルス=SARS-CoV-2 
COVID-19を引き起こしている新型ウイルスの正式名称のことです。
COVID-19はコロナウイルス感染症のこと。


とーっても分かりやすい図解がありましたのでご紹介します。
    ↓


それから知りたいのは、具体的に、菌がどれくらい生きているのかということ。

最初(2月頃)は布の上では割と直ぐに死んでしまうと言われていましたが、情報も時の経過と共に変わってきました。
いろんな専門家がサイトで紹介しています。それらによると・・・
衣類などは、数時間といわれています。毎日洗濯&クリーニングという訳にもいかないので、外側をくるむように脱いだら、風通しのいい場所、陽射しの当たる場所ではたいてから、しばらく晒しておくのがよいようです。上着はアルコールスプレーを吹きかけることもできますが、皮製品などは色落ちすることがあるので要注意。
https://mi-mollet.com/articles/-/22951?page=2
靴底も、飛沫が地面に落ち靴底に付着する可能性は低いし量も少ないので心配入らないとのこと。

 ・エアロゾル(空気中/飛沫など)最長3時間 
 ・ダンボールの表面 24 時間
 ・木材の上では 4日間
 ・プラスティックの表面 72 時間
 ・ガラス ?? 
 ・金属
   ステンレスの表面 72 時間
   銅は4時間
 
 ※金属、ガラス、プラスチックなどでは、最大9日間生きることもある。

https://www.bbc.com/future/article/20200317-covid-19-how-long-does-the-coronavirus-last-on-surfaces

菌が快適な(増えやすい)温度は?? 湿度は???
これについてはまだよく分かっていないようですが、COVID-19は、インフルエンザウイルスと類似の形態をしていることから、高温多湿は苦手なのでは?という見方もあり。

髪の毛に付いていたらどれくらい生きている??

ウイルスは紫外線と熱に敏感で、正常な情況であれば屋外の一般的な仕事場に出た場合、高濃度で活性を持つウイルスが含まれる飛沫が髪につく可能性は非常に低い。日常的に髪を清潔にしていれば良い” 中国疾病予防管理センター・馮録召研究員より
https://spc.jst.go.jp/news/200204/topic_3_02.html
ともあるけれど、玄関で下着以外を脱いで、そのままシャワーへ!とも(NHK)。

消毒薬は・・・?


エタノール(エチルアルコール)→お酒に含まれるアルコール(酒精)、消毒用アルコールもこれ。

? セタノール(セチルアルコール)→スキンケア・メイクアップ化粧品等に使われている。

?パルミチルアルコール→エタノール、セタノールと同様にメイクアップ化粧品などに使われている。

× メタノール(メチルアルコール)→燃料用アルコール 有害

◎ 次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)

◎ 次亜塩素酸水→食塩水(塩化ナトリウム水溶液)や塩酸(いわゆる酸)を電気分解することにより作られる。
https://www.oote-itsuki.com/about_jiasui.html

アルコールは70%以上が推奨されています。
(・・が、それ以下でも有効性があるとのこと)
  ↓
vTrpyV5eR0FZIE01CwZ8ssWDwYClRkhttps://www.kitasato-u.ac.jp/jp/albums/abm.php?f=abm00026588.pdf&n=20200417_プレスリリース_医薬部外品および雑貨の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化効果について.pdf&fbclid=IwAR1kKu_bkbrTVgyvxBYAOHu1v2Cv-vTrpyV5eR0FZIE01CwZ8ssWDwYClRk

持続可能な方法を考えていきたいものです。



2020年4月12日日曜日

教室をしばらくお休みにします

皆様、おこもりの週末をいかがお過ごしでしょうか?

感染者数が関数的スピードで変化している中、この先簡単には明るい展開はないと見て、今後の料理教室、そして食事会、お茶会等はしばらくお休みとすることをお知らせ致します。

広島でも感染者が増え始めています。そしてこの患者数は2週間前の感染だという認識で考えなければなりません。

ついこの前まで皆で粽や餃子、お団子を作っていたのに。今はそんなこと言ってられない事態になりましたね)))。


※以下、医学の専門家でもないのに僭越ですがお許しを。
中医学は「未病先防」が原則ですが、日本も「先防」に失敗しました。

「治病求本」ということばがあります。
病気を治療するためには本質を探し求めなければならないという意味です。表面に出ている症状だけでなく、その根本を治療しなくてはということ。

これを前提とした上で、「急則治標」と「緩則治本」、「標本同治」のどれを取るかを決めるのです。

「急則治標」とは、表に出ている症状「標」が深刻な場合、まずそれを優先対処するというものです。
「緩則治本」とは、その反対。自覚症状はさほどでもないとき、根本のところを診て治療するというもの。
「標本同治」とは、根本治療(緩則治本)と対処療法(急則治標)を同時並行で行うというものです。

これは用の東西を問わずそうだと思いますが、この考え方を社会に当てはめ、刻一刻と変化している状況を見極めなくては・・・と、思っても、グローバル化した世界のこのスピード感に、つい対処良法になってしまいがち・・・想像力を巡らせて、智恵を絞り、継続できる努力をしていかなくてはと思っています。

これまでのご縁だけは変わらずにあることを祈りつつ、自粛のストレス発散になることなど、Blog上でUPできたらとも思っています。


ウイルスはなくなることはないけれど、上手く付き合う対処法が分かり、もう少し安心して行動できるように、一刻も早くなれることを祈ります。それが遠い日でないことも。


それでは、どうかどうか、皆さんくれぐれもご自愛下さい。



暮らしのスパイス
 藤井 真紀...

2020年4月11日土曜日

ウイルスと細菌の違い


◎ウイルス(Virus)とは
・他の生物の細胞を利用して、自分を複製する物体(半生物?)
・細胞はなく、DNAまたはRNAだけで、蛋白質の壁(エンベロープ)に包まれているだけのシンプルな形状。
・自らは動けないし増殖できないので他の細胞に乗り移り乗っ取って(細胞がもつ仕組みを利用してコピーをつくる(増殖する)→他の細胞を利用するのでシンプルさを保っている→細菌より小さい。
・変化し易い。
・治療は・・・抗ウイルス薬(少ない)

●ウイルスが原因の病気
 天然痘 (天然痘ウイルス)
 麻疹(はしかウイルス)
 風疹(風疹ウイルス)
 インフルエンザ (インフルエンザウイルス)
 狂犬病 (ラブドウイルス)
 エボラ出血熱 (エボラウイルス)
 SARS (サーズコロナウイルス / SARSr-CoV)
 MARS (マーズコロナウイルス / MARSrCoV)
 感染性胃腸炎 (ノロウイルス)…etc.


細菌(Germ, Bacterium)とは
・単細胞微生物。細胞がある。呼吸や光合成をして自ら増殖することができる。
例えば腸内細菌。善玉菌、悪玉菌、日和見菌。その多くは日和見菌で、宿主(人間)が元気な時はおとなしいけれど、元気が無くなると暴走する(悪玉菌化する)。ちなみにカビは、微生物のコロニー。
・治療は抗生物質。

●菌が原因の病気
 結核 (結核菌)
 ペスト(ペスト菌
 ハンセン病(らい菌(抗酸菌)
 梅毒 (梅毒トレポネ—マ
 コレラ (コレラ菌
 破傷風( 破傷風菌が出す毒素
 腸管出血性大腸菌O-157 ( ベロ毒素)
 腸チフス(チフス菌
 パラチフス(パラチフス菌

 発疹チフス
 その他食中毒菌いろいろ 
   サルモネラ菌
   腸炎ビブリオ 
   ボツリヌス菌(ボツリヌス毒素)
   黄色ブドウ球菌
 

ウイルスは、自分では動けないので、ひっつかせなければ増えることが出来ない!  
特性がわかっていれば、実は滅ぼし易い筈なのに、やっぱり動いていると次から次へと増殖し続けるのでパンデミックになるという訳なのですね。))
4月3日のブログよりこれが先だったかな??

参考:イラスト図解『ウイルス・細菌 カビ』日当書院

   

2020年4月10日金曜日

BS11で『武則天』

BS11で、ファンビンビン主演の『武則天』が、始まりました。

以前チャンネル銀河で全82話(!)が放送された際、料理教室の生徒さんが全話をDVDに焼いて持ってきてくれ、私、全部見たのですよ。(時には倍速でw)
面白かったです。

時代考証はかなり大らかですが、超が付く人気俳優陣のファンビンビン as 武則天、アーリフ・リー as 高宗、ベテランのチャン・フォンイー as 李世民/大宗らの配役、中国エンターテイメント界のパイの大きさ、そしてそのトップのの魅力が見せつけられるドラマです。

単に後宮ドロドロのえぐい話にとどまらなず、人物像や心情が巧妙に描かれてて、なかなか深い。

家で、煮込み料理でも作りながら、ご覧になるのもよいのでは?
・・・と、いいたいところですが、「ながら」で見るのはムリなドラマです。
台詞のひとつを聞き逃したら、ついて行けなくなる展開の速さ(!)
だからお茶でも淹れて、テレビの前にしかと座ってごらんになることをオススメします。


時代考証の突っ込みは端に置き、ここではちょっとドラマには描かれていない時代背景のおさらいを。

唐は618年〜907年の約300年間、皇帝は20代続いた王朝で、その時日本は、大和〜奈良〜平安時代の中期。日本がまだ「日本国」として認識されていない(倭国といわれていた)頃から「日本」として文化的にも政治的にも形づくられる時代とです。

「約300年」続いたといっても、実のところ唐の全盛は武則天の孫にあたる玄宗帝のころまでで、その後は、なんだかパッとしないのです。。。
それを反映するかように、合計19回送り込まれた遣唐使も、3代目の高宗〜武則天の頃までで8回、玄宗帝とその次の代で7回と、ほとんどは前半だけ。後半は唐もだんだん乱れて仏教弾圧(840~846年「会昌の廃仏」)もあり段々先細り、最後は菅原道真(20回目で行く予定だった)がリスクに見合う利益はないと進言し、取りやめとなりました。

このドラマの時代で私達がよく知っている人物は、なんといっても唐の幕開けと同じ時代を生き太宗の庇護を受けて天竺へ旅だった玄奘三蔵(602~664年)ではないでしょうか。
太宗の後を継いだのが高宗そしてその皇后&則天武后(高宗の死後、女帝・武則天となる)で、その治世は649~705年。
(※武則天というのは「皇帝になった」呼び方、則天武后は、皇后の呼び方。)
武則天も熱心な仏教信者だったとか。仏教の力を大いに活用したであろうことは、龍門石窟奉先寺の廬舎那仏を自分に似せて造らせたことからも分かりますが、ドラマには一切描かれていません。
ドラマでは、殷徳妃が熱心な仏教徒として描かれ、ヒマさえ有ればもくぎょうを叩きながらお経をよんでいます。

『武則天』、これからいろいろな女官や後宮の女、宦官たちが生き残りを懸けて様々に足掻きます。激しく、逞しく、切ない!!

後宮のトップレディー3人と、身分について知っておくと、ドラマが一層楽しめます。

 <唐代(前半)の妃嬪制度>
   1 皇后
   2 貴妃(正一品) 
   3 賢妃 徳妃 淑妃 (正一品) 
   4 (九嬪)昭儀 昭容 昭婉 
         修儀 修容 修婉
         充儀 充容 充婉(正二品) 
   5 正三品 しょうよ
   6 正四品 美人
   7 正五品 才人

ドラマに出てくる韋貴妃は、韋一族出身の貴妃の地位の女性。
楊淑妃は、楊一族出身の淑妃。(楊一族は隋の王族)
殷徳妃と合わせて2人は正一品という皇后に次ぐ身分です。
もう一人劉賢妃がいらしたのですが、第2話で早くも殺されてしまいました。

ドラマの最初は、武則天(ファンビンビン)は、武一族出の才人(正五品)です。
武則天の孫にあたるのが玄宗帝です。
玄宗帝の貴妃、楊貴妃は、楊一族の人。
皇后に次ぐ貴妃の地位だったということになります。

全82話で週4回20カ月。
このドラマの放送が終わる頃には、どんな日本になっているでしょうか??



<おまけ>
『疫病と世界史』(下巻)の巻末にある「中国における疫病」を見ると、朝鮮半島への遠征の頃に何度も山東省や満州南部で疫病が発生しています。
・・という訳で、同時期、日本は疫病続き。「パンデミック エピデミック(6)」参照


2020年4月7日火曜日

パンデミック エピデミック(8)魑魅魍魎

巷では、アマビエなる妖怪が、ちょっとしたブームになっているらしい。
半人半魚のキラキラの妖怪で、豊作や疫病の予言をするんだそうだ。

江戸時代、肥後(熊本)の海に現れ「疫病が流行ったら私の写し絵を早々に人々に見せよ」と言って海中に姿を消したという記録がちゃんと残っているんだって。

妖怪といえばあのお方、水木しげるセンセイ(!)。どんなアマビエ描写をなさっているのかな?・・と、ググってみたら、水木しげるプロダクションさんが3月17日にツイートなさっているのが出てきました。

https://twitter.com/mizukipro/status/1239818518536704001/photo/1

おぉ・・背景の岩との一体感が神々しさを醸し出している!!
流石その道の第一人者です。
(水木しげるの故郷 鳥取県境港市の水木しげるロードにはアマビエの銅像があるらしい。まさかそのお陰で未だで感染者を出してない県に!?--そんな訳ないですよね。)

江戸時代といえば、幕末のコレラ大流行が記憶に新しい(スミマセン、私の記憶は大沢たかお&綾瀬はるから主演のドラマ『JINー仁』です)のときも、コレラ封じにみな玄関にお経やおまじないの絵を貼っていましたっけ。
あのドラマ(原作マンガ)は、梅毒で始まりコレラで龍馬も大活躍し、天然痘治療に貢献した医師で蘭学者の緒方洪庵もでてきました。

ドラマでは、梅毒はミカンの青カビから培養して作ったペニシリンで、コレラは職人手作りの点滴で現代からタイムトリップした南方医師により対策がなされた。天然痘は出てこなかったけれど江戸時代ならまだ撲滅されていない。労咳(結核)も、あったはず。
南方先生はたぶん現代で予防接種を受けていたはずだから少し安心だったかな?


あれから1世紀半。
コロナウイルスの大流行に対し、現代人もまたアマビエなど描いたりして慰めているのだから、人はやはり不安を緩和する精神療法が必要ということなのでしょう。要するに、人のメンタリティーは奈良〜平安の頃とさして変わりないってことか。))
やっぱり歴史から学ぶことは沢山ありそうです。


世間では「アベノマスク」が揶揄されているが、そのうち令和の安倍晴明なんてのも現れるかな〜。たぶんSNS辺りでね……。まさか立烏帽子に直衣、扇片手に——ではないでしょうが。
変な詐欺には気を付けたいところ。

ああ、神様仏様、パンデミックで医療崩壊・・・なんて悲惨な事態にはなりませんように! おっと、気が付けば私も神頼み(苦笑)。


<つづく>

PS:  オマケちばてつやさんも「アマビエ」描いてました♪
 ↓
htmlhttps://ameblo.jp/chibatetsu/entry-12584258595.html

2020年4月6日月曜日

パンデミック エピデミック(7)志村けんさん 涙

飄々としてオバカなキャラでお茶の間を楽しませてくれた志村けんさんが、今回の疫病で亡くなった。
発病から重症化する期間がとても短くて、これまでの深酒やたばこなどの不摂生が祟ったのかというところも否めないけれど、芸の肥やしはなんとやら、体調を崩した2016年以降も回数こそ減ってもやっぱりお酒やクラブ通い、ガールズバーにも出掛けていたそう。これはもう不摂生というより「志村けん」はそうやって構築されていたんだな〜とも思う。
仕事熱心で芸に生きた方なのだ。

そして「色っぽいおじさん」とも評したい。
4人の女性と結婚した喜劇王チャップリンの最後の奥さんは、36歳年下の女性(18歳の時に結婚)で母親の面影があったとか。チャップリンには、親子ほども違う女性に母性を抱かせるほどの愛嬌とエイジレスな色気があったんだと思う。そしてチャーミング! 志村けんとチャップリン、重なるところが多いな。))特にひげダンスは、和製チャップリンを彷彿させる志村けんのオリジナル。(※あのウォーキングは簡単そうで、手足Up-Downのコーディネートが案外難しいw!)
毎週毎週繰り出す手品技の影には相当な研磨があったことでしょう。
訃報と共に流れる懐かしの映像を見ながら、やっぱり毎回笑ってしまう。
ほんと、泣き笑いデス)))。

さて・・・
疫病は、時代時代に様々な人の命を奪ってきました。
かの14世紀のペスト流行は、キリスト教の腐敗のピークにも重なって、100年戦争をさらに長引かせた。(疫病蔓延中に戦争なんて!コワ〜)聖職者も貴族も老いも若きも無差別に容赦なく襲うペストは平等な神だなんてこれ以上無い皮肉もいわれたりもしたようで。死神なる虚像も作られ、集団ヒステリーの悪魔ダンスまで起こる始末。
ヨーロッパ全人口の1/4〜1/3が亡くなったというから、何年にも渡りヨーロッパ各国をおそい集団免疫を経るまでの状態に達してからの終息という最悪の形を辿ったパンデミックでした。
くちばし付のマスクとマントはペストを防御するためのスタイル
くちばしの所には、抗菌と腐敗臭を紛らわせるためのための
スパイスと藁が詰められていたそう!      
このペストは、その後の社会を大きく変えました。
宗教もアートも文学も、はたまたファッションも・・・。
シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』も、ジュリエットの手紙を託された使者が、ペスト患者と接触して隔離されてしまい、ロミオに伝わらなくて、ロミオは死んでしまうのでした。病原菌ではなくてもこんな二次的な死も少なくなかったでしょう。。。世がペストの中の恋だったのね〜〜と思うと、刹那的な気持ちもあったのかな。ポスト・ペスト…沢山の死を目の前にしたら、人々の人生観もそりゃ変わりますな。))


時代は下って、20世紀パンデミックは・・・何と言っても、SARS(2002),  MARS(2012)  新型インフルエンザ(2009)、そして、スペイン風邪(1918-19/ 強烈なA型インフルエンザだったらしい)。

第一次世界大戦下で蔓延したスペイン風邪は、スペインが発祥だった訳ではなく、アメリカ・カンザス州ハスケルで発症し、ヨーロッパへの移動に伴いアメリカ軍駐屯地があったマルセイユへ、そこからヨーロッパ中へ広まったインフルエンザだったという。
当時中立国だったスペインが「病気が蔓延してます〜!」と初めて声を上げたのと、国王アルフォンソ13世が感染したことが公にされたので「スペイン風邪」なんて呼ばれるようになってしまった。
戦時下故隠し続けられた結果、第二次世界大戦の死者と同じ位の数の死者を出し、こちらも集団免疫を経るまでの状態に達してからの終息という最悪の形を辿り、静まるまで2年も掛かっている。

ちなみに、スペイン風邪で亡くなった著名人には、以下の人達がいます。
 
  社会学者のマックス・ヴェーバー(ドイツ)
  詩人のギョーム・アポリネール(イタリア出身のポーランド人)
  オーストリアの画家 エゴン・シーレ、グスタフ・クリムト
  日本でも、竹田宮恒久王(皇族)
  末松 謙澄(政治家)
  辰野 金吾(東京駅の設計者)
  島村 抱月(劇作家)←愛人 松井須磨子が後追い自殺
  大山捨松(大山巌夫人)
  西郷 寅太郎(軍人・西郷隆盛の息子)  etc..


21世紀早々のパンデミック、コロナウイルス。
最初に志村けんさんのお名前をここであげることになろうとは(号泣)。

 =合掌=
 
ペストやスペイン風邪のように、集団免疫による集結なんてこと、ありませんように!!

<つづく>


2020年4月5日日曜日

天目茶碗

和泉 良法(いずみよしのり)作

先日の「歴史秘話ヒストリア」。
天下に3つ(4つ?)といわれる曜変天目茶碗の、4つ目の茶碗の検証。
その在りかは全て日本なんだそう。
1つは…水戸徳川に伝わる「水戸天目」。藤田美術館(大阪)所蔵。
2つ目は…三代将軍徳川家光から春日局に下賜され、春日局の嫁ぎ先稲葉家に伝えられた「稲葉天目」。静嘉堂文庫ミュージアム所蔵。
3つ目は…お目見えしなかったけど、筑前黒田家に伝わっており、黒田家の菩提寺、大徳寺塔頭 龍光院が所蔵。

(1は、一昨年、藤田美術館に拝みに行きました! 藤田美術館は、開館している期間に制限がある蔵のような美術館。控え目な照明の中で不思議な光を放っていました〜〜))))

そして。。。
4つ目。それは、足利義政から織田信長に受け継がれた信長所有のもので、本能寺で失われたかもしれない一点!?

それはどこに? どうなったか!??
これは、信長ファンでなくても歴史好きにはたまらないミステリーのひとつですが、私は、本能寺からの行方よりも、なぜ中国製でしかも秀逸のこれらの茶碗が全て日本にあるのか!? ということの方が、ひじょ〜に気になります。

先日、ギャラリー而二不二(ムニフニ)のオーナー吉田さんから興味深いお話を聞かせて頂いたのですよ。それは、あの、曜変の独特のブルーに斑文が浮き上がった様、中国ではちょっと不吉とされていた(?)という話。

窯の中での化学反応で、何個か偶然にもそうなってしまった・・・!ある意味見方によってはちょっと毒々しくもあるブルー。)))私の中で、妙に腑に落ちたお話でした。

日本では「宇宙を宿す宝」といわれた曜変天目茶碗。
「曜変」とは、丸い斑文に青い光彩のこと、「天目」とは擂り鉢のような形のこと。

検証するのは、陶磁器の第一人者、東洋陶磁美術館館長の出川哲朗氏と学芸課長の小林仁氏ら。
クリアしなければならない条件は、
1)中国宋代(960~1279年/平安〜日本の鎌倉時代)のものであること
2)建窯のものであること 
3)7色に輝く構造色があること

茶碗だけでなく、桐箱に箱書き、包む布に風呂敷等々も検証され、しぼり込まれます。

日本では「唐モノ」とよんでいる茶碗や茶道具も、ほとんど(唐ではなく)宋代のもので、それらが日本の茶の湯の世界へ誘うのですね〜)))。

20世紀後半になって朝鮮半島南西沖で引き揚げられた元〜日本行きの船の積み荷には、沢山の中古品も含まれていたそう。実はその頃、既に大陸ではお茶の飲み方が大きく変わり、茶碗を使わなくなったからだろうという解説がありました。天目茶碗もその流れの中で日本にやってきたのでしょう。

それにしても、逸品の茶碗。只の輸出品ではないような・・・??
外交の匂いが致しまする。クンクン。

写真は、我が家にある唯一の天目(曜変ではありませんがw)。
茶碗ではなく酒盃です。

京都に窯を構える和泉 良法さんの作品です。和泉さんは、中国の古い窯や窯の跡を巡る旅をなさったことがあるそうです。福建省の建窯にも当然、いや一番に!?お出かけになったことでしょう。
宋代のスッ・・とした形の天目は、由緒あるお寺ではお茶を備える時にも使われているんだとか。 なるほど天目台とセットになると、急に仏具っぽくなりますw。


高貴な茶碗になった背景には様々な物語が潜んでいるのですねえ。

2020年4月3日金曜日

コロナウイルス 調理科学編(?)

油を以て脂を制する。

カリカリベーコンを作るとき、油を引いたフライパンで焼いた方が、ベーコンの脂が出やすくカリカリになりやすい。

また、カレー等スパイス料理をつくるとき、
紅花やサフランは水溶性、ターメリックは脂溶性。加えるタイミングや素材を考慮して。
料理教室でいつもこんな説明をしているワタシ・・・。

で、ふと思った。

Q.コロナウイルスは・・・?

A.脂溶性です。

コロナウイルスは、エンベロープという2重の膜に包まれた「エンベロープウイルス」で、エンベロープは脂溶性(つまり石鹸で落ちやすい)で「消毒薬感受性が良好」(つまり消毒薬に弱い)。
※ちなみに石鹸が「抗菌」や「薬用」である必要はなく、石鹸はとても有効!

https://medicalnote.jp/nj_articles/200206-001-EF
(2月頭に専門家が、手洗いの有効性についての解説)

(3月頭に朝イチでも既に解説)

両方とも見ていなかったけど、手洗いや消毒薬の有効性は、科学的にはこういうことなのですね。
きっと多くの皆様に、「とっくに知ってましたよ!」と言われちゃいますね。


で、更に思いました。

お化粧って、油性のものが多いな〜(だからクレンジングつかわないとなかなか落ちない・・・)。
化粧してるとなんだか顔に余計に花粉やホコリ、ウイルスが付いちゃうような気がするけれど、浮遊するコロナウイルスもキャッチしちゃわないかい!?? 
はて、すっぴんライフの方がローリスクなんだろうか??

ともあれ、おうちに帰ったらまず 手洗い、うがい、(ヤクルトの前にw)メイク落とし
・・・です。
拭き取りクレンジングのシートもウイルスワイプに有効かも!!?

ちょっと専門的ですが、こんなのもご参考まで。
 ↓

ワタシの大好きなちばてつやさんの描いたコロナウイルス。
ちばてつやのブログ「くずてつ日記」(2020.4.1) より




2020年4月2日木曜日

「社会距離戦略」とは?


とても分かりやすかったので、こちらにもリンクをUP致します。


ブロックしても、100%という訳にはいかない。皆が動きを制限することが結果的に感染グラフのカーブを緩やかにすることになるということを、視覚的に解説してくれています。