2009年8月22日土曜日

「八珍養顔湯」 ~香港にて


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名前に惹かれて買ってしまった薬膳スープ用・生薬セット。
なんだか若返りそうな名前))))。
中身を分析すると、センキュウ、トウキ、芍薬、熟地黄、党参、ブクリョウ、甘草、棗。
温めて、血を養って、流れを良くして・・・といった感じの処方かな。




2009年8月18日火曜日

涼茶「五花茶」 〜マカオより

今のところ、何とかほとんどクーラー無しで過ごすことができている。
とうもろこしの髭入りはと麦茶と酸梅湯、緑茶を気候に合わせて飲んで、夏バテ対策も上々。

中国南方の人の夏対策は、コレかしら?
庶民のお店で購入した「涼茶」パック。
「五花茶」。”五種類の花が入っている”と解説してあるガイドブックなどもあるけれど、「五香粉(ウーシャンフェン)」の五が「沢山」を意味するように、沢山の花を指しているのかも。こちらもバラしてみると、6~7種類はいっているみたいだ。

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菊花、金銀花、木綿花、夏枯草、葛花、ケイ蛋花・・・・。

最後の二つは、どれっちがどっち・・・???




2009年8月17日月曜日

マカオ & 香港(11)


喫茶する時、そのお国柄らしいお菓子や飲み物が気軽にいただけるというのは、なんとも嬉しい。

昨今では、何処に行ってもスターバックスだの何とかカフェだのといったチェーン店ばかりで・・・いや、 値段も場所も時間もお手軽でとてもいいとは思うけど、緑茶という素晴らしい「涼茶」が、和風喫茶にでも入らない限り、缶かペットボトルでしかいただけないというのは、ブラックバスみたく、外来品種が在来種の居住区を圧迫してるみたいな構図で、なんだか寂しい。

グローバル化した世の中で、飲食の生態系も、確実に崩れていることは否めない。

だからこんな看板を見ると、つい嬉しくなって、どれどれ・・・と、歩み寄りたくなるのだ。

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黒胡麻のお汁粉、緑豆と昆布のスープ、タピオカとココナッツミルクベースのフルーツポンチ。小豆ベースのお汁粉、白木クラゲとパパイヤのデザート、南瓜のお粥

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街角で、コーヒーボンベを背負って試飲宣伝するスターバックスのスタッフ。人海戦術っぽい販促が、ある意味マカオらしくほほえましかったけど・・(苦笑)。




2009年8月14日金曜日

マカオ & 香港(10)


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涼茶が如何に生活文化に溶け込んでいるかを痛感したもう一つのシーンがコレ。

観光地の界隈にあるスタンドでも、コーラ、ファンタなどの清涼飲料が売られている一方で、ちゃっかりこれらの涼茶が鎮座していた。

左から、

●鶏骨草:「鶏骨草」という小枝の乾燥を煎じたもので、肝機能を整える。

●花旗参?:降火・・とあるから、こちらも熱を取るもののはずですが・・・五花茶のようなものかも??

●夏枯草: これも小枝の乾燥した薬草を煎じたもので、涼茶。

●竹蔗茅根:サトウキビと茅根、人参、クロクワイ、を煎じて氷砂糖を加えたもので、止血、利尿に効果があり、肺を潤し熱を取る飲み物。




2009年8月13日木曜日

マカオ & 香港(9)


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市場の近くに、地元の人たちが気軽に利用する「薬茶スタンド」が・・・。
定番メニューもあるが、お客の体調に合わせて配合を調整してくれたりする。

私がメニューから選びかねていると「舌を見せなさい」と、ボディーランゲージで言ってくれたので、べぇ~~~~っ・・・と舌を出してみせる。

「よっしゃ!分かった、わかった」といった素振りで、右のポットと左のポット、奥から少し・・という具合に煎じ薬を小鍋に入れていき、IHで温めて、茶碗にドブドブッと注ぐ。

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「はいよ」

・・と目の前に置かれた濃い茶色の薬茶は、苦みがあって、何とも泥臭かったが、親子連れがぐびぐび飲み干す姿を見て、私も負けじと一気飲み。

こんな飲みにくいものがこれだけ繁盛しているなんて・・・。生活文化として、しっかり根付いていることを実感する。

一杯 5~10元(70円~150円ぐらい)の養生法也。




<1950年創立の海清純涼茶>

メニュー一覧
●廿四味
口苦目赤 温熱積滞 感冒伏熱 常飲防病
● 清肝鶏骨草
飲食不節 腹悶脹満 _重肢倦 夜眠烟酒
● 五花茶
明目健脾 清肝潤肺 利水清腫 小孩積滞
● 茅根竹蔗水 
__潤肺 消熱利水
● 天冬洋参茶
益気安神 _煩利眠 清心降火 養陰清熱
● 止咳茶(寒咳)
風寒咳嗽 幹咳喉癢 痰黄質_ 胸悶肋_
● 感冒茶
頸背肌痛 悪寒発熱 流涕噴_ 鼻塞咳嗽
● 清熱解毒茶
咽喉疼痛 胃火牙痛 口舌_瘡 虚火痰核
● 排毒_湿茶
暗瘡紅疹 胃悶腹脹 腸胃不適 利質排毒
●口腔茶




2009年8月11日火曜日

マカオ & 香港(8)

原産地の野菜、まだまだーっ!

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こちらは、黒慈姑(くろぐわい)。日本の慈姑とはひと味違って・・黒々としていて、力強い。

クロクワイは、余分な熱を取る働き(清熱)、痰を取り除く働き(去痰・化痰)があるという。

クロクワイのデンプンを利用して、「馬蹄粉」という粉もアリマス。

フルーツも、こんな具合・・・。

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南国なんですねえ~~~。




2009年8月10日月曜日

マカオ & 香港(7)


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これはひゆ菜。

中国南部の夏野菜らしく、偶に横浜の中華街なんかでも売られていることがあるみたい。

おひたし、汁物、炒め物・・・に・・・。

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炒め煮のスープにすると、こ~んな感じ(!)。

とても栄養価が高く、ビタミンA,B,C、E,の他カリウム、マグネシウム、ナイアシン、鉄分はほうれん草の3倍と、ミネラルも豊富。その上、体内の熱を取ってくれる「清熱瀉火」作用があるというから、これはまさに盛夏の栄養食。

原産地の野菜、流石に美しい!




2009年8月9日日曜日

マカオ & 香港(6)


レイシについては、先述したが、コチラのは流石に原産地最寄り故か、日本で入手できるものより色付のよいものが枝付きで売られている。暑い時期に暑い所へ旅する醍醐味は、こんなところだと実感。

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こちらのレイシに毛が付いたみたいなのは、ランブータン(紅毛丹)。こマレー語の名前だけにマレー原産のレイシの親戚。

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そして、茘枝に似て否なる「竜眼(リュウガン)」。

血を養う美味しい食薬でもある。

乳白色でちょっと葡萄を思わせる透明感ある淡白な果肉だが、食材辞典を引くと、ビタミンA、B1、B2、C,P,ブドウ糖、タンパク質、ヒアルロン酸(!)などを含むとある。

美容に良さそうデス~。




2009年8月8日土曜日

マカオ & 香港(5)

場外の様子もこれまた、勝るとも劣らずの賑わい。

9時過ぎ、この1m足らずの台の上で店開きしたのは豆腐屋さん。「岩豆腐」なみの硬いお豆腐と豆乳を売る。これならゴーヤチャンプルにすぐに使えそう・・・。

豆腐の加工品は、実に多様で、厚揚げ、油揚げの類はもちろんのこと、干しドウフ、押ドウフ等様々。

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こちらは、サイコロの厚揚げとまん丸に膨れた生麩の油揚げ。

珍しそうに眺めていると、オジサンが油揚げをひとつ、プレゼントしてくれた。

まるで紙風船のように軽く、手で握るとくしゃっとつぶれた。

中国では、中に好みのものを詰めて煮物にするのだとか。




2009年8月6日木曜日

マカオ & 香港(4)



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干物、漬け物もいろいろ・・・。

いりこ出汁の味噌汁にメザシも付けて、日本の朝飯ならココでも直ぐに作れそう。

が! 漬け物は・・・・。

かなり保存性重視(!?)。かなりの塩分で、かなり脱水済みのご様子。

大陸育ちの薬膳の先生が「胃ガンの原因は(”塩分の高い食べ物”と言わず専ら)漬け物です!」とおっしゃっていた意味はコレか・・・。

軽く洗い流すかそのままを刻んで食べている日本のそれとは別物と考えた方がいいかもしれない。

保存食としては、干し野菜も充実していて、タア菜のような葉物も百合根も、乾物屋で豆やスルメと一緒に並んでいる。百合根は、潤肺止咳などで漢方薬にも使われる素材で広東省が主産地だ。




2009年8月5日水曜日

マカオ & 香港(3)

ーーーー西洋か東洋か??

これまでの2枚の写真からすると、そんな言葉が出てきそう。

しかーし! 市場を見れば、ココは大陸?広東か?・・・豚肉ののれんが下がる、チャイナ横丁。

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【マカオ半島北部の屋内市場:紅街市(ホンガイシー)豚肉売り場にて】

ワンフロアーに肉屋がまとめられているが、肉は鶏と豚ばかり。羊や牛が無いのは、回教徒が少ないからかな?

紅街市(ホンガイシー)は「庶民の台所」・・・と言いかけて、待てよ、行くとこ歩くとこ、やたらと食べ物が溢れているから「ココが台所!」なんて言えないのである。

でも、肉屋や魚屋がこれだけ並んでいるのは、やっぱり市場ならでは。

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コレは鶏肉屋さん。
左手前の烏骨鶏、本当に真っ黒でござんす。

生きたモノしか買わないという中国人の市場だけあって、すぐ後ろにはケージがあり、コッコ、コッコと鳴いているのを、一羽ずつ目の前でシメていく。

値段に殆ど差が無いのに少し驚いた。中国では、烏骨鶏と地鶏は同じ扱いなのだとか。

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鯉(に煮た淡水魚?)は、生きたまま中華包丁でグサリ。半身をえぐり取られ、浮き袋がプックリ膨れたままを並べてある。

コレは活きの良さをアピールする為だそうだ。

高級食材の浮き袋=乾物で「魚肚(ユィドウ)」といわれるものは、この種ではなくイシモチ科のもので、色が白く厚みがあり、油が乗っていて異種のものなのだとか。

にかわ質が豊富で、漢方薬としても使われるらしい。精力増強効果があり、肺を強くするのだとか。
グロい光景も、鶏や魚ぐらいなら、すっかり慣れっこになってしまった。

内臓も、無駄なく利用する。
砂肝は、塩漬けにして干し肉になるし、鶏の腸も、開いてキレイに掃除され「ホルモン」(・・と呼ぶのだろうか?)として売られる。

同じアジア人でも、肝をしっかり食べている民は「肉食人」を感じさせる。
この細々とした処理の様子を見ていて、初めて「肝入り」なんて言葉の意味が解った気がした。




2009年8月4日火曜日

マカオ & 香港(2)





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ポルトガルが居住権を持って以来400年の街並み。地中海カラーの洋館と漢字のコンビネーションが、マカオチック。

パステルカラーの明るい色調が建物の年代を不明にしている気がする。

小さな漁村だったにちがいないこの島は、その立地条件諸々から、海のシルクロードの橋渡し的役割を担ってきた。

私などやっと飛行機とフェリーで来たのに、ココには随分昔から日本人が往き来したり生活を移したりもしていたのだ。

島の海岸縁一等地を覆うように建つテーマパークのようなカジノ群は、そのような感慨を台無しにしているようにも思えるが、足裏マッサージのおばさん達の雑談の内容は「昨日のカジノ」談。数千円でちょこっと遊んでちょこっとお小遣い稼ぎするようなノリで娯楽として楽しんでいる趣がある。

ああ、麻雀文化の土壌なんだなあ~と思う。

下町ムードのここのおばさんたちとはちょっと一線を画すが、ふと昔みた映画を思い出した。

『ジョイ・ラック・クラブ』(1993年)アメリカLAの中国系移民の物語だが、いつものように麻雀台を囲んであつまる女性たちの秘められた苦悩がパイをカチャカチャかき回す音にかき消されるようで、何気ないルーティーンの中からにじみ出てくる女たちの心の変化が印象的な映画だった。

マカオも、折々に難民が流れ込んだお土地柄。

おっとり見えても、ここに暮らす人々のご先祖には、様々な物語があったことでしょう。

数奇な歴史と重ね合わせつつ、カラフルな「歴史地区」街を歩く。




2009年8月3日月曜日

マカオ & 香港 の風~




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【マカオのランドマーク 聖ポール天主堂跡】
 

書棚でホコリを被っていた香港&マカオのガイドブックは'97年版。
タイパ島とコロアネ島がまだ二つの島のまま)))。
今は、埋め立てられた部分がコタイ地区と呼ばれ、カジノタウンとして開かれつつある。

10年前から「行こうかなぁ~」と思いながら、何となくご縁がなかったマカオに、先日やっと行けマシタ。
この頃、旅って不思議だなと思う。どんなに綿密にプランを立てて準備をしていても、急に行けなくなったりすることもあるのに、呼び寄せられているかのように、あれよあれよと、この前まで思いも寄らなかったところへ行けることもある。

知人のTさんは、よく"そうねえ、お呼びがあったら(行こうかしら)ね・・” といういい方をなさるのだけれど、このスタンスがなかなかいいなあ~と思い、ワタシもこの頃は、意志の下の強引さをちょっと小脇に置いて、出来るだけ吹いてくる風に乗るふうにしている。

そんな風にしていると、エネルギーも効率よく循環するし、風にも自分の気持ちにも素直に気付くことが出来るように感じる。

ちょっとしたご縁とマイルのお陰でトントン拍子に出掛けたマカオ&香港。

ささやかな思いを乗せた小舟の帆にもちゃんと風が吹いて、思ったところへ導いてくれた。