毎年八丁味噌で仕込む柚子味噌。
今年は、白味噌バージョンもプラス。
2食のふろふき大根を楽しもうという寸法です。
雅な白味噌、骨太な八丁味噌。どちらも好きですが、どちらもどこかよそ行き気分。
それはきっと、記憶にある祖母のふろふき大根が、いつもの味噌汁使用のお味噌で作られていたからだと思う。
柔らかく炊けた大根いっぱいの大きなお鍋と、味噌を練った小鍋が、まるでビュッフェのようにテーブルの上に置かれ、各自大根をすくっては味噌を掛け掛け食べたものです。
大根と味噌、両方を熱々で供しようとした苦肉の策だったのか、単なる横着か??
小鉢に盛りつけられたふろふき大根を「1ケでは足りない・・!」と感じてしまうのも、そんな「食べ放題ビュッフェ大根」に親しんだからかもしれない。
味噌は、生活感をあらわす最もさりげなく最も深ーい素材。
昨年のドラマ『天皇の料理番』では、マッカーサーの「日本人にとって天皇は?」との問いかけに宇佐美さんが「味噌のようなもの」だと応えましたっけ。「味噌は生まれたときからそこにあって、当たり前すぎて、その意味など考えたこともない。でも、明日から味噌を食べるなといわれたら、とてつもなく寂しく、暴動が起きるでしょう」と。
宇佐美さんは、天皇制を味噌に喩えましたが、味噌の歴史は天皇家ぐらい古いという、ドラマとは別の意味でこのセリフを思い出してしまいました。
味噌は飛鳥時代に大陸から伝わったと言われます。
正確には、大豆醗酵食品の「醤」という形で伝わったわけですが、味噌汁で味噌を食べるようになったのは鎌倉時代なんだとか。
一汁一菜という言葉もその頃からでしょうか。
仏教伝来と共に肉食のタブーが広まっても、日本人は味噌を始めとする発酵により生まれるアミノ酸で栄養のやり繰りをしてきたともいえます。
正に命の源、米と味噌。
そんな味噌。日本全国いろいろな味噌がありますが、土地土地の食文化を体現していると言っても過言ではないですね。
旅のような私の人生。やはりふろふき大根も、東西の味噌ハーフ・アンド・ハーフぐらいが相応しいかな(笑)。
一日1食1品は味噌を使ったお料理をいただくことが、目下、私のささやかな健康法です。
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