大河ドラマ『べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』。
里見浩太朗、渡辺兼、尾美ととりのり、中村隼人…等々、主役級の役者陣が脇役に周って大いにドラマを盛り上げています。 でもきっと、「脇こそ要」のドラマのエッセンスが後々に出てくるのですね、きっと♪
先週は、平賀源内さんが亡くなって、寂しい限り。
巷(ネット上?)では、源内さんのトレードマークでもあるキセルで吸っていた “甘い香り”のものが、大麻かアヘンか?!…と話題になっている様子。
イギリス東インド会社がベンガル地方のアヘン専売権を獲得し本格的な清国への輸出に乗り出したのも1780年…。
阿片だとするには少々時期が早すぎる気がするけれど、安田顕さんの演技はアヘンか!!? …と、思わせる迫真のものでした。
サスペンスドラマのような種明かしがないのは残念無きがもしますが、種明かしをしないことで視聴者の想像力をかき立てられているような、そんな気がします。
さて、阿片ではないのなら、大麻なのか?
大麻なら、古代からずーっとお薬として世界各地で様々にその麻酔作用や向精神作用が活用されてきた生薬としての歴史もある。
一方、暗殺者=assassin アサシンの語源にもなっていたりするほど、毒性も知られた代物。
長崎留(遊)学もした本草学者でもある源内さんなら、どちらも知っていたに違いないのに…??
大麻は、漢代(後漢1〜2世紀頃)編纂されたという最初の薬学専門書「神農本草経」に既に掲載されている生薬。江戸初期に普及しはじめた本草学の書「本草綱目」—源内さんはじめ、本草学者はコレで勉強しているはず—には、大麻も阿片/鴉片も当然載っている。
●麻蕡(まふん)←大麻の花のこと
一名麻勃、味は辛、平。
川谷に生ず。
七傷を治す。
五臓、下血、寒気を利し、
多く食せば 人をして鬼を見、
狂走せしむ。
久しく服せば 神明に通じ、
身を軽くす。
麻子は、中を補い 気を益す。
久しく服せば、
肥え健やかにし 老いず。
(『神農本草経解説』/森 由雄—より)