2017年4月19日水曜日

煮玉子 〜たまご談〜



4月の教室より、限りなくシンプルな一品。
でもこれがなかなか好評なのです。

煮玉子のタレと、卵のゆで加減が決め手です。
好みは人によっていろいろでしょうけれど、私は半熟とろ〜りより、黄味のところにしっとり感を残した8分茹でがぴったりだと思っています。
そして、外側にしっかりと味が付いていてそれでいて白さが際立つ美しさ♪

シンプルなお料理を理想的につくるのは、案外むずかしい。
ごまかしようがないそのシンプルさ。
たかが卵と思いがちですが、卵料理はあなどれませぬ。


卵を茹でながら、昔見たイギリスの料理番組を思い出しました。
イギリスのカリスマ料理研究家デリア・スミスさん。
第1回目が、なんと「ゆで玉子と目玉焼き」でした。
お肉同様、レア、ミディアム、ウェルダンを卵でも確実にやってのけることが大切とあって、卵にも、これだけ考察があるものかと思わせる解説。
流石「朝食だけは美味しい!」と評されるイングリッシュ・ブレイクファーストの、まさに "目玉"の一品。こだわりもひとしおなのです。
ダリアさん、ふだんは正統派で硬派な印象ですが、実は、熱狂的なサッカーファンで、応援チームが大切な試合で続けざまに失点したとき、思わずピッチに降りて「なにやってんのよーっ!」と、カツを入れたなーんてエピソードもあるのだ。そんな熱い一面を知り、大いに好感度を上げました。 

イギリス卵談ついでに、デモや抗議の際によくあるのが「生卵を投げつける」という行為。映画などでもよく見られます。ぱっと思いつくだけでも『リトルダンサー』('80年代炭鉱閉鎖につき労働者のデモで)『マーガレット・サッチャー  鉄の女の涙』(先述と同時代)、『未来を花束にして』(1910年代女性参政権をめぐるデモで)・・と、車や家の窓に投げつけられた卵がタラ〜リ垂れたシーンが目に焼き付いています。
安価なのに相手への心理的ダメージが大きい(が、怪我はしない)のがその理由とか。
イギリスに限ったことではないのかもしれませんが、何故かとってもイギリス的と感じてしまった。

卵といえば、ゆで玉子、オムレツ、かき玉汁にだし巻き、茶碗蒸し、プリン・・・はてはマヨネーズに到るまで、調理科学とのこれ以上ない絡みでバリエーションが果てしなく広がる食材。
それらを心得ればきっと、アナタが料理上手の称号を手にする日も夢では無い!!
卵料理、やっぱりあなどれませぬ。


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