故郷の味ってなんだろう??
何でも手に入る時代になって「故郷の味」というのも、影が薄くなりつつある気がする。
ある日電話で、人生の大先輩が「何がって、この歳になると、美味しさってのは馴染んだ味なのよね」と。
若い頃は、目新しさに美味しさを感じたりする時期もあるけれど、あれこれ食べ尽くした年齢になると、美味しさとはそういったものかもしれない。
そして、その馴染んだ味の要が出汁の味。
先の一言の後に大先輩、こう言いました。
「大羽いりこで取った出汁はたまらん。」
実はワタクシ、カツオ出汁を常用しています。
実家の味はいりこ出汁。栄養のことを思ってか、出汁いりこが具の顔をしてそのまま入ったお味噌汁。なんとなく、手抜きで野暮ったいと感じていたのです。
いつだったか、旅先の旅館で湯気の中にカツオの燻製香がふわ〜っと漂う美味しいお味噌汁を頂き「お味噌汁ってこうでなきゃ!」なんて思った日から、鰹のお出汁にはちょっとご馳走のイメージを持ってしまったのです。
もうひとり、いりこ出汁派・瀬戸内人間の友人がいますが、彼女は、自慢のけんちん汁談でこんなこと言ってましたっけ。
「出汁はいりこよ。カツオのお出汁なんて、旅館の朝食みたいで、どうもね・・・」
「!!!」
きっと彼女のお家の朝ごはんは、イリコが取り除かれたお味噌汁だったに違いない。
ある日、いりこ出汁で炊いた大根をご馳走になりました。
「懐かし〜味!美味しい!!」
・・・と、思ったのでアリマス。
どうやら私も「慣れ親しんだ味=美味しさ」という境地に突入したか。))
先の大先輩にならい、青光りするような立派な大羽いりこを取り寄せてみました[写真右]。
ちなみに、左のあじ子もいい出汁が出ます。
故郷の味は出汁にアリ!
なーんて、いつもの味噌汁に、妙に力が入る、今日この頃です。
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