2007年10月23日火曜日

どぶろく



  写真:左から
・ヨコワ(鮪の稚魚)のなめろう
・どぶろく漬け(お漬け物)
・角寿司:一見普通の押し寿司ですが、弥栄町のコレは、
真ん中に栗や豆、牛蒡などが入っている(!)

その他この日の料理は、自家製豆腐、猪肉のすき焼き、煮しめ、ゼンマイの白和え、芋天、こんにゃく、茗荷の味噌漬け、あけび、鮎等々・・・多数。

島根県弥栄町のどぶろくの会に行ってきた。

http://www.city.hamada.shimane.jp/jinzai/hanbai/doburoku.html

地元の食材で次々とお料理が出来てくる。

地元のおばさん達が持ち寄る料理も並ぶ。

自ら採ってきたねずみ茸、一本しめじ・・・射止めた猪肉に近くの川で釣られた鮎・・・。

豆腐だって、この辺の家では各家庭でつくっているそうな。

繰り返しから生まれる確かな味。農村の食文化。

これを「スローフード」というカタカナ言葉で括ってしまうのは失礼な気がする。

会に来ておられた農学博士の堀江氏に、氏特製のしめ鯖のタタキ風を薦められた。

すり下ろしたニンニクと生姜がたーっぷり、刻み葱が埋まるほどたーっぷり掛かったこのタタキ。

「せ・・先生、美味しそうですけど、こんなの食べたら帰りの車の中で(匂いで)大変なことになりますー」

「いや、どぶろくをしっかり飲んでおけば大丈夫なんだよ。ホントだよ!どぶろくに含まれる酵素がニンニクの匂いの元を分解してくれるんだ」

最初は半信半疑だったけれど、アレ不思議。ほんとに臭くない!

私を含むニンニク好きのみなさん、どぶろくがあれば、恐くない(笑)!




2007年10月21日日曜日

武相荘







白州次郎と白州正子さんの家。

かやぶき屋根は今でこそ稀少ですが、お二人がこの家を購入した昭和15年頃は、ごくごく普通の農家だったそうです。使い込まれたものが醸し出す風情がじんわり・・・。

お二人の人となりを鑑みると、これは随分とまた質素な暮らしとも見えますが、お二人が愛用した品々が置かれていて、暮らしを楽しんでいた感じが伝わってきます。


2007年10月12日金曜日

吉田牧場のカマンベールチーズ


「こだわりの・・」「美味しい!」「本格派」と評判の吉田牧場(岡山県御津郡の吉備牧場)のチーズ。

当地を訪れても売り切れでなかなか買えないと聞いていたけれど、天然酵母パンの店ドリアンさんでカマンベールが買えました(!)。

どれどれ))))。
おぉぉぉーー・・・外側トロリ、中ポソポソ。

熟してクリーミーな中にフェタチーズの食感でまだ酸味が残る未熟の芯がある。そして綿のような外側。
この外側のカビのところが好物なので、包み紙を開けた瞬間歓喜。

白カビチーズは熟々なのが美味しいと思うけれど、この半熟ぶり・・そして不揃いの気泡が残っているところは、そして成長過程を見たようで、なんだかチーズとお近づきになった気分。

ブラウンスイスのミルクでできたこのチーズは意外とさっぱりしていて甘味があります。
チーズといえば、ワイン・・・といきたいところだけど、ビールもいいな。)))



2007年10月1日月曜日

モロッコのお菓子(1)




脳みそも醗酵してしまったかのような日々が去り、秋))))。スポーツの秋、読書の秋、文化の秋・・・。

私にとっては、料理の秋。料理は読む、動く、食べるの3拍子そろっている訳です。

今日はモロッコで教えてもらったお菓子たちの試作♪

手持ちのメモや資料を基に、配合を組み立てているところです。

本のレシピには、「1ティースプーン」とか「1スープスプーン」とか「1グラス」という表現がフランス語でならんでいて、クエスチョンいっぱい。1ティースプーンとは、その名の如くティースプーンサイズなのですが、要するに小さじ1杯(5cc)位。スープスプーンというのは、いわゆる「テーブルスプーン」ということで考えると大さじ1杯(15cc) 。
しかーし、1グラスって???

グラスといえば、ミントティーを入れるあのティーグラスのことかというところまでは何とか察しがつくけれど、なにせ造りが造りなので同じ型のグラスでも微妙にサイズが違い、軽量にも誤差がでるのです。

それにしても、これは最も簡単だ・・・と、タカを括っていた「コリシラット」という焼き菓子に、こう苦戦させられるとは・・・。

コリシラットは、おじゃましたサイダさんのお宅で、お手伝いさんが作ったものをご馳走になり、すっかり気に入ってしまった一品。カンパンとクッキー、ビスケットを足して3で割ったような、素朴な焼菓子。シンプルなだけに食感が大切なのです。

ゴマとオレンジフラワーウォーター、スパイスのコンビネーションが美味しさの要。
全ての材料が噛みしめたときにお口の中で融合するほどよい硬さを目指して・・・・。

レシピを書き留めたメモには「小麦粉2キロとサラダオイル500ccに、砂糖が・・・・」とある。いきなり、1単位が大きすぎやしませんか(苦笑)。


そういえば、このお手伝いさん、読み書きが出来ないっていってました。
いつも手加減でつくっておられるのです。

何はともあれ、2,3回配合を変えている内に、現地で戴いたのにかなり近い代物が出来上がりました。これからモロッコのお菓子を再現するのは、思っていた以上に大変な作業になりそうです。

2007年9月18日火曜日

葡萄:キャンベル

子供の頃、病気になると、季節を問わず「ぶどうが食べたい」・・・と悲壮な声を上げていたらしい話を、この時期実家に帰るといつも聞かされます。

昭和40年代、水疱瘡の病の床で1月に食べた葡萄は、確かしなびたマスカット。当時、「青いぶどう」と呼んでいた。

ぶどうといえば、その「青いぶどう」か、種なしぶどう(デラウエア)、黒いぶどう(キャンベル?)ぐらいだったような気がする。(巨峰はあった??)

それが今、ピオーネ、甲斐路、ネオ・マスカット、ロザリオ、レディースフィンガー、パラディ、種なし、種あり、皮も食べられるタイプ等々、いろんな葡萄が出回って、葡萄好きには目移りしてしまう。
外国品種の掛け合わせ等々まあ葡萄の種類が多いのは留意することではないのだろうけれど、ひとつ、とても気になることがある。

キャンベルが見当たらないのだ。

あの、ほどよく酸味、甘味、渋みがあって、つまんでいるうちに爪の間まで黒くなってしまうようなびががトロッとたっぷり皮の内側に付いているキャンベル。種だって、さほど大きくない実の中に3つ4つ入っていて、野生的だった。

マスカット、大好きなんだけど、白の後には赤も戴きたいわ))と、ワインじゃないが、黒いぶどうも食べたいのです。
ピオーネ、巨峰ほど大粒でも高級でもないのでいい。(だって私の脳には葡萄は「つまむ」ものとインプットされているのだから。)

先日、偶然通りかかった果物屋さんで、キャンベルの名残濃い小振りの葡萄の房を発見(!)。

車を路肩に止めて、いそいそと駆け寄った。

久しぶりに味わうキャンベル(風)の味は、子供時代の記憶を甦らせる。

「おにいちゃん、食べるの速すぎるよー」

兄は種を出さない主義で、ツルツルとお猿のごとくのみこんでいき、葡萄の房はみるみる茎だけに・・・。

そこへいくと、皮を手で剥き剥きしないといけないマスカットは、猿の・・・もとい、兄の敬遠しがちな品種だったので、いまでもいただくときにいささか心の余裕がある気がする。(今では皮ごと食べれる「青いぶどう」も出ているから手強いが、当時のものは皮に結構渋みがあって硬かったのだ。)

でも、キャンベルは、焼き肉と並んで、せわしく食べる家庭内競争のシンボルだった。

久々に手にしたキャンベル(らしき葡萄)を、ゆったりと口に運べる喜びを噛みしめる・・・脳裏によぎる猿兄妹の想い出がちょっと邪魔だけどさ。




2007年8月27日月曜日

『レミーの美味しいレストラン』



ミツバチ、カエル、豚の番犬、魚の大冒険、馬がしゃべる・・・動物の目線で人間の世界を描いたり、奇想天外な設定は、これまでにも数多くある。
が!
キッチンにネズミ・・・ネズミがシェフに!??
パリの一流レストラン、グストーを舞台に、厨房の仕組みや組織、パリのレストラン界の厳しさをユーモラスに織り込みながら、ネズミのレミーがシェフの夢を叶えていく物語。
ネズミは、ヒトの食べるものなら大体なんでも食べられるし、人間の生活空間にもすっかり馴染んでいる・・・といえば、まあ確かにそうなのだけれど。
素晴らしい五感をもち料理が大好きなネズミのレミーにとって、唯一の壁は、体の大きさ。それが、ひょんなことから見習いシェフのリングイニとの出会いで越えられる壁となってしまったからもう大変。ヒトの目を盗んでリングイニが台無しにしたスープの味を修正したレミーは、リングイニとコンビを組むことに。二人の生み出す料理は次々とグストーの新メニューとして話題を呼ぶことになる。料理評論家や衛生局のお役人も出てきて、クライマックスは・・・・。
ラタトゥユ。
南仏の家庭料理、野菜の炒め煮。Rat and Tattoo・・・なんてダジャレはさておき、レミーの作ったラタトゥユが、評論家の舌に、幼い頃の母の味を甦らせた。スープにはじまり、ラタトゥユで迎えるクライマックスは、厳しく華やかな料理の世界に、ほっと温かな風を吹き込むかのよう。
この映画、お勧め度200%です!
http://www.youtube.com/watch?v=O-8T1IxQAzA

http://www.disney.co.jp/movies/remy/flash/

2007年8月25日土曜日

冬瓜

暑い日がつづきます。
ここへ来て力尽き果てそうな今日この頃。

水っぽいものばかりが欲しくなって、お腹がチャポチャポし始めてしまった・・・。
いかん。これで胃が鈍ると、夏バテになってしまう。

こんな時は、西瓜は、いかにも水分増量でチャポチャポに輪を掛けてしまいそうですが、実は西瓜はとてもいいのだそうです(!)。

夏の瓜・・・冬瓜、南瓜、西瓜、糸瓜、ニガウリ、胡瓜・・・全て、湿を取る働きが有るのでした。

さて、冬瓜。冬の瓜と書くけれど、夏に収穫される(冬まで保存がきくから冬瓜という)。
この冬瓜は、夏バテにスバラシイ効果を上げてくれるそうなのです。
果肉はもちろん、皮は「五皮飲」という漢方薬になり、利尿作用を促進してくれ、体内にこもる湿を取り除く働きがあるのだそうだ。さらに、冬瓜の種は「冬瓜子」という生薬。化膿性疾患(おできなど)に、大変よいのだとか。ハトムギや大黄と一緒に煎じてディトックス漢方薬。

冬瓜は、捨てるところのない優れ野菜だった!

ついでに、ヘチマも夏のお役立ち瓜科植物。ヘチマの実は、冬瓜と同じように清熱、利尿、化膿、鎮咳、去痰などの効能がある。また、おなじみのヘチマ水は、肌の火照りをとってくれる夏のローション。
(繊維はタワシになって、汗と垢を落としてくれるし。)

瓜に頼るにはあまりに猛暑な今日この頃ですが、ささやかな努力と工夫。
・・・という訳で、今日は冬瓜入りトムヤンクンといきましょーか。

   
〔写真:冬瓜にはトゲがある!! 畑から取れたての冬瓜の表面〕