2007年5月12日土曜日

京都: 原了郭の黒七味


原了郭は、祇園の香煎と薬味の老舗。創業元禄16年(1703年)。店名が、創業者の名前である。

創業者原儀左衛門(了郭)が、漢方名医・山脇先生のもとで香煎の処方を学んで開業したという。

漢方医が処方・・・!?と、ちょっと不思議に思うかも知れないが、「薬味」というぐらいですもの。香辛料は、薬という扱いなのだ。

先の清浄歓喜団(お香が入っています)もそうだが、香は邪気払いという縁起だけでなく、本当に病状を回復させるチカラがあるらしい。

効能が、消化器官を通して血液に入り働いていくだけではなく、嗅覚が脳に送るサインたるや、どうしてなかなかのもののようだ。「芳香性胃腸薬」なんていうのも、香が働いて効能となっている部分が多分にある胃薬である。

先日、アロマセラピーなどにつかうエッセンシャルオイルの「オリバナム」の香りを嗅ぐと、しゃっくりが止まると聞いて「まさかぁ」と思ったけど、気になったので買ってきて試してみたら、効いてしまって(!!)、香りの効能への認識をすっかり改めちゃった。

おっと、のっけから話しが思いっきり脱線してしまったが、今日は原了郭の黒七味がスバラシイ!という話がしたかったのだ。

うどん・そばに振りかけてももちろんいいけれど、なんだかお肉に使いたくなるこの香り。

焼き鳥はもちろん、豚・羊肉もいけそう・・・。

唐辛子、麻の実、白ゴマ、黒胡麻、山椒の粉、けしの実に青海苔・・・材料は巷の七味と変わらない。

だのに、何故黒い!?何なのこの香り!??

香り高さの秘密は、唐辛子の赤色が隠れるほど手もみをして仕上げる行程にあるようだ。

パウダー状ではなく、どこか少ししっとり感がある。

同封のしおりには、「ムニエル、フライ・・・・トマトソース」にと書いてある。山椒と唐辛子の利いた和風アラビアータなんてのも面白そう。

GWが開けてもなかなか締まらない気と心を、原了郭・黒七味の香りとピリリでシャキッとシメたい今日この頃。




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