秋の収穫を祝う縁起食であると同時に、健康、家族円満、団欒の象徴として、食べられる月餅。
ひとつひとつの素材を刻みながら、秋〜冬の滋養食だなぁ・・・と、しみじみ。))
日本のお月見では、お団子を御供えして、ススキを活け・・・お月様を見上げては「月ではうさぎがお餅を搗いているよ」なーんてといいますが、中国では、うさぎが搗くのは薬草なのだとか。
嫦娥(ジョウガorコウガ)という神話に出てくる人物が、仙薬(=不老不死の薬)を飲んで体が軽くなり、月に昇っていって帰れなくなってしまったという話がもとになっているという。こんな中国の神話が、日本のかぐや姫の物語にも繋がっているというから、なかなか古典の世界も奥深い。
さて、月餅の歴史もまた、この伝説と同じくらい古いのです。そのルーツは周代(紀元前)にまで遡るのだとか。
唐代のはじめ頃には「胡餅」と呼ばれていたようで、「胡」の文字から、西方から伝わったことがしのばれます。餡に使われていたのは、胡桃や胡麻、干し葡萄、無花果、杏、棗などの木の実や干果。なるほど、西域から伝わった食材達が豊富に入りスペシャル感満載です。
宋代に入ると、中秋に月餅を食べる習慣は民間にも広まり、餡にも地方地方の気候風土や民族性が反映された多彩なものに。
さて、あらゆる食材が手に入る21世紀の日本で、私が作る月餅は・・・
時代をズズズ・・・と遡り、やはり初代、百果月餅。
38万キロ離れた月の節句のお菓子ですもの。想いも遠くに馳せるとしよう。
真に風流な、秋〜冬の滋養食ですねえ)))。
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