この覚えにくそうな名前を覚えてしまった。
好物のチカラです。
デパートのイタリア展などあると、決まってコレを捜しています。
Sfogliatelle / スフォッリテッレ (またはスフォリアテッラ)
イタリアはナポリ地方の郷土菓子。
17世紀、今では高級リゾート地としてしられるアマルフィにある修道院で生まれたお菓子だとか。ヨーロッパのお菓子は、多分に漏れず宗教的な行事や修道院と関わりがありますが、これもその類です。イタリアのミルフィーユ?それともクロワッサン??
Sfogliatelleは「ひだを重ねた」という意味といいますから、ミルフィーユに近いですね。
ちなみにクロワッサン(croissant)は、フランス語で三日月。コレ風にいうならスフォッリテッレは「貝」「貝の形」=crostancei または cronchigliaということに。なんと意味は違えどどこかクロワッサンと似たスペルではないか。
フィリング(具)には、甘いクリームチーズや、マジパン(アーモンドパウダーのペースト)、ドライフルーツなどいろいろ。フィリングが何であろうと、この美味しさの所在はサクサクの食感です。
そして!!
フランスのそれらと大きく異なるのは、バターではなくラードを使っていたらしいのです。
お菓子の歴史について書いてある本をめくってみても、詳細の記述は見つからないのですが、海辺の町で、パイに使う油脂は、バターではなかったかもしれないというのも自然なこと。
今の世の中から思うと、お菓子やパンの先駆けはフランスのような印象ですが、お菓子作りの先駆けは、恐らく白砂糖を最初に手にした中東の人(現在のイラン〜アラブの地域)。小麦粉も、西アジアから広がりました。香料も・・・! 蒸留技術の先駆者もアラブ人でありました。 麺もパイも、東西へ伝わった小麦文化が昇華したクリエーション。どっちが先云々という話はもはやナンセンスで、只只食文化の伝播のスピード感に感服(!)。そんなことを思わせるスフォッリテッレ(またはスフォリアテッラ)です。
スフォッリテッレ(またはスフォリアテッラ)にそっくりな中国点心があります。
こちらはラードでつくる揚げ菓子。
具材次第で甜点心にも鹹点心にもなります。
昔、故・鄭先生に習ったのコレは、具がカレー風味で、美味しかったな〜〜♪
手間暇の味、心と時間のゆとりをもって作りたいものです。
写真は辻の中国料理の先生、吉岡勝美氏の本より(柴田書店)。 |
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