BSプレミアムで、『偉人たちの健康診断』という番組をやっています。(水曜夜8:00~
)
現代の科学で、人物の記録を分析し、真実と共に歴史を紐解くというアプローチで、第4回目は、大奥の女性達の健康状態についてでした。
大奥の女性たちを診るのは、漢方医。
漢方の診察は、望診(舌診や顔色等のチェック)や問診もですが、何と言っても1に脈診2に触診です。しかし、直接顔を見てはいけないとか、触れてはいけないとか、高貴な方々の診察にはいろいろ制約があったようで・・・。
身分の高い方は高度な医療が受けられると思いきや、その実真反対という皮肉な状況におかれていたことが明らかになっていきます。
お世継ぎ問題でも同様に、この「高貴な人」故のいろんな不健康ぶりが。
例えば、乳母はお世継ぎの赤ちゃん(赤ちゃんでも高貴なのだ)の顔を見ないように、顔を隠されて、おっぱいをあげなければなりませんでした。
授乳タイムのアイコンタクトは親子の絆と情緒の安定をつくる大事なひととき。それが成されることで、心が折れにくい強い精神の人間になるのだそうですが、顔を隠され、アイコンタクトも出来ないままの授乳で、絆は愚か、不安感を抱えてのおっぱいタイム。乳母の方も、緊張で、直ぐにおっぱいが出なくなっていたようなのです。緊張した乳母からのおっぱいにも、ストレス物質が出てしまい、その成分を赤ちゃんが取り込んでしまうというシンクロが起こり、不安定な精神状態になるのだそう。
家康から15代慶喜まで、歴代の将軍の中で、お世継ぎを自ら産めた御台所は、なんと3代将軍家光の正室お江(信長の妹お市の方の忘れ形見三姉妹の末っ子)のみなのだとか(!)。その他、側室が生んだ子供たちでも、二十歳まで生き延びた男子はたった4人しかいないのだそうです。
大奥で育てられる子供が一様にひ弱なのは、そうした医学的根拠のない「しきたり」のせいであろうというお話でした。
人を動物としてとらえたとき、「しきたり」とは如何に不自然な行為の数々でしょう。
人間の生き物としての有り様を客観的に見つめ直すことが、健康の第一歩かもしれません。
このシリーズでは、上杉謙信、石田三成、豊臣秀吉、坂本龍馬に西郷隆盛等々、時代を動かす人物の健康が取り上げられますが、彼らの健康状態次第で、歴史も変わったかも知れないと思うと、これはもう、あなどれませぬ。
さて、次回、5/16(水)は、三代将軍徳川家光の健康チェック。
唯一御台所(お江)が生んだ子供です。
まだ「しきたり」がコテコテになる前の江戸初期、お江がお市の方から受け継いだ(?)子育て術が紹介されるかもしれません??
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