清朝6代皇帝 乾隆帝治世の後宮の物語。
日本で言えば、家斉公の頃。(偶然か!? こちらも大奥花盛り。)
皇后と皇貴妃(皇后の代理となる地位で、通常皇后不在のときのみ授けられる位)以外に側室16人、子どもは早世した者も含め17人。(※この数字は、国会図書館のリファレンス参照
生涯にわたる妃嬪の数は30人以上との説も?)
歴代皇帝の中でも特に側室が多かったのは、乾隆帝の治世が最盛期でもあり、皇帝がご長寿で在位が長いせいでもあります。
いずれにしても、やはり専らドラマになるのは20代〜30代の即位直後から十数年。
皇帝も若くて最も子孫を残せる時だからこそ寵愛争いも激しくなる。そんな後宮の人間模様が、女のドラマとしても、「Social animal = 群れの生き物」としても、興味深いところなのでしょう。
近年、脳科学や生物科学等の見地から、人間の行動や感情の諸々は大きく動物的本能が関わっていることが語られるようになりました。 善悪の前に、本能のなせる所行なのだと。
『人のふたつの性戦略 ナンパを科学する』の著書、坂口菊恵氏(東大特任准教授)の解説によれば、ゴリラは一夫多妻制。一方テナガザルは、一夫一妻制。ゴリラとテナガザルの違いは、雄、雌の体の大きさの違いにある。ゴリラは雌に対して雄が2倍近くの体格があり複数の雌と若い雄との20頭ぐらいの群れを作っているのに対し、テナガザルは、雄雌の体格にあまり差がない。
さて、人間は??
雄の方が大きいけれど、2倍ほどの差はありませんよね。
大きさに比例すると考えたならば、必ずしも一夫一妻制ではないのかな・・・???
もちろん、この大切な問題に関し、単に大きさできめる訳にはいかないですが、同じ霊長類として、仮にこれに当てはめるとしたら、後宮は、ゴリラ社会以上(!)ということになるのだ。これは「動物的自然の成り行き」とは言いがたい気がします。
それ故皇帝も後宮の女性たちも、なにやらこの宮中のシステムの為に、自らをすり減らし、しばしば悲劇、惨劇を生んでいるのでは??
中国宮廷ドラマは、女性の権利、いや、人権問題を、涼しい顔でたっぷり盛り込んでいます。中国の、諸々の不思議に切り込むユニークな教材にもなり得る気がして、興味深くドラマを追いかけている次第。
ドラマの展開に気を取られていると頭の中の歴史が塗り替えられてしまいそうなので、どこまでホントでどこからが創作なのか、史実との折り合いを付けながら観なくては。
まずは、年表と紫禁城の見取り図など広げ、検証です。
<つづく>
紫禁城見取り図
ジョアン・チェン(写真左)とヴィヴィアン・ウー(右) 。
1980年代の話題作映画『ラストエンペラー』で愛新覚羅溥儀の皇后と側室役で
共演(競演)した女優さんが、『如懿伝』第1話でも再び皇后v.s.側室役で競演。
乾隆帝役のウォレス・フォは、溥儀役のジョン・ローンにも似た美男子。
うら若きヴィヴィアン・ウー(左)は『宋家の三姉妹』では蒋介石の妻 宋美麗役でした。
ヴィヴィアン・ウー『ジョイ・ラック・クラブ』でも、キラリ。
今や大女優としての貫禄たっぷり。皇太后役もなかなかいいです。
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