2022年11月28日月曜日

ツッカベッカライ・カヤヌマのレープクーヘン

ツッカベッカライ・カヤヌマへ行ってきました。

ツッカベッカライ。なんだか日本人には馴染みの無い響きですが、ドイツ語でツッカは砂糖、ベッカライはパン屋。つまりカヤヌマ菓子店という、実はあっさりシンプルなお名前なのでした。オーストリアでマイスターの資格を取得した栢沼氏のオーソドックスなこのお店は、永田町と赤坂を股に掛けるロケーションにあり、平日はスーツ族が並ぶそう。

お使い物の「菓子折」を買うお店なら、私には縁は無さそうなのですが・・・

ココ、「レープクーヘン」があるのです!!

私の記憶にインプットされているレープクーヘンは、うっすらアイシングの掛かった丸い黒パンみたいなお菓子で、高級菓子の印象は皆無。でも初めて食べた時、何ともいい塩梅のブレンドスパイスの風味に、大いにときめいたものでした♡ 


アイシングのようなクリームたっぷりバージョンのレープクーヘン。

まだ砂糖なんてほとんど無い時代からの、ハチミツベースのスパイスパン(ケーキ?)。それがフランスのパン・デピスに、ドイツのレープクーヘン。ヨーロッパ伝統菓子の代表格と、私は密かに思っています。

レープクーヘン(Lebkuchen)は、ドイツを中心として中央ヨーロッパ各地で作られている伝統的なお菓子のひとつ。クリスマスのお菓子としても知られます。形も大きさも食感も様々で、しっとりと柔らかいものからビスケットのような堅いものもあり、後者はクリスマスのオーナメントとなったりもします。
シナモンやクローブ、アニス、ナツメグ、オールスパイス、カルダモンなどが使われ、アーモンドやクルミなどのナッツ類、レモンピールやオレンジピールなどの柑橘系のミンチが加えられたり、チョコレートなどで風味付けしてあったりします。

名前の由来については、正確には不明ですが、「レーベンクーヘン(Leben Kuchen)」=生命のケーキ」と解釈する説や、「リーブム(libum)=ラテン語でパンケーキ、捧げもののケーキ」が起源とされる説もあるそうです。パン・デピス同様のルーツであろうことを考えたら、前者(!)ってことになりますので私はその説をとります。

アーミッシュのお菓子にもこれと極似のお菓子がありました。今ではハチミツの代わりに糖蜜を使って益々濃厚なお味です。修道院で受け継がれてきたようなお名前でしたっけ。

そうそう、グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』*に出てくるお菓子の家。あれはレープクーヘンなのですよ。

ベースのスパイスケーキ生地にリッチなクリーム(アイシング?)やチョコレートのコーティングがなされているカヤヌマのレープクーヘンは、最豪華バージョンといっていいでしょう(お値段も!・汗

下賤な事を申しますが、一口100円以上!?? 

あ〜〜しっかり味わおう!


*「ヘンデルとグレーテル」は、グリム童話に収録されている作品。
初版は1812年で、様々な書き換え付け加えの末、現在に伝わるのは1857年版のものらしい。
原作では、お菓子の家は、壁がレープクーヘンで、屋根は菓子類、窓は透き通った砂糖(飴?)で出来ていた記述があるそう。
ちなみに、この物語の時代背景は、中世ヨーロッパの大飢饉(1315~17年)の頃で、口減らしに子供を森に捨てたりしたことが題材となっています。



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