ピティヴィエ(Pithiviers) とは、パリから真南へ約90Kmのオルレアネ地方にある町の名前。そこに残る伝統菓子がコレ。
ザックリ言ってしまえば、アーモンドクリームフィリングのパイです。
最初は挽いたアーモンド入りのサブレにフォンダン(お砂糖のアイシングのようなもの)を掛けたお菓子をそう呼んでいたのが、17〜18世紀にパイ生地が生まれて以降、こういう形になったのだそう。
シンプルなものほど実は難しい〜〜〜。
バター、バター、バターの国、フランス。バターを練り込んだパイ生地の仕上がり(焼き加減、膨れ加減)、フィリングとの絶妙な水分バランスが、このお菓子の難しさでしょうか。そして、こういうお菓子には、作り手の「美味しさの美学」みたいなものが見え隠れするからたまりません。
フランスの国家最優秀職人を決めるコンテストで題材にされたりするのも、このお菓子のそんな所以からでしょう。
お菓子然り、ワイン然り。フランスの底力は、伝統を守る仕組みや精神が根付いていることと、しみじみ思います。過去を踏まえて前へ進むところは、国としての成熟さを感じさせます。
9年間もの海外修行で伝統の魅力にガッツリ浸ってきた河田勝彦氏のお菓子。秀逸でないはずがありませぬ(!)。
河田勝彦氏率いるオーボンヴュータンさんのピティヴィエ。
アーモンドフィリングとパイ生地の一体感と、意外に控え目な甘さが印象的でした。
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