2019年5月11日土曜日
筍 (2)
Q1.筍のえぐみ成分はなんでしょう!?
Q2.何故、糠や唐辛子を加えて茹でるのでしょう??
A.
この二つの質問は一つの回答でカバーできます。
えぐみ成分は、①シュウ酸と②ホモケンチジン酸です。
シュウ酸は、竹に成長すると無くなる物質ですが、筍には含まれていて、過剰摂取は結石の原因にもなるので要注意。
結石の予防には、カルシウムと組み合わせて食べることを心掛けるとよいでしょう。
そもそも筍を最初に米糠と鷹の爪を加えて茹でるのも、米糠のカルシウムがエグミと結びついてくれ取り除くことが出来るからです。エグミ抜きした筍を、カルシウムを含むワカメと共に食べる「若竹煮」は、理にかなった食べ方ということにもなります。
ちなみに、米糠と一緒に加える唐辛子は、糠臭さを消すのに役立っているのだとか。
ホモケンチジン酸は、筍に含まれるチロシンが酸化してできる物質で、同じく米糠や重曹などのアルカリで取り除く殊が出来ます。
チロシンは、非必須アミノ酸の一種で、必須アミノ酸の一種であるフェニルアラニンから合成されます。アドレナリンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の原料でもある他、代謝や自律神経の調整を行う甲状腺ホルモンや、髪の毛や皮膚の黒色色素であるメラニン色素の原料でもあります。
メラニン色素の原料!?と聞くと、シミやそばかすの原因では?と不安になるかも知れませんが、メラニン色素はそもそも肌を紫外線から守る働きをする物質です。
逆に不足すると、白髪の原因にもなります。何より成長を促す甲状腺ホルモンの材料ですので、成長期には大切なのです。
何事も、ほどほどに頂くのが鉄則ということなのでしょうね。)))
尚、チロシンは、少し苦みを感じさせる成分です。実は、バナナやアボガド、リンゴなどにも含まれているんだそうです。
それにしても、人間はいろんなことを思いつくものです。
アク抜きなんて、何をきっかけに気が付いたのでしょう??
人体の防御システムでもある味覚が、NOを突きつけたものを、それでも食べようと工夫した所には、どんな食べなくてはいけない状況があったのでしょう??
生き抜こうとガンバッテ来た人類の様々な食の工夫に思いを馳せると、あ〜有り難や!
グルメ時代は飢餓時代の賜物のようにも思えてきます。
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