<つづきです>
私の育った家では、ずーっと大型犬を飼っていました。
ごはんにさんぽ、しつけの訓練等々・・犬はなかなか世話が焼けます。
ワンコは、家族(群れ)の一員としての自覚満々で、あれこれやらかします。
ワンコはワンコなりに、役割を果たそうと、「報告係」(番犬/とにかく吠える)を務めたり、「子守」(いたずら!?)をしたり、「お手伝い」という破壊(とほほ)をしたり、忠誠を尽くして(?)私の友人に吠えついたり(無駄吠え!)していましたw。
自然界とは距離のある現代の暮らしの中では、『大草原の小さな家』のジャックや『名犬ラッシー』や『アルプスの少女ハイジ』のヨーゼフ、『フランダースの犬』のパトラッシュみたいには能力を発揮できないどころか、頑張れば頑張るほど「うるさい!」「黙れ!」と怒られてしまう(叱ってました〜)・・・。
よくグレずにいてくれた!!
そしてどんなに怒られても、無邪気に尾っぽをパタパタ振って歩み寄ってくれたものです。)))(今でも時々夢にでてくるよ〜〜〜ん・涙)
世界経済学者イアン・ブレマー氏が、この対談の最後に市民社会・個人のレベルで提案する最もシンプルなこと。
それは(社会動物である)「犬を飼ったら?」というもの。
(日本で、社会動物である人間に必要な何かを補ってくれる飼い方が出来るかどうかが、少々課題ではありますが・・・。これもまた、これからの課題かも!?)
ETV「パンデミックが変える世界」〜海外の知性が語る展望〜
二人目は、政治リスク専門コンサルティング会社社長で世界最大のシンクタンク代表
イアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏。
経済の話って、要約しないほうがいい。具体例がそのまま出た方がいい。
そう思うので、やっぱり今回も、長いですが全文を。
Q.今回のパンデミックと世界の状況をどう読み解きますか?
今回のパンデミックは「Gゼロ世界」つまり、指導者なき世界で私達が経験する最初の危機です。その結果として、この危機に各国がバラバラに対応しています。協調性が欠けています。
9.11の時、アメリカはブッシュ大統領を中心に団結しました。支持率は92%まで跳ね上がり、ヨーロッパ世界各国はそろってアメリカを支持しました。当時敵対していたロシアもアメリカを支持して、アフガニスタンの米国基地に協力しました。
2008年(金融危機)では、ブッシュ、オバマの下で団結しました。
ヨーロッパも結束しました。アメリカはG20を作り、中国がアメリカのリーダーシップを支持したことで、世界恐慌を避けることが出来たのです。
2020年の今、残念ながら最も深刻な危機が発生しています。それなのに、アメリカ国民は団結していません。トランプの支持率は46%で 9.11のブッシュの半分です。
EUは事前に知らされておらず、アメリカを非難しました。G7の協調行動もG20の協調もありません。
中国は、素早く対応していますが単独です。アメリカは、国際的リーダーシップを発揮していません。経済的な打撃が大きな問題ですが、政治的な問題はさらに大きいと思います。
世界秩序が変化するでしょう。
Q. アメリカが指導力を発揮していないことに、歯がゆさを感じると言うことですか?
(アメリカの指導力)そんなものは存在していません。
国内的には実行性のある財政政策や金融政策を実施しました。この点ではよくやりました。しかし、医療面での対応が遅れました。
検査能力の欠如、病院の対応能力で遅れをとりました。今はこの点に注目が集まっています。しかし、国際社会に於けるアメリカの対応はゼロです。
(なにせ)「アメリカ・ファースト」ですから。
世界各国がバラバラに危機を克服しようとしている状態で、このことは、将来重大な影響を持つでしょう。
Q. 今回の危機は9.11や2008年の金融危機より深刻だとお考えですか?
YES。危機の規模が遙かに大きくなることは間違いありません。
経済的影響、人命の喪失、ロックダウンの長期化により、もっと深刻になるでしょう。
この状況が、国際社会では何倍にもなります。
移動や医療用品、人員の面で協調が取れていません。
ただ日本、アメリカ、ヨーロッパのような豊かな国は、国内経済の停止状況に対応するだけの資力があります。アメリカはGDPの10%の額を景気刺激策に投入し、さらに追加するでしょう。しかし発展途上国では、同じ支援が必要なのにもかかわらず、それができません。
例えばインドでは、政府による国民の緊急支援はGDPの1%に留まっています。10%は必要なはずですが、それはどこから?! (支援は)アメリカからは来ませんし、中国からも来ません。IMFは4兆ドルが必要と考えていますが、そんなお金があるとは思えません。
ただでさえ混乱状態にある新興国や貧しい国は、深刻な影響を受けることでしょう。
日本やアメリカでは社会的距離を取ることが可能ですが、インドではできません。
国民の衛生状況は劣悪です。そして半年も雇用が無い状況となれば、国民の生命を維持する為の財政も持たないでしょう。
ロックダウンが長期化すれば、サプライチェーン、グローバリゼーション、移動、観光に対する影響は、はるかに深刻です。
国際社会は今、重大な問題に直面しているのです。
アメリカ、日本など豊かな国では多くの人々が苦痛を味わい亡くなったとしても、社会不安が大きく広がるとは思いません。でも、新興国や途上国は別です。
Q.新興国と途上国の経済についてお話がありました。
経済格差は貧しい側の国々で顕著とのこと。今の状況が続くと世界の不安定化に繋がる可能性はいかがですか?
医療制度が不備な状況で不況になれば、国民は家族を守ることが出来なくなるでしょう。
加えて、今「石油戦争」が起こっています。原油価格は20ドルまで下がりました。原油で稼ぐ国はどうすれば良いのでしょう。
例えばベネズエラの原油生産コストは原油価格を上回っているという状況。こういった国から深刻な社会不安が広がることは容易に想像できます。
暴力、体制の変更や崩壊、そして過激化が広がるかもしれない。イスラム過激派によるテロの温床がイラクやアフガニスタン、シリアといった国の不安定化にあったことは記憶に新しい。
今後、何が起こるか。それは人口が多く国民を養う力が弱い国のことを背景において考える必要があります。
更なる過激化が進むでしょう。
(私)自助のすべを持たない人々にこそ、公助の対象となるのが基本のはず。日本でも安倍政権は、富める者がより富める政策しか打たず、利権まみれ。))
今、この現象も、“グローバル”に展開しているのですね。
ブレマー氏が毎年、年始めに発表する世界の「TOP RISKS OF 2020」では既に、US v.s. Chinaの対立激化やEU諸国の分裂etc.....世界経済のサイクルから、景気の後退が予測されていました。
Q. あなたは2020のトップリスクに政界経済のサイクルをあげました。
とても厳しい世界の見通しですね。次の不況が始まるという警告です。
そしてこのパンデミックです。
各国は、団結して先に立ち向かうのか、それとも自国利益を第一に行動するのでしょうか?
私は、自国が第1という「Gゼロ世界」に向かうと、10年近く前に指摘しました。
今年の初め、世界のトレンドとしては、地政学的後退、景気後退、グローバリゼーションの分裂という現象が、既に複合的に起こっていました。
分裂は、まず、US v.s. Chinaのテクノロジー分野で始まりました。今後、サプライチェーン、製造業、サービス業に広がるでしょう。企業が従業員の数を大幅に減らす必要に迫られるからです。サプライチェーンが機能しなくなることに備えて、消費者に近付けたいと考えるからです。アメリカの企業がサプライチェーンを国内に移すケースが増えるでしょう。ヨーロッパでも他の国でもサプライチェーンを強化するでしょう。見通しは非常に厳しいです。
この先人類は、地球規模の危機に対して、以前のような強さを持てないでしょう。
例えば今、気候変動は話題にもなりません。今年はグローバル経済が縮小していることで、炭素の排出量は減っていますが、だからといって2025年の削減目標に向けて何かが変わるというわけではありません。
筋道は同じですが、取り組みへの集中力が鈍ることになるでしょう。今年の初め、あれだけ話題になったグレタ・トゥーンベリさんは(自主)隔離となりました。
気候変動だけではなく、サイバー・セキュリティー。非対称(戦争)の脅威、AI、バイオテクノロジーの倫理問題にはグローバルな対応が必要です。今、それがありません。
不信感が募り、自分の事ばかり考えています。民族主義、ポピュリズムがはびこっています。問題への対応はとても困難です。
Q.米中の対立のリスクも指摘されていますが、アメリカと中国は冷戦に突入するのでしょうか?
それはよくわかりません。只、米中の相互依存関係は弱くなるでしょう。
テクノロジーの分野では冷戦が始まっています。
中国の企業はアメリカに投資しないし、アメリカの企業は中国に投資していません。
5G,クラウド、ビックデータ、監視技術などで、米中の分裂が進み競争が激化しています。
それが、サプライチェーンや製造業、サービス業に波及すれば、米中の相互依存関係が減り、争いが起こらないという保証が無くなります。
故、危険は大きくなっています。
アメリカは、中国非難を強めています。ペンス副大統領が新型コロナの危機を知らせるのが遅かったと、中国を批判しました。中国ももちろん被害を受けています。このウイルスが爆発的な流行を引き起こすとは思わなかったのでしょう。
しかし対応のまずさ、爆発的流行には中国に責任があります。
今年選挙があるアメリカで、危機対応を誤った場合、トランプ大統領は責任を転嫁するでしょう。その時には、中国が格好の標的になります。今後、米中関係が悪化する可能性は高いです。
Q.中国は、リーダーシップが掛けた国際社会で医療援助を提供していますーーー?
援助を受ける国は当然中国への感謝を忘れないでしょうね。
その通りです。
中国は、国際社会に積極的な外交とプロパガンダの攻勢を掛けて、危機のそもそもの責任を否定しています。
世界中に医療チームを派遣し、多数のマスクと検査キットを提供しています。特にアメリカと同盟関係にありパンデミックの中心であるヨーロッパで積極的です。
今回の危機が終息した時に、世界で中国の存在感は確実に大きくなります。国際的リーダーシップという点で、もはやアメリカの存在感はありません。トランプは、一切役割を果たしていません。G20を招集する試みや、サプライチェーンの調整、データ収集の取り組みが、一切ありません。
リーダーシップという点で、アメリカの存在感はゼロです。この点でも2008年、2009年とは大きく異なっています。
Q.コロナ以後の世界秩序についてどうなっていくと思いますか?
格差が大きく広がっていると思います。中国以外の新興国が危機の対応を誤るからです。
それに対する支援も無いでしょう。
アメリカ国内では「まるでイタリアのようだ」とか「ドイツや韓国のようだ」という見方が出てくると思います。「ワシントン州は韓国に似ていて、ニューオリンズはイタリアのようだ」といった見方です。
アメリカは、元々格差が大きい国ですが、今後更に広がるでしょう。
ヨーロッパも同じです。
持つ者と持たざる者の差が大きくなるでしょう。ハイテク企業の力が大きくなり、実店舗型の企業が倒産するでしょう。
本当に大きな格差を目の当たりにすることになります。
アメリカやヨーロッパのように強く豊かな国は持ちこたえるでしょうが、貧しい国々は大きな打撃を受けるでしょう。
Q.市民社会、個人のレベルではどうでしょうか? 人々の提言は?
犬を飼うのはよいですよ。気が紛れます。一緒にいると気持ちが落ち着きます。馬鹿馬鹿しいと思うかも知れませんが、実効性があります。
朝、瞑想するのも良いです。いつもと違うことをする必要があります。
人間性を失ってはいけません。
私は、911の時にNYCにいました。恐ろしい出来事でしたが、NYは団結しました。皆が同じ体験をしたからです。人々は通りに出て、友人や家族に手をさしのべました。
しかし今回、人々は、アパートの中に安全を求めています。
人間性が奪われています。
ヒトは、社会動物です。繋がりが必要です。スクリーン上では叶いません。仮想現実では不可脳です。
国際宇宙ステーションで1年過ごした宇宙飛行士の精神的ダメージを、私達は見てきました。同じ事が、世界中で、数百万、数千万の人々に起ころうとしています。
この先、個人レベルで対処する方法が必要になるでしょう。
余談:最後の最後にサラリと語られた宇宙飛行士の精神的ダメージ。
世界がロケット打ち上げ、月面着陸に湧いた20世紀。宇宙は今も「文武両道のエリートが挑む憧れの世界」というイメージで語られます。
私も学生時代は、宇宙食の冷たくないアイスクリーム(フリーズドライ)を面白がって食べたりしていました。
でも、あれが毎日だと、心もドライになりそう。。。
ヒトとのスキンシップ。バーチャルでは決して満たされません。
何より、宇宙の旅は、放射能を浴びる可能性や骨粗しょう症、まだ不明な生殖への影響等々も考えられたりと、とても危険で健康上大きな試練があるのでした。
私は宇宙旅行なんて、全然興味がありません。
もちろん、宇宙からの観測のお陰で、天気の予測や様々な気候変動をいち早くキャッチできていたりすることは理解しているつもりです。
それにしても、宇宙開発予算はそれこそ天文学的数字に・・・。
いろいろ、予算の見直しも必要になる中で、「生命」という原点に立ち返って発想を変えていかなくては。
人間は、地球でしか生きられないのだから。
ある宇宙飛行士さんのブログ
↓
https://ameblo.jp/astro-kanai/entry-12321200805.html
「宇宙が人体に与える影響、女性と男性でどう違うのか」(BBCニュースより)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50179338
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