ブーランジェリー・ヒロ(広島市中区白島中町)
モーンゲベック。モーンは黒いプチプチ...ブルーポピー=ケシの実。ヨーロッパ菓子やパンにもよく使われているけれど、けっこう好きなんです。
あんぱんや栗饅頭にもついてましたっけ。
ブルーポピーなんて可愛い名前だけど、ケシといえば、連想するのはアヘン。
アヘンは、ケシの実の液汁からできるのだとか。
なんだかおっかない "悪"のイメージですが、最初からそうではなかったみたい。
メソポタミアでは「歓喜・至福をもたらす植物」とされているし、ギリシャ神話では、眠りの象徴、古代ローマでも鎮痛、催眠の効果が期待されていたとあります。
また、中国には紀元7世紀頃、唐代にシルクロードを辿って入ってきて「薬用植物」のような位置づけがあったみたい。(三国志の時代には既に麻酔に使われいたという指摘も・・!?)
明代に記された生薬の集大成『本草綱目』には、種の部分〔米)は「胆石の毒による食欲不振の場合、粥にして食すとよい。風邪を治し、熱を下げ、吐き気、胸焼けを治す。下痢を治し、体内を潤す」と、殻の部分は、下痢止め、慢性の咳、心腹筋骨の痛み止め、茎の部分も熱を取る働きがあるなどと、記されているのだそうです。(譚路美『阿片の中国史』より)
ポピーシード、もろ「実」=アヘンのもとじゃないですか!?
・・と一瞬思ったけれど、阿片は成分を抽出して濃縮して・・・と、麻薬になるまでにはちょっとした加工プロセスがいる訳で、自然界にあるままの姿だと良薬の効能も期待できるものということかな。
食べ物の栄養や、化粧品などの成分しかり。なんでも濃ければいいってもんじゃない。
自然界が用意してくれた適度な在り方...大切です。
さて、このモーンゲベック、ケシの催眠効果に期待して、お夜食にパクッ。
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