毎年尾道から無花果が届きます。
「無花果」。花が無い果物だなんて名前に哀愁を感じるのは、秋の風を感じる頃だからでしょうか。でもこれ、実際には実が花なのだそうで、私達が果実と呼んでいる壺形の実の中にある小さなつぶつぶ一つ一つが花で、実と呼んでいる部分は花托にあたるのだとか。
この独特の植生や風貌に、何か古代の匂いをかぎ取り、ちょっとルーツを調べてみたら、聖書(アダムとイブが裸を隠すために使った葉が無花果でした)よりも遙か昔のヨルダン渓谷にある1万1400年前の遺跡から野生種でない無花果の実が発掘され「小麦の栽培よりも古く、人類最古の栽培植物ではないか」といわれているようであります。
日本での歴史は意外に浅く、江戸初期に、中国を経て伝わったそう。
その時の品種が「蓬莱柿(ほうらいし)」。
広島〜瀬戸内は、この品種が多いようです。
その他、フランス原産の黒っぽい「ビオレ・ソリエス」とか、トルコのドライフルーツにもなっている白っぽい果皮の「スミルナ」という品種。イタリアに「カドタ」と呼ばれる似たような品種の白いちじくもあります。
「ビオレ・・」は、最近尾道でも作られていて、ちょっと時期が遅く9月下旬から10月上旬。ガーネット色の赤がちょっとおフランスして気取ってみえる(笑)。
手を広げたような大きな葉っぱ、低く横に伸びる枝・・・古代からの姿に思いを馳せると、無花果って、う〜〜ん、なんだかちょっと神秘的♪
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