2021年1月26日火曜日

如懿伝(5)女性たちの装束 1

すっかり間があいてしまいましたが、如懿伝談にもどって、昨年からの続きを。

このドラマは、衣裳やセットが素晴らしいことでも話題となりました。
なにせ総製作費96億円(!)。ショボい訳ありませんわ。。。
もうね、このドラマ見た後、日本の歴史ドラマを見ると、なんだか「セットですよ〜、撮影所でつくってますぅ〜」と映像が見えてしまうのですわ。。仕方ないのですけれども。

歴史学者や専門家たちの監修のもと、よりリアルな宮廷を再現。アートディレクターはユイリアム・チョン氏、衣装デザイナーはチェン・トンシュン(陳同勲)が担当。
素晴らしい衣裳にはとかくファンタジックな世界観が入りがちだけれど、時代も随分下って実物や写真等の記録も多く残る清朝だけに、それはもうかなりリアルな印象です。
私達が「チャイナ服」と呼んでいるものの原型が見られるのもこのドラマの魅力。

「チャイナ服」の原型は、「旗(キーパオ)」という衿やスリットに特徴のある民族衣装。
これ、防寒対策と馬に乗るための機能性を兼ね備えた結構アクティブなものなのでした。
 先にも触れたように、清朝は、朝鮮半島北西にひろがるエリアに根ざす満州族の国で、寒い土地の騎馬民族で、元々は狩猟民族の顔も持っていたはず故に衣装は、前がはたけないように深く重ね、しっかりとボタンでとめられ、旗人を包む→旗袍(キーパオ)の名前の通り、しっかり「包まれる」作りになっています。※旗人=満州族の社会組織・軍事組織である八旗に属した物の総称。

宮廷の女性達が着ているものは、その発展型なのでしょう。華やかで、の下に何枚も重ね着可能なゆったりとしたドレス的スタイルとなっています。その一番下には・・・ズボン(!)。

あるお妃の寝間着姿はこんな感じ。重ね着の一番下はこんなふう。
パジャマだわ〜♪

寒い乾燥地を駆け回ってきたこの民族は、きっと入浴の習慣もさほどありはしなかったのではないかと想像しますが、ドラマでは小さな浴槽に入るシーンが何度かありました。また、皇帝の寝室にはどうもオンドルの設備があるように見受けられ、玉座の足を置く部分にも、片足ずつ火鉢のようなミニオンドルの設備がされており、足を温めるようになっていました。

お妃たちの冬の装いは、さらにこの上に旗包にファーのちゃんちゃんこ(ベスト?)を着ていたり、長ーいマントを羽織ったりしています。なんだか今でも「あるある」のスタイル。

皇帝が、狩りの獲物の毛皮をお妃や皇太后にプレゼントしたり、お妃たちも乗馬をこなしたりと、満州族のルーツを彷彿とさせる場面も多々ありました。

ドラマのシーンは宮廷内が殆どではありますが、後半は中国の広大な大地が描かれ映像美が楽しめます。




 ちゃんちゃんこベストを着た舒妃。(葉赫那拉氏/エホナラ氏)

狩りを楽しむ皇帝たち


広大な大地。遠くには長城が。




如懿の皇后就任の式典は壮観。
ドラマのクライマックスのひとつ(第47話より)。


刺繍と砡が散りばめられた衣装には裃のような肩の付け衿(?)が付く








衣装には龍。頭には沢山の鳳凰のお飾りが。


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