広島人は、おいしいパンを食べている。
・・・と、私は勝手に思っています。
デパ地下には、ジョアン(三越)、ポンパドゥール(天満屋)、アンデルセン、メロンパン、アロフト(福屋)、ドンク(そごう)など、中央発または地元の人気パンやさんが入っており、パンやをはしごすることだって可能。
中心地のメイン道路沿い200-300m程の区間に4店もデパートが並んでいるということが、このことを可能にしている訳だけれど、コレ、よく考えたら、珍しいのではないかと思うのであります。
東京の人気パン屋の支店を含め、ザッと思いつくだけでも市内に片手に余るほどの本格ベーカリー&ブーランジェリーがあり、人口比からいくとかなり高いように思う。
Mon : 昔懐かし日本人好みのふんわりパン。「調理パン」「菓子パン」という言葉がピッタリのパン。
メロンパン:呉市に本店があるパンやさん。生地にしっかり砂糖を使い、種類もメロンパン、あんぱん、アーモンド型のクリームパン他数種に限定して生産している。昭和日本を思わせる懐かしいパン。
アロフト:日本とフランスのパンが上手く融合した感じのパンやさん。職人さんの中には、ビゴさんに憧れて来日したフランス人パン職人さんも・・。お気に入りは、ワインで練ったレーズンと胡桃入りのパンと、フランスパン生地でバターを折り込んだクロワッサン風のパン(油っぽくないのに、層があるのが嬉しい)。
ブーランジェリー101:ブリオッシュ生地にたっぷりのカスタードクリームが入ったパンが人気だが、ここのクロワッサンもバターたっぷりで美味しい(!)。ハードタイプのパンに、天然酵母のものもあるし、ライ麦パンも酸味が少なくて、日本人には取っつきやすい軽い仕上がり。気泡の大きなカンパーニュもオススメ。食パンは、8枚切りをカリッとトーストがいい。イギリスのホテルの朝食みたいですよ。
ドリアン:石釜で焼く天然酵母のカンパーニュが看板商品で、全国で取り寄せオーダー殺到のパン屋さん。コチラはズッシリ重たく、酸味のある生地。国産小麦、全粒粉を多用。ライ麦90%のパン・ニッケルには、キャラウェイが入っていて、本格ドイツ風。
ブーランジェリー・マガラ:フランスで修行した職人気質な若手パン職人真柄さんのお店。自家製天然酵母をじっくり仕込み10時間近くかけてゆっり生地を発酵させる製法のため、週に3日しか開けていないお店。なかなか買えないけどバケットが最高(!)。
ヴィレッジベーグル:本格もっちりベーグル専門のパンやさん。ベーグル食べたさに家でパンを作っていたが、お陰で今はそれも不要(笑)。
そして、アンデルセン。
デンマークの食卓がコンセプトのパン屋さん。東京・青山のアンデルセンは、広島が本家本元のブランドなのだ。
バターたっぷりの折り込み生地でできたデニッシュ(写真・下)が看板商品。
このデニッシュの開発には、創業者のエピソードが満載。創業者高木氏は、デンマークでデニッシュを食べてえらく感激し、お店の商品にしようと早速開発に当たらせたらしいのですが、デニッシュの折り込み生地がなかなか上手くできなかったそう。
「デニッシュ」。いわゆるペストリーなのだが、生地がパイ生地のように層になっているのがデンマーク風なのだとか。
生地に層を作るためには、バターが溶けて生地に馴染んでしまわないように仕上げなくてはいけないのだが、そこのポイントがなかなか解明できなかったために、失敗が続き、その失敗から生まれたのが、写真(上)の「デンマークロール」。おやつパンのような硬めの生地にアイシング。30年来の定番商品だ。広島っ子には「おいしい」というより「懐かしい」味。
お店の歴史がこもっているから、今も廃盤になることなく店頭に並ぶ。
余談ですが、デンマークデニッシュとスウェーデンのデニッシュは、生地が違うのだそうです。デンマークはアンデルセン同様層になっているが、スウェーデンのそれは、むしろ「デンマークロール」に近いバターを練り込んだ生地でできている。デンマーク人、スウェーデン人は、この違いにうるさい。
似て(?)非なる写真の2者、スウェーデン人は、どっちを選ぶでしょう??ちなみに、千葉のIKEAのカフェにあるデニッシュは日本人向けに層になった生地だけれど、ストックホルムのIKEAのは、バターの豊富なパン生地(層無し)。
パン屋も、パンの種類によって特化さつつある昨今。クロワッサンなら何処何処、バケットは何処何処ってな風に、その日食べたいパンによってパン屋を変えるなんてことが気軽にできてしまうのが広島。これってなんだか贅沢。
アンデルセン贔屓するわけではないのですが、アンデルセンの存在は、広島人のパン意識を高めているに違いない・・・・と、思っているのでアリマス。
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