2007年7月10日火曜日

モロッコのミントティー


野外市場にて。
ミント(種類複数)、マジョラム、タイム、コモンセージ、パセリとコリアンダー等々。どれでもひと束1ー2DH(30円ぐらい)。

モロッコの朝は、ミントティーとホブスマグレブ(モロッコの扁平なパン)のコンチネンタルではじまります。

ガンパウダー*(中国緑茶)とミントを煮出して爽やかでしっかりした味のミントティー。

アラビアといえば、コーヒーでは??

そう思う人も多いかと思いますが、何処へ行っても、とにかく家庭ではコーヒーでも紅茶でもなく専らミントティーなのであります。

ですがその歴史は、さほど古くはなく、中国茶を陸路で輸送していた英国商人が、19世紀半ばに勃発したクリミア戦争で足止めされたため、本来イギリスへ持ち込むはずだったものをモロッコで売ってしまったことに始まったとか。(・・とすると、先のブログで書いた「銀と砂糖を交換していた時代」には、ミントティーはまだ無かったということになりますね!)

ミントティーはストロング!

ミントティーを飲んで眠れなくなったというのをよく聞きます(私もありました!)が、これは中国緑茶のカフェイン効果でしょうか。

ミントティーを作っているところを見ると、たいてい小さなヤカンでお湯を沸かし、その中へ中国茶 を加えて煮立ててから、ミントを加えていました。

正式には、煮立てて煎じた中国茶を、砂糖とフレッシュミントをたっぷり入れたバアラド(金属製のティーポット)に注ぎ入れ、それを、1杯150ccぐらいの小さなガラスに注いでサーブします。

熱いものも冷たいモノも、飲み物は専らこのグラス。
カフェでもコーヒーは、「グラスで」「カップで」と、選ぶことができ、地元の人は、専ら「グラスで」(もちろんホット)。

日本茶や中国茶のように、蒸らして茶葉をゆっくり開かせるという発想は皆無。

まあこれは、インドやトルコのチャイも同じですが、お茶の成分もしっかりと抽出され、ストロングになる訳です。

ミントは、たいていスペアミントを使っていますが、現地で"フリオ" と呼ばれる香りが尖って強いタイプのミント(見た目はちょっとマジョラムみたいで小さな葉っぱ)を少し加えたり、"ルイザ"(ベルベーナ)も少し加えたりとハーブをブレンドして使うこともあります。

砂糖は必須。

お客に出すときには、たいてい最初からポットに入れてあることが多かったですが、最近は、角砂糖を添えて出す家庭も少しずつ出てきたそうです。
砂糖は贅沢品。2キロのブロックが、12DH(180円ぐらい)で、こちらの平均所得からすれば、日本人の感覚でキロ400円ぐらいの感じではないかと思います。これが小さな角砂糖に加工されると、更に割高になってしまいます。

沙漠地方の人たちは、特にお茶に沢山砂糖を入れること等、6/27のブログでちょっと触れましたが、砂糖たっぷりのミントティーは、モロッコのおもてなしの心。

これにまた甘いお菓子が付いて、モロッコ人、相当の甘党です。

※「ガンパウダー(Gunpowder)」という名前は、お茶の製造工程で、茶葉を揉捻するときの方法で茶葉が丸く固められ、ツヤのある色になるので、その形状から火薬(Gunpowder)と呼ばれるようになったといいます。

0 件のコメント:

コメントを投稿