2019年10月24日木曜日

『大草原の小さな家』— 料理編3 続「主食」


とうもろこし粉=コーンミールをつかったお料理をもう一つ。

 ヘイスティ・プディング(Hasty Pudding)

これは、大麦のお粥のようなオートミールをトロトロにして食べる料理のコーンミールバージョンです。
日本でも、クエイカーのオートミールはお馴染みですが、日本ではお粥のような食べ方をしている人は、あまりいないのではないでしょうか?


私も、オートミールのことは、カントリー・クッキーの材料として買い求めたのが最初です。ちょっとローカルですが、広島のバッケン・モーツアルト「からす麦のクッキー」の、からす麦とはオーツのことです。

 "ヘイスティ"とは「即席」という意味で、直ぐに炊けて食べられることを表しています。しかし、作り方を見る限り、コーンミールバージョンは、「即席」とはいかないようです。
コーンが柔らかくなるまでそれなりの時間を要したようですし、ダマにならないように常にかき混ぜなければなりません。メープルシロップを掛けて食べるのですが、そのメープルシロップも、もちろん自家製。さとうカエデ=メープルの樹液を採って煮詰めて作るのです。1Lのメープルシロップを作るためには、40Lもの樹液が必要です。

オートミールには、インスタント製品があり、買ってみたことがあります。シナモン味、メープル味等、甘い味付けのものが5つばかりセットになっていて、ボウルに開けて熱湯を注いでかき混ぜるだけの温かいシリアルです。
こちらはホントの「ヘイスティ」ですが、コーンミールバージョンは、ローラの時代から百年たってもまだお目見えしていません。
その代わりに・・・?そう、コーンフレークになったのですよ!

コーンフレークは、19世紀末〜20世紀初頭、ケロッグ博士が開発した、元はサナトリウムの養生食だったようです。ヘイスティ・プディングのようにコーンミールをドロドロにしたものから作られます。

ヘイスティ・プディング。日本語で言うなら「トウモロコシ粉粥」といったところでしょうか。
今でも、家庭料理で肉料理に、トウモロコシのピューレ(イタリア料理ではポレンタなど)やガレットみたいなものが添えられることがあるけれど、そんな感じで食べられていたのでしょう。

甘いごはん。ちなみに、日本ではお米のお粥を甘くして食べることはしません(その代わりにお餅やお団子がある♪)が、仏陀も召し上がったとされるインドのミルク粥「キール」や、スリランカの「キリバット」、トルコの「ストラッチ」等々世界には甘いお粥料理がいろいろあります。

消化が良くて甘くて食べやすい糖質は、昨今では「血糖値があがる!」と嫌われがちですが、飢えと背中合わせの時代は、身体に優しい立派な養生食であり、労いのご馳走だったのです。

<つづく>

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