2020年3月15日日曜日

パンデミック エピデミック(2)

3月11日、WHOにより、ついにコロナウイルスのパンデミック宣言がなされました。


マスク、消毒薬は不足するし、トイレットペーパーは商品棚から消えるし・・・と、パンデミックの前にパニック現象が起こったり、海外では中国人やアジア系が差別的な暴力に遭う事件などが起こっているとか。これらパンデミックの副産物的現象を表す「インフォデミック」- - - 情報の感染爆発」という言葉まで生んでいます。

インフォデミックは造語的だけれど、パンデミックとエピデミックの違いは??
改めて、辞書等で確認してみるとーーーー


● pandemic
接頭語のPan-には「全て」「あらゆる」「あまねくという意味がある。次の-demは「人々」の意。-icは、性質。
ロマンチック(romantic)もサイケデリック(Psychedelic)もアカデミック(Academic)も、接尾語で、「○○的」なんて風になる。
即ち、pan-dem-icは、全ての人々に広がる性質。広がっちゃう的な病気ということ。
世界的広がりを見せる病気はパンデミックということだ。


● epidemic
接頭語のepi-には、 「---上に」「---に向かって」とか、「---を越えて」という意味があるらしい。
エピソード(episode)=物語の間に挟み込まれる話 やエピローグ(epilogue)=納めの口上、結び。は、ちょっとわかりにくいけれど同じ接頭語。(ちなみにlogueは「談話」の意)
epi-dem-icは、近くを越えて人々に広がる性質がある病気ということで、伝染病を指す言葉みたい。

ついでにエンデミック(endemic)というのもあって、これは、en-(=その状態にする)という意味「特定の地域・グループ・時代などに特有の」という意味。「地方病」「風土病」を指し影響範囲が狭い病気に使われる言葉。
接頭語 en- は、エンジョイ(enjoy)のenであり、大きくする(enlarge)のen。

専門用語的に使われることがあったり、病気の期間のニュアンスを含んだりで、強弱での比較は適当ではないかもしれないけれど、pandemic > epidemic >endemic  みたいな感じのようです。




pandemicは紀元前から繰り返し繰り返し、世界各地で起こっているけれど、広く知られているのは何と言っても14世紀ヨーロッパのペストではないでしょうか。
古代の記録にも再々出てくる「ペスト」ですが、ペスト(pest)は本来ドイツ語で疫病のこと。だから必ずしもpest=black death(黒死病)ではなく、実は病状からして天然痘と見なされるものも多々あるようです。ちなみに英語でペストのことは「plague」。これも「疫病」の意味。
漢字では、やまいだれにネズミ(鼠)=「癙」と書くので、ネズミに付いたノミが媒介するペスト菌を一番適切に表しているといえるかもしれません。

<つづく>

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